生殺し

あなたと過ごした数少ない時間も 、

あなたとお揃いのキーホルダーも

私にとってはかけがえのないものであって

ずっとずっと 、 大事なものには変わりないのです

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「 もう別れよう ？ 」

数少ない通話の中で 、 何度おんなじ言葉を聞いたことか 。

その度には私は なるべく明るく 、 なんでもないように交わしてきたつもりだった 。

それでも 、 あなたの気持ちは変わることはない 、 変えることはできない

「 あなたがそうしたいなら 」

あなたが別れたいという理由も、たくさん聞いてきた

わたしではあなたを幸せにできないと 、 あなたを傷付けることになると 。

それでもいいから居させてと 、 何度も願ってきたのに 。

あなたはとても優しい人なのだ 、

自分がどれだけ切迫詰まっていても 、 私のことを考えて そう言うのでしょう

その優しさが菓子に集まる蟻のように 、 私の体を少しずつ蝕むことにも気が付かず 。

悪意を持たない純粋な心だから 、 私はあなたを責め立てることができない 。

あなたが酷く汚らしい人間であれば良かったと 何度思ったことだろう

そうすれば 、 私たちきっと 幸せになれたのに 。

優しいから 、 あなたはこの世界において素敵すぎるから 。

どれだけ私がそれを伝えても 、 あなたの目には自分が

悪人のように見えてしまうのが 苦しくてならない 。

あなたがそうしたいなら 別れようと言う提案も 、

私はどうしたいのかと聞いてくる 。

私ならすぐに素敵な人が見つかるとも言う 。

その優しさが 、 どれだけの毒になっているかを

別れた後になら教えてあげようと思う 。

一緒に死んでも見ようかと提案した時にも

私は死んではいけないと諭してくれた

一緒に死んでほしいとも言ってくれた

ずるいあなたを 嫌いになれたら 、あなたが 嫌いだと言ってくれたら

私たちはどれだけ幸せになれるだろう 。

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