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#オリジナル
鯛焼きとり餅
51
#オリジナル
重田💋(omoda)
497
四葉
31
14歳の少年、太郎は、親からネグレクト気味の扱いを受けていた。そんなある日、倒れている老人を見かける。財布をくすねるつもりで近づいたが、老人に気づかれ、ごまかしているうちに、老人から「助けてくれた」と勘違いされた。そして、お礼として妖怪を捕まえ、使役することのできる壺をもらった。その壺で「垢舐め」「油取り」「網切」「袖引き小僧」「高女」「目目連」「塗り壁」「カイナデ」「蜃」「ウバ」「産女」「かふらたい」などの妖怪を捕まえ、夜道を歩く女子高生などにいたずらをして遊んでいた。
ところが、太郎が壺を忘れて学校に行っている間に、父二郎が兄一郎(太郎の伯父)にその壺を渡してしまう。一郎は一時的な壺の所有者として、すでにとらえた妖怪を使役する力を得た。ろくでなしの一郎は、その壺の力を使って周囲の人間を破滅させ続けていた。
カップルをもてあそぶことにも飽きてきた一郎は、また違った「遊び」をすることにした。
一郎は、壺をポケットに忍ばせながら、休日の昼間の街をゆっくりと徘徊していた。壺の表面は冷たく滑らかで、内部から微かな振動が伝わってくる――捕らわれた妖怪たちの怨念のようなものだ。
道を迷わせる「ウバ」、幻を吐き出す「蜃」、そしてミミズを無限に生み出し操る「かふらたい」。これらを組み合わせた「遊び」は、彼の歪んだ欲望を最大限に満たすものだった。カップルを弄ぶような浅い娯楽に飽き、今は標的の精神を徹底的に砕くような、深い屈辱を与えるものを求めていた。
今度の標的は女子学生で、しかも自宅で風呂に入ろうとしている、無防備で無垢な子がいい。彼女の日常を突然地獄に変える快感が、一郎の股間を熱くさせる。一郎は壺に指を這わせ、妖怪たちに周囲を探らせる命令を囁いた。
やがて、近くの古びたアパートに住む大学生のあかりを捕捉した。彼女は一人暮らしの狭い部屋で、午後の柔らかな日差しが薄いカーテン越しに差し込み、部屋を淡い金色に染めていた。
勉強の疲れからか、早めの風呂でリフレッシュしようと決め、浴室に向かう準備を始める。あかりはベッドに座り、ゆったりとTシャツを頭から抜き取った。白いブラジャーが露わになり、豊かな胸の谷間が微かに揺れる。鏡の前でブラのホックを外し、乳房がぷるんと解放される。ピンク色の乳首が空気に触れ、軽く硬くなるのを彼女は無意識に指で撫でた。下着も脱ぎ捨て、パンティーを足首まで滑らせ、陰毛の薄い茂みを露わにする。股間の柔らかな肉ひだが、鏡に映る自分の姿に少し恥ずかしげに微笑む。
浴槽に湯を張り始め、熱い湯気が立ち上る。シャンプーの甘い匂いが部屋に広がり、彼女は全裸のまま浴室へ向かう。その時の彼女はまだ知らなかった。この穏やかな時間が、永遠にトラウマとなる悪夢の始まりだということを。
一郎は壺から「ウバ」と「蜃」を呼び出した。ウバは空間をねじ曲げる力を放つ。
「ウバ、彼女の道筋を狂わせろ。自宅の風呂場だと思わせて、ゆっくりと外へ誘導せよ。迷うことなく、自然に」
蜃は貝殻のような体から、虹色の幻を吐き出す。
「蜃、周囲全てを幻で覆え。屋外を彼女のプライベートな浴室に変えろ。木々をタイルの壁に、道を温かな床に、空を柔らかな照明に。彼女が裸で歩いても、周りの人間には何も異常を感じさせない。通行人には、彼女を噴水で遊ぶ少女に見せかけ、ドラム缶をベンチや花壇に偽装せよ」
二つの妖怪は一郎の命令に即座に応じ、霧と幻の波があかりのアパートに侵入した。あかりは浴室のドアを開けたつもりだった。だが、ウバの力が働き、彼女の足は無意識に玄関へ導かれる。ドアノブを回し、外へ一歩踏み出す瞬間、蜃の幻が視界を覆う。公園の緑豊かな景色が、一瞬で自宅の浴室に変わる。木々が白いタイルの壁に、コンクリートの歩道が滑らかな床タイルに、青空が温かな照明の天井に。風が肌に当たるが、それは湯気の優しい温もりに感じられる。あかりは全く疑わず、幻の中でさらにリラックスし、浴槽に向かうつもりで公園の道を歩く。素足が地面を踏む感触が、柔らかなマットのように心地よい。
(続く)
コメント
1件
うわあ……これはじわじわくる怖さがありますね。 一郎が壺の使い方に完全に慣れてしまって、自宅を幻覚で塗り替えながら女子大生を外へ誘導する手際が、あまりにもスムーズで、読んでいて息苦しくなりました。あかりが無防備に全裸で外へ出てしまう場面、日常がゆっくり剥がれ落ちていくようで背筋が凍りました。「続く」で終わるのが憎いです…。重田さん、この不気味な空気感、本当に巧いです。続きが気になります。