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それから数年たったある日。
いつの間にか高校も卒業して、全員大学や専門学校に入学し、会うことも思い出すことも少なくなっていった。
大学2年のある日。まだ残っていた中学グループのLINEにひとつの通知が着いた。
英司だった。正しく言えば英司の母親だった。
[みさなんお久しぶりです。
英司の母です。いつも英司に優しくしてくださって、ありがとうございました。]
私は何か悪いことが起きた確信があった。
(ありがとうございましたって…なんだ…?)
[お久しぶりです。千代です。]
[どうなされたんですか?何かあったんですか?]
[突然で、驚かれるかと思うのですが、英司が心臓発作で亡くなりました。昨日です。今は処置を受けた北病院で安置されています。お通夜は明後日行われます。お葬式にも出席頂けると幸いです。どうか、英司を最後に見送ってください]
その後に送られてきたのは式場の位置情報と時間などの詳細が載った短い文章だった。
自分が打った文章に既読が4つ付いたのをみてから。
[出席させていただきます。]
と打った。泣けばいいのか、発狂すればいいのか、高校で私を気遣ってくれたあの子に私は何を返せただろうか。そんな思いが私の心を縛り付けて、心が張り裂けそうだった。
2日後執り行われた通夜の後、式場に泊まるのは親族だけと言われたので、1度帰宅し、次の日、葬式が執り行われ、私の親友がまた1人灰になって土に還った。
火葬場から帰る途中、みんなで千紗の墓に寄り、英司の死を報告した。あの子は英司が好きだったから、今頃会えているだろうか。
「1度は振られたけど、きっとあの子ならまたチャレンジしてるんじゃない?」
そう友紀がおどけた。
私は辛かったが、それに対してはたぶん本当に心から笑った。友紀は大人びていて、きっと辛いけど、みんなを和ませてくれた。和も慎二も笑っていた。その日は全員で夜ご飯を食べて居酒屋で呑んで帰った。