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唐突に始まり、唐突に終わる物語。
勿論これは唐突に書きたくなり、短時間で書き終えたかったという安直な理由から始まる物語。理解などさせる気は到底ありません。ご了承ください。伏線回収という伏線も回収もありません。
🐙🌟『』
👻🔪「」
それでは、どうぞ。
大型任務。腹に大きい傷。視界が白く霞む。
この言葉だけで状況などは大方察せるだろう。嗚呼、こんなとこで終わるとかオレらしいよな。そうだろ?オオカミとして長年生きてきてやることもなく、ただずっと長命という運命だけを抱えて此処まで生きてきた。市民の役に立てて救えただけで万々歳だろう。
そんで、今に至りついに目を閉じる。
目を開けたならば、見覚えがあるような。いや見覚えしかない、緑の目にショートの淡いような濃いような髪色をした今仲間として一緒にいるパチこき野郎より少し高い声。記憶がなくなる前のアイツ。
なんで居るんだよ、夢か?三途の川…じゃねえな舟という舟もない。
『ご来店ありがとうございます〜、って貴方は…』
「小柳ロウ。未来のな」
せっかくなら喋っていこう。懐かしいし、数年も記憶のないアイツと過ごしていたから晶としての御前が恋しかったりしたし。
『未来?っはは、未来のオレはちゃんと小悪魔になれてます?』
「小悪魔?んなもんじゃない、海の悪魔になってるよオマエ」
不思議そうな顔をしてオレを見るオマエは、海の悪魔?クドいな。とか思ってんだろ。そうだろ、久しぶりに会ったと思えば記憶喪失とかオレもウソつけいつものパキこきだろ。って思ったんだから仕返しってヤツ。
『まあ、いいでしょう。次こそ小悪魔になってやるので。しかも飛びっきり可愛い』
「なれるもんならなってみろよ」
『所で、痩せこけましたね。ぴょん』
「こっちも色々大変なんだよ。」
『ヒーローとして頑張ってますもんね』
……は?なんでそれを知ってるんだよオマエは。オマエは過去の人物で、未来のオレなんて知らないはず。知らないならオレに誰?とか聞いたんじゃないのかよ
『なんで知ってんだよ。って顔してますね。ずーっとオトモとしてぴょんのこと見てましたからね』
オトモ?あの謎の生命体?それが星導晶?じゃあオレがいま関わってる星導ショウは誰なんだよ。
『ウソですよ、でもずっとぴょんのことは見てます。小悪魔的に可愛いお顔でずーっとね』
『また、24時間後にお会いしましょう?』
じゃあね。僕らだけの秘密ですよ。
晶の姿が見えなくなっていく。いや、顔が歪んでいく──?
声が聞こえる。夢で見た時より少し低くなった、でも唯一無二の声。目を開ければ藤色の髪の毛。痛む腹。
嗚呼、生きてたんだオレは。にしても、24時間後に会いましょうってなんの事だったんだ?
『こーやなぎくーん?無視ですかー?目が空いてるだけですかー?』
「るせえな…頭に響く…」
『ひっどーい!るべち心配したんですよ!!24時間もずっと小柳くんの傍に居たのに』
24時間?だから星導の夢を見たのか─。いやオトモも一緒にか。じゃあウソだと言っていたアイツの言葉はウソじゃなくて本当だったのかな。わかんねえや。
まあ、今の生活も悪くねえし、オマエと居る時間は寝るより大好きな時間なんだよな。でもそうは居られないっぽい。
そうして目を閉じた。地上ではなく、宇宙の真っ青な世界で遺影の中で目を閉じた。弱くてゴメン、星導。
生きるのは、最高でしたよね。と呟いた。
みんなが寝むる。世界の終わりを見たように。
隕石が落ちてくると言われたのは、もうそれはそれは衝撃で。小柳くんは目を覚まさないし1日後には落ちてくるとかいうウソみたいな話でしたし。本当に落ちてきちゃって。
案外キレイでしたよ。隕石って。でも、それでも、まだみんなと楽しく生きたかったのが本音です。7人分の遺影を抱えて死ねないオレは何処かの惑星に立った。
『ねえ、オトモ。』
浮遊するオトモがオレを見る。
『案外、辛くも楽しくもあったでしょう?寂しくないですか?』
喋れやしないオトモは感情を読み取ったのかオレの頬に擦り寄ってきた。
『これからどうしましょうね。オレたち』
世界の終わりを見て、惑星で1人と1匹。取り残された。