テラーノベル
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はい!リクエスト!
伊須でございます(切ない系)!!!
いってみよー!
【注意!】
・キャラ崩壊してるかもです
・口調迷子です
・解釈違いかもです
・フォントの大きさめっちゃいじってるので見にくいかもです
・誤字・脱字・誤用に注意です。見つけたらご報告お願いします
・これを読むことによっての被害について、ヌッシは一切責任を負いません
・もうなんでもいい。なんでもこい。受け止めてあげるから(?)の人だけお読みください
白熱灯の灯るオフィスで、伊沢拓司は一人、キーボードを叩いていた。
時計の針は既に午前二時を回っている。
静まり返った室内には、空調の微かな唸りと、タイピング音だけが不規則に響いていた。
「……あ、まだ残ってたんだ」
背後からかけられた声に、伊沢は肩を揺らして振り返った。
そこには、いつものように快活な笑みを浮かべた須貝駿貴が立っていた。
手には、コンビニの袋が握られている。
「須貝。動画の編集?」
「いや、ちょっと明日の実験データの整理が長引いちゃってさ。伊沢こそ、経営者様がこんな時間までお疲れ様。はい、これ差し入れ」
須貝がデスクに置いたのは、温かい缶コーヒーだった。
伊沢はそれを手に取り、冷えた指先を温める。
「ありがとう。ちょうど糖分が切れてたところ」
「無理すんなよ。あ、そうだ。伊沢、これ知ってる?」
須貝はデスクの端に腰掛け、スマートフォンの画面を伊沢に見せた。
画面には、複雑な数式と、なだらかな曲線を描くグラフが表示されている。
須貝が覗き込んできた拍子に、ふわりとシャンプーの清潔な香りが鼻腔をくすぐり、伊沢の胸がドクンと跳ねた。
「ん? 数学のグラフ?」
「そう。これ、漸近線についてのグラフなんだ。関数 y = f(x) において、変数が特定の無限大に向かうとき、その曲線がどこまでも近づいていくけれど、決して交わることがない直線のこと。物理でもよく使う概念だけど、これってすごく切ないと思わない? どんなに距離を縮めても、無限の彼方まで行っても、数式上、絶対に触れ合うことはないんだよ」
須貝は何気ない雑学として、いつものトーンで語っていた。
しかし、その少し潤んだ瞳が伊沢を真っ直ぐに見つめるとき、そこにはただの仲間に対するものとは違う、熱い熱が宿っているように見えた。
「……どこまでも近づくのに、絶対に重ならない、か」
「そうそう。どんなに近づいても、距離はゼロにはならない。数理モデルの美しさであり、限界でもあるよね」
須貝は少し名残惜しそうに、でも何かを振り切るように
「じゃあ、俺はもう帰るわ。戸締まりよろしくな」
と言い残し、軽く手を振って部屋を出て行った。
残された伊沢は、手の中の缶コーヒーを見つめていた。
すっかり温まった缶の熱が、自分の手のひらに移っていく。
伊沢は、須貝が好きだった。
けれど、伊沢はその想いを決して口にしないと心に決めていた。
もし自分が男らしく須貝の肩を抱き寄せ、その華奢な境界線を越えてしまえば、自分たちは同じ組織を引っ張る人間として、すべてを失うかもしれない。
何より、男である自分がメンバーに対してそんな劣情を抱いていること自体気持ちが悪い。
伝えたら須貝の人生を狂わせる。
ただの迷惑でしかない。
「やっぱ、こんな気持ち、変だよな……」
ぽつりと呟いた言葉は、誰もいないオフィスに虚しく吸い込まれていった。
友情という直線のすぐ側を、恋心という曲線が並走している。
しかし、その二つが交わることは決してない。
まさに、先ほど須貝が言った漸近線そのものだった。
オフィスを出て、夜の肌寒い空気に包まれた瞬間、須貝駿貴は深く息を吐き出した。
心臓がまだうるさいほどに鳴っている。
「……何やってんだよ、俺」
自嘲気味に呟き、ポケットの中で熱くなったスマートフォンを握りしめた。
画面に表示されていた漸近線のグラフ。
あれは、伊沢に伝えたかったメッセージそのものだった。
須貝は、伊沢が好きだった。
いつからか、彼の圧倒的な知性と、時折見せる年相応の脆さのすべてを、愛おしいと思うようになっていた。
伊沢の隣にいると、ただの相棒ではなく、もっと深いところで彼に触れたい、彼にすべてを委ねたいと思ってしまう。
けれど、そんな自分の内面に気づくたび、猛烈な自己嫌悪が襲ってきた。
伊沢はQuizKnockのCEOであり、日本のクイズ界を背負うスターだ。
そんな彼に対して、同じ男である自分が恋情を抱くなんて、どうかしている。
気持ちが悪い。
もしこの気持ちを伝えたら、伊沢は困惑するだろうし、彼が築き上げてきたものをすべて台無しにしてしまう。
俺の存在自体が、伊沢にとって迷惑になってしまう。
