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ん？孝二と新吾がいない。ぐるっと近くを見まわたしてもいない。
「さな。新吾と孝二知ってるか？いなくなっちまったんだけど。」
「え？あ！あいつら置いて行った！」
「どうかしたのか？」
「いや、とくになんもないよ？それよりも……」
そんな、さなの大声がして、いつの間にかスイカ割が始まっていた。
「陸也～！違うって！右右！」
「いやちょっと陸也行きすぎ！左！」
「えｗやばいんだけどｗｗｗ」
「ここだ！」
俺は海那…もとい女子勢の指示のもと動いて棒を振り下ろした。
「うわっ！外れた～！」
「陸也豪快に外したね～ｗやっぱりこっちで動画回しときゃ鮮明に撮れたのに」
「あ！新吾またどっかで動画撮ってただろ！」
「陸也がスイカ割外れてる。」
そういいながらこっちに孝二と新吾が来た。
「黙れ。新吾。」
「きれいな倒置法だね。」
「なぁ孝二。その、とうちほうって何？」
「え？習わなかったっけ？あ、そっかー。覚えてないんでしょ。」
「確かに陸也ならありえるな！ユーチューバーの俺でもわかるし！」
「じゃぁ新吾！言ってみろよ！」
「えっと誰かをぶっ飛ばせる威力のある言葉のことだっけ？」
「やっぱり君たち覚えてないでしょ。」
「じゃぁ孝二が説明してみろよ。動画回しててやるから。」
「何で僕が…。いいよ。」
「えっと、倒置法ってのは簡単に言って文中の言葉とか文節の順序を通常とは逆にする表現技法のことだよ。」
「孝二。日本語を話してくれ。」
「俺もわけわかんなくて動画回し損ねた～！」
「だから、普通なら『陸也、うるさい。』だけど倒置法を使うと、『うるさい、陸也。』になるって感じかな。」
「それが、とうじほうか！」
「陸也違うよ～。つうちほうだよ！」
「二人とも違う。なんで『とうじほう』とか『つうちほう』と出てくるの？正解は倒置法！」
「「へ～。」」
