「そちらはどのようなご用件で?」
「俺は少し依頼を任されてて…そちらは?」
「俺らも同じ感じですわ…w気が合うんちゃいますか?」
「いえいえ…w」
あーー…やりづらい…
左右からは子供の視線。
そして斜め左前からは、今にも噛みつかれそうな黄緑色の瞳を覗かせた彼の視線がある。
終わってるなぁ…この空気…
正直早く抜け出したいのは山々だが、案内人である子供たちはのんびりとここでの時間を大切にしておきたいらしい。
その条件を踏まえ、彼らが承諾してくれたのだから飲むしか無いだろう。
そんなことに気を取られていると、何かが太ももに乗ってくるのが分かる。
視線を移してみると、そこには黄色の彼が頭を置いて目を瞑っていた。
さっきまで律儀に椅子に座っていたからお尻が痛くなったのだろうか、なんて考えを巡らせるだけで、注意なんてものをすることはしなかった。
フードの上にそっと手を置いてやる。
ゆっくりと瞼が開く。
黄色い瞳が、真っ直ぐにこちらを見る。
「………」
少しでも触れれば消えてしまいそうな命。
その運命を自分が握ってしまって良いのだろうかと改めて考えていると、横から袖を弱く引っ張られる。
「アソボ」
カタコトが流れる小さな口。
じっと顔を見つめていると、それがきゅっと音もなく結ばれる。
「…あぁ、良いよ。何する?」
無意識に見つめていた視線を和らげ、緑色の眠たそうな瞳を見つめる。
先の自分は、彼の瞳にどう映っていたのだろう。
「キテ。キテ…」
グイグイと袖を引っ張られるそれに椅子から自然と腰が離れていく。
膝の上で寝転んでいた黄色い彼はそれと同時に自然と離れていく。
手を振る他の全員を後に、俺と緑色の彼は食堂を後にした。
「…んで、お前さんら、本当は何者なんや?」
部屋の出入り口を通って行った彼らを見送ったゾムは、残った3人へと視線を向ける。
視線、と言っても彼の目は影になっていて他人からはうまく見えないが。
「…ほんと?」
「にんげんやって」
赤い彼は首を傾げ、黄色い彼はタバコを吸う。
「本当に「人間」の子供ならその年齢でタバコを吸える筈が無いんとちゃうか?」
「にんげんでもたばこは吸うやろ」
黄色い彼の瞳には、「子供」や、「大人」という単語が一切見つからなかった。
「はぁ…あのなぁ………」
「俺ら今依頼されてんねん」
ゾムが淡々と話し始める。
「森の中の館に住み着いている妖怪を…」
「退治して来て欲しいってなぁ…?」
コメント
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みどきょー可愛い........ 退治?!あんなにかわいい子たちを!?できるんかゾォォォォォム!!!!!!!