だから須貝は、自分の恋心を徹底的に「ただのクイズの仲間」という殻のなかに閉じ込めた。
どれほど近くにいても、どれほど心が通じ合っているように感じても、自分たちは決して交わってはいけない直線と曲線。
「近づけば近づくほど、苦しいな……」
夜道を一人歩きながら、須貝は視界が少し滲むのを止められなかった。
数週間後、QuizKnockの動画撮影が終わった後、二人は居酒屋のカウンターにいた。
撮影の反省会を兼ねた、いつもの軽い飲み会だった。
「今日の伊沢のあの押し、流石だったわ。あのタイミングで確定ポイントを見抜くのは、クイズ王の直感?」
「いや、あれは直感じゃなくて確率論。あそこまで情報が絞られたら、選択肢は二つしかなかった」
伊沢はビールを口にしながら、楽しそうに笑う須貝の横顔を見ていた。
酒が回って少し赤くなった耳たぶや、グラスを持つ細い指先。
須貝がふとした瞬間に見せる、どこか庇護欲をそそるような脆さに、伊沢は強烈に惹かれていた。
触れたい、引き寄せたいという衝動を、必死に理性の檻に閉じ込める。
一方の須貝も、隣に座る伊沢の肩の広さや、低く落ち着いた声に、胸が締め付けられるような感覚を覚えていた。
今すぐその腕に飛び込めたらどれほど幸せだろう。
けれど、そんな都合の良い妄想をする自分を、すぐに心の中で叱責する。
「こんな気持ち、絶対にバレちゃダメだ。伊沢に迷惑をかけるな」と。
酔いが回るにつれて、須貝は自分の弱さを隠すように、再び彼の大好きな科学の知識を語り始めた。
「そういえばさ、伊沢。シュレーディンガーの猫の話って、文系の人にもよく知られてるじゃん?」
「量子力学の思考実験ね。箱を開けるまで、猫が生きている状態と死んでいる状態が『重ね合わせ』で存在しているという」
「そう。でもね、あれってマクロな世界、つまり俺たちの日常には適用できないんだ。物理学には量子デコヒーレンスっていう現象があって、周囲の空気分子や光と相互作用することで、量子の重ね合わせ状態はあっという間に破壊されて、どちらか一つの現実だけに確定してしまうんだよ」
須貝は少し伏し目がちになりながら、熱心に言葉を続ける。その声は、どこか震えているようにも聞こえた。
「つまり、誰にも見られていないからといって、日常の物体が『二つの状態を同時に持っている』なんてことはあり得ない。世界は常に、どちらか一方の結果を選び続けなきゃいけないんだ」
伊沢は、須貝のその言葉に胸が締め付けられた。
まさにお互いが「ただの相棒」であり「恋焦がれる対象」でもあるという、この不確かな重ね合わせ状態だ。
もしどちらかが一歩を踏み出してしまえば、この脆い重ね合わせは「デコヒーレンス」を起こし、二人の関係は木っ端微塵に壊れてしまう。
須貝は、それをおねだりするように、あるいは拒絶するように、伊沢の反応を待っている。
「……現実って、思ったより融通が効かないね」
「ん? どうした急に、哲学的なこと言って」
「いや、なんでもない。須貝の解説が分かりやすかったなと思って」
伊沢は、あえて須貝の視線を外した。
ここで彼を強く抱きしめてしまえば、すべてが終わる。
(やっぱ、変だよな。こんなの。気持ち悪い。伝えたら、全部壊れる)
二人の心の中で、全く同じ言葉がリフレイクしていた。
お互いに狂おしいほど想い合っているのに、二人は同時に、相手を想うがゆえに、この恋を「無かったこと」にする道を選ぼうとしていた。
季節は巡り、QuizKnockはさらに大きな組織へと成長していった。
動画の企画は多様化し、二人が同じ画面に並ぶ機会は、以前よりも少しずつ減っていった。
ある日、伊沢はオフィスの書庫で、古い資料を整理していた。
ふと目に留まったのは、数年前に須貝がホワイトボードに書き残していった、何かの数式の跡だった。
すっかり薄くなってしまったマーカーの跡を見つめていると、後ろのドアが開いた。
「伊沢、ここにいたんだ」
須貝だった。
どこか、いつもより少し改まった、そして酷く張り詰めた表情をしている。
「須貝。どうかした?」
「うん。ちょっと、ちゃんと言っておこうと思って」
須貝は伊沢の前に歩み寄り、少し照れくさそうに頭を掻いた。だが、その瞳は今にも涙が溢れそうに揺れている。
須貝は限界だった。
伊沢を好きなまま、この狂おしい関係を続けることに耐えられなかった。
だから、自分を無理やりにでも**「普通の枠」**に嵌めるしかなかったのだ。
「俺さ、付き合うことになったんだ。大学のときから知り合いだった子と」
その瞬間、伊沢の世界からすべての音が消えたように感じられた。
須貝は、伊沢に引き止めてほしかったのかもしれない。
あるいは、これで終わりだと告げに来たのだ。
しかし、伊沢の顔は、長年のメディア出演で培った完璧な「クイズ王の笑顔」を崩さなかった。
