「太宰、此れで何回目?」
「ごめんなさい、」
鍵穴の潰された手錠に繋がれ、喉元にナイフを突き付けられる。
乱歩さんは、怒っている。
何に、と言われれば心当たりはある。
乱歩さんの前で美女を心中に誘ったこと。
乱歩さんと云う恋人の前で、だ。
「ねぇ、分かってるの?」
「そうやって謝って、何時も来週には同じ事を繰り返す。」
「先週だってそうだ、僕の前で心中相手を探してた。」
「僕と云う最高の心中相手が居るのに、だ。」
「心中したいなら、僕はどんな時でも太宰と心中する決断を取るよ。」
「なのに、さぁ。」
「なんで、僕の前でそうやって心中相手を探そうとするわけ?」
乱歩さんが捲し立てる。
ナイフが喉元に当たり、自身の血が自分の喉を一筋だけ赤く染める。
「僕だってこんな事はしたくないよ。お前は痛いのも苦しいのも嫌だから」
「だけど、結局お前はこうしないと分からないんだ」
乱歩さんの頬に一筋の涙が伝う。
瞳は何も反射させず、乱歩さんは唯、虚空を写していた。
「乱歩さん、…何でもします、。何でもしますから、許してください、……」
「……そんなに傷付いた顔をさせたかった訳じゃない、」
涙を流し、私の瞳は唯乱歩さんだけを写す。
分かっているんだ、お互い此の依存し合いの様な関係が好きなんだって。
これは正に、共依存だった。
だけど、乱歩さんだけが違った。
乱歩さんの瞳は、相変わらず私を写してはくれなかった。
コメント
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アッアッアッとっとりあえず太宰サンhshsア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ヤンデレだし、共依存だしぃ、、、最高すぎるぅ、、、もう本当にありがとうございます、、、😭