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ミセス短編集

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ミセス短編集

14 - 消える前に抱いて (💙❤️)

♥

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2025年08月22日

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若井滉斗 × 大森元貴


幼馴染


🔞


⚠️死パロっぽい?












高校二年になっても、夜になると胸が締めつけられる。

布団に潜り込むたびに、もう隣にはいない彼の笑顔を思い出してしまうから。


_若井滉斗。

中学の頃、交通事故で唐突に命を奪われた幼馴染。 同じ町で、同じ通学路で、当たり前のように隣にいた存在。

失ってからもう三年近く経つのに、彼の声も匂いも、まだ俺の中で生々しく残っていた。


その夜もそうだった。時計を見れば、深夜2時57分。

寝返りを打って、ため息を吐くと、ふと視界の端に、誰かが立っていた。


ベッド脇。

白い月明かりを受けて、細い影が浮かんでいる。 目を凝らさなくても分かった。見間違えようもない。



「……滉斗……?」



喉から震える声が漏れた瞬間、涙が勝手にあふれた。

そこにいたのは、三年前に死んだはずの若井滉斗。 制服でもなければ、血に濡れてもいない。普通に、生きていたときのような姿で。



「……元貴」



低く、落ち着いた声。

けれど輪郭は淡く、霧みたいに揺れている。 触れたら消えてしまいそうで、それでも俺は手を伸ばさずにいられなかった。



「っ……!」



指先が頬に触れた。

冷たいのかと思ったのに、温かかった。 その瞬間、抑えていたものが一気に崩れて、俺は滉斗の胸に縋りついた。



「なんで……! だって、お前は、死んだのに……! なのに、どうして……!」


「……俺にも分からねぇよ。でも、気付いたらここに立ってんだ」



滉斗は不器用に笑った。

中学の頃から変わらない笑い方。 涙と嗚咽でぐしゃぐしゃになりながらも、俺は必死に抱きしめ返した。


抱き合ったまま、自然と唇が重なる。

ずっと夢に見て、決して叶うはずがなかった口づけ。

初めてなのに、懐かしくて、震えるほど愛しかった。



「ん……っ……滉斗……」


「元貴……もう、離さないから」



唇を重ねるたびに、温度が確かめられる。

舌が触れ合い、息が混じり合った瞬間、頭の奥まで痺れた。 幽霊なんて呼べない。これは確かに、生きている人間の熱だ。


気付けば俺はベッドに押し倒されていた。

身体の上に覆いかぶさる滉斗の顔は、まるで生前そのまま。

けれど、瞳の奥だけがどこか切なく揺れていた。



「……なぁ、元貴。俺のこと、ちゃんと覚えててくれた?」


「……忘れるわけ、ねぇだろ……バカ……」



答えると、滉斗は満足そうに唇を噛んで笑った。

そのまま、首筋に舌を這わせる。 生々しい熱がじわりと広がり、息が乱れていった。



「や……っ、滉斗、だめ……っ……」


「いいだろ。俺、今ここにいるんだ。夢でも幻でもねぇ」



耳を甘く噛まれ、背筋が跳ねる。

シャツのボタンが一つひとつ外され、白い肌を晒していく。 心臓が痛いほど打ち、涙と声が混じって抑えきれなかった。



「ずっと……元貴に触れたかった」


「俺も……っ、ずっと……会いたくて……でも、もう二度と……」


「こうして会えてんだ。だったら、もう考えるな」



そのまま重なり合う。

熱く、深く、溶けるみたいに。

切なさも恐怖も、全部かき消してくれるような強い抱擁と律動。



「……っ、滉斗……あぁっ……!」


「元貴……声、我慢すんな……もっと、聞かせて……」



ベッドの軋み、湿った音、涙交じりの声。

現実感なんてなかったのに、快楽は生々しく迫ってきて、逃げられなかった。



果てたあとも、滉斗は俺を抱き締めて離さなかった。 何度も額や頬にキスを落としながら、呟く。



「必ず、また来る。……だから、待っててくれるか」



俺は声が出せず、ただ強く頷いた。


_そして、それから毎週金曜の深夜三時。

滉斗は必ず現れるようになった。


何度も抱き合い、身体を重ねて、愛を確かめ合った。

彼が死んでいるなんて、信じられなくなるくらい。

ただ、その瞳に時折浮かぶ「帰れない場所を見つめるような影」が、唯一の現実を突きつけていた。


それでも俺は、金曜の深夜を生きるために過ごした。

滉斗が消えてしまうまでの刹那を、全身で刻みつけるように。


いつか、終わりが来ることを知りながら。
















うわぁどーだろこれ


長編で書こうかな









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