〈peint side 〉
日記を書き始めてから一週間ほど過ぎた
なんとなく今まで書いた日記をパラパラと見返してみる
今日のらっだぁは寝ぼけてしにがみくんの名前を呼んだ。むかついたから蹴飛ばして一人で寝てやった、、らっだぁのバーカ (中略)
今日はらっだぁが急にお風呂で頭洗ってやるよ!と意気込んで言うから甘えさせてもらったら、俺の大好きな匂いのシャンプーを新しく買ってきてくれてたらしい
こういうとこなんだよな、ほんとに。
(中略)
今日のらっだぁは珍しく熱を出して服を裏表間違えてきていた。いつもとは違うぽやぽやとした雰囲気がもうなんかめちゃくちゃかわいい
(中略)
今日のらっだぁは、
今日は、
らっだぁは
らっだぁ
らっだぁ
らっだぁ
気が付けばらっだぁのことで埋め尽くされていた、それくらい自分の中で彼の存在が大きくやっているのを日々感じている
畑に大きな実をぶら下げる植物たちを見て、そろそろ秋冬野菜を植え始めようかななんてぼやりと考え始めていた
rd 「今日収穫しちゃう?」
pn 「の方がいいかなーと思って
てか、よくわかったね今」
rd 「ぺんちゃんの考えてることなんて丸わかりよ」
なんでそうやって言われて嬉しいことばっか言うんだよこの人。ほんとずるいな
それがちょっとムカついて彼を試すようなことをする
pn 「じゃあ今はなに考えてるでしょう!」
意地悪しちゃおーっと
めっちゃ好き。
流石にこれは当てられるわけない
rd 「はー、わかりやす
俺のことが大好きなんだよねー!」
pn 「はい残念、らっだぁは性格ブスでした」
rd 「あ、酷い。」
pn 「ハサミ持ってくる」
そう言ってそそくさとその場を後にして逃げるように農具をとりに行った
ほんとに当ててくるなんて、
いや流石に冗談だよな
落ち着かせようとするけど頭に響くほど鼓動は早く強くなっていた
もうすぐ九月を迎えるというのに容赦なく降り注ぎジリジリとする夏の太陽。あまりの暑さに俯くと垂れてくる汗が、視界からも夏を感じさせた
pn 「らっだぁー、籠持ってきてー?」
しばらくするとのそのそと籠を持ってきては、死にそうな顔で俺に訴える
rd 「やばぃ、と、とけちゃう」
あまりにも酷い顔をしているもんだからその顔を馬鹿にしながら休んでていいよ、と伝える
らっだぁを休憩させて俺は黙々と作業を続けた
本格的に育ててはいるけど、そこまで広い畑でもないしお昼前には収穫し終えることができた
収穫し忘れがないかチェックしてっと、
うわこのきゅうりでっか。ほぼゴーヤみたいになっちゃってるわ
pn 「らっだぁー!見てこれゴーヤみたい笑」
縁側で休む彼に向かってゴーヤきゅうりを片手に立ち上がった
pn 「っ、、」
すると急に耳鳴りし始めて視界がぼやける。
やばっ、水分補給し忘れt、、
バタンッ
rd 「ぺいんとっ!?」
頭がずっしりと重く、視界は砂嵐のようになって耳鳴りが蝉の声すらもかき消してしまった
右半身に感じる衝撃で倒れたのだろうと認知するも、体がうまく動かせない
らっだぁ、、どこ
〈radao side〉
ぺいんとが倒れた。この様子は確実に熱中症だと判断する
rd 「ぺいんと、きこえる?」
まずは意識があるかの確認と応答ができるか否か。俺は彼のそばに駆け寄って返事を待つ
pn 「らっだぁ、いる? 今俺、前見えない」
意識もあるし応答もできているが、おそらく俺の声は届いてない。目も焦点が合っていないためかなり危ない
震えながら俺を探るようにして伸ばす彼の手を俺は力強く握り返した
焦らず、落ち着いて。
一旦彼を日陰に移すために縁側は運ぶ
救急車は呼びたいところだけど、車が停められる広い道に出るまでかなりかかってしまうため諦めて応急処置を行う
まずは衣服を緩めて、大動脈のある首、脇、股関節あたりを冷やす。
そしてなるべく早く500mlの水に砂糖を20g、塩を1.5gを入れて経口補水液を作る。
rd 「ぺいんと、吐き気は」
pn 「なぃ、頭ぼーっとする、」
よし、耳鳴りは無くなったみたいだな
rd 「これ飲める?」
経口補水液を渡してみるも手に力が入らなくて飲むことができない。ストローなんて洒落たものあるわけないし、 無理に飲ませるのも良くはないんだけど、、、
焦って思考がこんがらがる
やっぱりこれが最善の策としか考えられない
rd 「ぺいんとごめん、」
俺は自分の口に先ほど作った飲み物を含んで彼の口へとうつした
pn 「ん、、」
意識がはっきりとしない彼の口から収まりきらなかった分の飲料となんともいえない吐息がこぼれ出していた
それから幾度か繰り返して、安定した彼はスヤスヤと寝息を立て始めた
起きた時ように、と昼食を不器用ながらに作っておいて俺は縁側に腰掛けた
rd 「はあああぁぁっ」
緊張から解き放たれたと同時に吐き出す息はまだ震えていた。
急に倒れたことにもびっくりしたけど、弱々しく震えながらもぺいんとの溶けた表情見てかわいいって思っちゃうなんて、、、
rd 「俺最低じゃん。」
そう呟きながらも火照る顔とまだ感触の残る唇を撫でた。
俺はこの感情を知っている、 どうしよう自分の本当の気持ちに気づいてしまった。
でもこれ伝えたら相手に迷惑になるよな
ましてや俺、男だしな。
気持ち悪く思われちゃうかもな
多分、伝えることは叶わないな
そう自分に落とし前をつけて寝ている彼を遠くから眺めていた
コメント
1件
両思いに、、、なってくれた、、、✨でもどっちも片思いって思ってるんだよなぁ、