TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

その日は慎二が同じ方向だからと一緒に帰ることになった。

とても久しぶりでぎこちなかったけれど、色んなことを思い出しながら歩いた。同時に、蓋をして鍵を閉めたはずの想いが隙間から溢れ出てきた。私は慎二に片思いをしていた。高校のほとんど会っていなかった時もずっと好きだった。幸い慎二はそほぼ男子校のような学校だったので、恋人はできていなかった。

これで別れたら、もうしばらく会うこともないのかなと、悲しさを押し殺して、

「私の家、ここだから。じゃ、また今度ね。」

と言った。何となく泣きそうだった。少しだけ、俺の家来ない?とか引き止めて欲しいと思った。けど、思ったのとは違う答えが返ってきた。

「え、俺の家、そこ。」

と、慎二が指さしたのは私の住んでいる部屋の3つ右隣の部屋だった。

「え、は?うそうそ、こんな近くにいて会わないこととかある?」

「いや、俺は知ってたけど、お前が気づかないから、別にいいのかと思って。」

「いや、言ってよ!」

片思いしていた中学の同級生が、隣人だった。そんな都合のいい話あるだろうか。

(あるんだなぁ)

驚きを隠せない私だったが、彼とは恋仲とかではなかったし、彼は割とドライなので。

「まぁ、これからもよろしくー。俺眠いから、じゃね。」

と言ってそそくさと家の中に入っていった。

私はと言うと

「え?あ、じゃ、じゃあね!」

と、おろおろしながら家に入った。

その日はなんだがドキドキして眠れなかった。何かいい事が起きるそんな確信があった。




千紗がどこかでニヤニヤしている気がした。

この作品はいかがでしたか?

48

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