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「あー!もう!」
行き場のない怒りを声に出して、ベッドに飛び込む。
あー! ムカつく、ムカつく!
何よ、王妃のやつ!
足をじたばたさせながら、枕に向かって声にもならない悲鳴を上げた。
しばらくして、ため息をつき天井を見つめる。
この計画、絶対に完遂させてみせる。
リーヴルのリーダー、第一作の重要人物。
ディアにさえ許可を貰えれば。
ディアにさえ。
「…。」
ディア以外に、誰か権限を持つ人はいないの?
例えば…初期のキャラクターで、重要人物で。
とてつもない権力を持った誰か…。
王妃?うーん、2作目のキャラクターだけれど、ダメ。絶対ダメ。
荒くれ者?あの人たちがそこまでの権力を持ってるいるとは思えないわ、却下。
「そうよ!!」
閃いたのと同時に、ベッドから飛び起きる。
「ここにいるじゃない!この役にピッタリの子が!」
興奮のせいで、私の考えた言葉は次から次へと口から飛び出す。
「第一作のキャラクターで、主人公!
この私!メシアよ!」
言葉は滝のように溢れて、止まらない。
意味もなく部屋を走り回って、ステップを踏む。
「あぁ、どうしてこんな事を思いつかなかったの?!」
そうと決まれば荷物をまとめましょう!
向こうの世界では何がいるかしら?
夏服?冬服?
お気に入りのドレスは必要よね、
この日のために用意した計画書もあるんだわ!
「えっと、計画書はどこに__」
ドアをノックする音が3回、部屋に響く。
心臓が自分でも驚くほど強く鳴っていて、ビクりと肩を震わせる。
「な、何よ?!誰なの?」
「メシア?私よ、ディア。」
「で、ディア…どうして貴方が。」
「あなたの計画のことなのだけれど、入って大丈夫かしら?」
ドアノブがガチャりと回される。
さらに心臓はバクバクと動き、体から飛び出て行きそうだった。
まずい、まずい、まずい!
ここで部屋に入られたら終わりよ!
ねぇ、どうすればいいの?!どうすれば?
私はパニック状態になりながらも、言い訳を必死で考える。
「あ、あぁー、いいの!入ってこなくて大丈夫!会議の時は、冷静じゃなかったわ!今考えたら馬鹿な計画よね?!」
「あはは…」と乾いた笑いを漏らす。
何この言い訳、馬鹿じゃないの。こんな言い訳、誰が信じるのよ。
ようやく冷静になった頭で、先程の言い訳を反省する。
少しの沈黙。
「メシア? 大丈夫なの? 一体部屋で何を_」
「なんでもない!なんでもないの!」
「入るわよ?」