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「ところで石動くん、松明丸の1件からお友達の様子はどう?」とリアはなにか資料などに目を通しながら片付け作業をしている石動に話しかけた。「あぁそれならもう大丈夫そうですよ。元々怪我も無かったみたいで。」と石動は返答し、続けて「それよりちょっと困ったことがあって…。学校で変な噂?みたいなのがあってどうやら実害もあるみたいで。」と片付けをしている手を止めて話をさらに続けた。
どうやら石動が通っている高校では学生あるあるの学校の七不思議が流行っていた。一般的な学校の七不思議の内容としては『女子トイレの3番目の個室には花子さんが居る』『音楽室の肖像画の目が夜になると動く』等と言ったものだ。そして学校の七不思議のもう1つの特徴は7つ目の話を聞くと災いや呪いが生じると言ったものだ。だが石動の学校の七不思議は皆7つ目を知っている。その7つ目というのが『夕暮れ時に玄関前に現れる女子生徒の幽霊』と言ったものだった。「それの何に実害があるの?現れるだけでしょ?」とリアはお茶をすすりながら呑気に聞いている。「それがその7つ目の女子生徒の幽霊を見た人は軒並み行方不明になるって話みたいです。実際にここ最近何人かが長期で欠席しているらしくて。しかも欠席してるのは女子生徒だけみたいです。」と石動は怪談師のように話している。「なるほどね〜。まぁ面白そうだけど、石動くんが困ってる訳じゃないし別に放置でいいんじゃない?」とリアはあまり乗り気では無いようだ。だが石動は深刻な顔をして「それが俺には一大事なんです。同じクラスの橋本さんがその7つ目の女子生徒を見ちゃったらしくて…。」すると、リアは「その橋本さんって女子?」と質問した。「え?はいそうです。同じクラスの橋本幽香(はしもと ゆうか)さんです。」と少し不思議そうに答えた。さらに「松明丸の1件から俺が相談所でバイトしてる事をみんな知ってて。」と伝えた。リアはそれを聞いて呆れたように「やっぱりね、石動くんって女の子の頼みすぐ聞いちゃうもんな〜。でもこの前の産女の件みたいなこともあるかもだから。いいよ。その相談乗った!」とリアは本腰を入れて調査をすることにした。「助手だから特別料金でなんか奢ってくれるだけでいいよ。」としれっと料金を請求した。「まぁそれぐらいなら…。いや、でもリアさんめっちゃご飯食べるからな。」と石動はブツブツと言っている。「とりあえず、幽香さんって今会える状況なの?」とリアは石動の小言を遮るように言った。「え?あ、はい。会えますよ。明日にでも学校に行った時に聞いてみます。」と返した。「わかった。とりあえずこの件はボクの方でも調べてみるよ。」とその日はそこで話は終わった。
次の日。手筈通り石動は学校終わりに校門で幽香と共にリアを待った。なぜ学校なのかは「怪奇現象が起きるのは学校限定かも」との事。「いや〜ごめん!遅くなった。君が幽香さん?」とリアは相変わらず父の白衣を着ていてフレンドリーに話しかけた。「はい。えっと、リアさん?ですよね?石動くんからは色々聞いてます。色んな考古学にも詳しいんですよね?呪術とか。」と幽霊も負けず劣らず饒舌に話をしている。リアは石動に近寄りコソッと「この子が石動くんが好きな子か〜。いい子じゃないボクは好きだよ。」とニヤニヤしている。石動は「今はそんな邪推はやめてください!」とちょっと恥ずかしそうにしている。「あの〜?」と幽香が2人を除きこんだ。「あ!ごめん、ごめん!んじゃ早速校内に入ろうか。学校側には許可取ったんでしょ?」とリアは石動に聞いた。「はい。一応バイト先の考古学の教授が今の学校の文化について見学したいって伝えときました。」そう言って。3人は校内に入って行った。
続く