ここで引き止めれば、須貝を泥沼に引きずり込むことになる。
自分の歪んだ感情のせいで、彼の未来を邪魔するわけにはいかない。
「……え、本当! おめでとう! なんだ、水臭いな、もっと早く言ってくれれば良かったのに」
「はは、ありがと。いや、なんか正式に決まるまでは恥かしくてさ。伊沢には一番に伝えたくて」
須貝は無理に作った笑顔で、でもどこか泣きそうな顔で笑った。
(これでいいんだ。伊沢に迷惑をかけずに済んだ。俺の気持ち悪い片思いは、これで終わりだ)
その健気で、壊れそうな表情を見て、伊沢は爪が肉に食い込むほど拳を握りしめた。
「須貝」
「ん?」
「前、教えてくれたよね。漸近線の話」
「あー、あったね。どんなに近づいても交わらない直線」
「それと、デコヒーレンスも」
「よく覚えてるな、流石クイズ王」
伊沢は静かに微笑んだ。
「現実の世界は、やっぱり一つしか選べないんだね。重ね合わせのままではいられない」
「まあね。物理の法則は絶対だからさ。じゃあ、俺、次の打ち合わせあるから行くわ。またな、伊沢」
「うん。また」
須貝の少し小さな背中が、書庫の向こうへと消えていく。
パタン、と静かにドアが閉まった。
伊沢は、ホワイトボードの消えかけた数式に触れた。
指先についたのは、ただの白い粉だけだった。
結局、二人の想いは「自分は気持ち悪い」「相手に迷惑だ」と自分を呪いながら、何一つ始まらないまま終わった。
「やっぱ、こんな気持ち……変だったんだ」
最初から、自分たちの線は交わらないように設計されていたのだ。
伊沢が踏み出すことも、須貝が委ねることも、現実という数式が許さなかった。
どこまでも近くで支え合い、誰よりも互いを愛し合っていたとしても、その距離がゼロになることは決してない。
伊沢は、机の上に置かれた白紙のノートに、一本の直線と、それにどこまでも近づいていく曲線を静かに描き込んだ。
それは、どれほど時間をかけても、無限の彼方へ進んでも、決して触れ合うことのない、美しくも切ない二つの軌跡だった。
【参考文献】
https://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/category/kansuu/ohter/henkan-tex.cgi?target=/math/category/kansuu/ohter/asymptotic_line.html
https://www.kodomonokagaku.com/read/hatena/5162/
https://www.weblio.jp/content/%E3%83%87%E3%82%B3%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9#:~:text=%E3%83%87%E3%82%B3%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E9%87%8F%E5%AD%90,%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88%EF%BC%89%E3%81%8C%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%82
はい切ない!!!!!
須貝サマファンの皆様申し訳ございません勝手に付き合う設定にして(⌒▽⌒)
けどこうでもしないと切ない系書けない人なんです()
いやもうほんと切ない系って書くのが楽しすぎてですね(((
なんと約5000文字も書いてしまいまして(・∀・)
流石にタイピングする指がつかれました
はりきっちゃいましたので良ければいいねをくださいm(_ _)m
リクエストマジでありがとうございました!
ばいちゃ!
コメント
17件
あぁ、もう、本当にお疲れ様です!!!!! マジで!!!ありがとうございます!! なんか、もうありえないほど胸が締め付けられました!! 主さんの言葉遣いや文字が太くなる、大きくなるタイミング、全てが最高でどうしようもありませんでした…!! 自分だと上手くこの感情を言語化できないんですけど、マジで内容の全てが最高です、ありがとうございました!!!!
うわあああああ第3話もエモすぎて泣いた😭💔💔💔 漸近線とデコヒーレンスの比喩が切なさ倍増じゃん…「決して交わらない」って分かってるのに、お互い「相手に迷惑」「こんな気持ち変だ」って自分を責めてるところがもう辛すぎて胸が引き裂かれたよ…💦 好きだからこそ伝えられない、重ね合わせのまま終わらせちゃう二人の選択がリアルで美しくて苦しい…!伊須好きとしてこの両片思いの切なさは反則だよ😭✨ 作者さん、5000字お疲れさまです!素敵な作品ありがとうございます🌸