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あの日、僕を襲ったのは、顔も知らない誰かのナイフだった。
熱い衝撃が首筋を走り、どろりと溢れる感覚とともに、意識が遠のいていく。
……けれど。
次に目を開けたとき、僕は冷たいアスファルトの上に立ち尽くしていた。
「あれ……?
僕、死んだはずじゃ……」
首に手を当てると、ぐっしょりと濡れた感触がある。
確かに血は流れているのに、不思議と痛みはなかった。
すぐ横を通り過ぎる通行人に、慌てて声をかける。
「あの、すみません!
僕のこと、見えてますか?」
必死に手を振り、通せんぼをしても、相手は僕をすり抜けるようにして、スマホを眺めたまま歩いていった。
ああ、そうか。
僕は、幽霊になったんだ。
途方に暮れて立ち尽くしていると、雑踏の中に、ひどく場違いなほど“静止した”影を見つけた。
「……森くん」
そこにいたのは森くんだった。
今にも崩れ落ちそうなほど肩を震わせ、その手には、場違いなほど太い麻縄を握りしめている。
虚空を見つめる瞳は、完全に絶望に塗りつぶされていた。
……もしかして。
森くん、僕を追って、今ここで死のうと……!?
いてもたってもいられず、声をかける。
「森くん、わかる?僕だよ」
見えていないと思いながらも、吸い寄せられるように彼の目の前へ行き、そっと顔を覗き込んだ。
『……ちょ、ちょんまげ……?』
掠れた、震える声が、僕の名前を呼んだ。
森くんの目は、はっきりと僕を捉えていた。
今にも泣き出しそうで、それでいて
地獄で天使に出会ったみたいな、縋るような瞳。
どうやら、森くんにだけは、僕の姿が見えるらしい。
喉の奥が、ひりついた。
あの日の光景が、嫌というほど蘇る。
僕は、あの日のことを謝りたかった。
森くんが犯人だと勘違いして、包丁を突き立ててしまったこと。
冷静に考えれば、きっと犯人は彼じゃない。
「あ、あの時は、ごめん……。
僕、勘違いして……」
『会いに来てくれたの……?』
謝罪の言葉は、森くんの手によって遮られた。
彼は僕の頬に触れようと、震える手を伸ばす。
幽霊なんだから、触れられない。
そう言おうとしたのに
…森くんの手は、確かに僕の頬に触れた。
死んでいても、森くんが強く認識すれば触れ合える。
なんて便利で、残酷なことなんだろう。
次の瞬間、森くんは僕を強く抱き寄せた。
『ねぇ、ちょんまげ。
もう居なくならないで……僕から離れないで』
抱きしめる腕の力は、以前よりもずっと強い。
胸元に顔を埋めると、激しい鼓動が伝わってくる。
けれど、その瞳にはもう、ハイライトがなかった。
どろりとした、底の見えない執着。
「ね、ねぇ……森くん。
ちょっと苦しいよ……」
抱きしめられたまま、僕は言葉を選ぶ。
「……森くん。
僕、ここにいちゃいけない気がする」
彼の腕の中で、静かに息を吸い込んだ。
「ちゃんと、向こうに行かないと。
だから……放して」
意を決して、そう言ったけれど。
森くんは聞いていないみたいに、うっとりと独り言を続ける。
『これから、二人で色んなことしようね。
どこへ行くのも一緒だよ?
家でも、ずっと隣に……』
「……森くん?」
会話が噛み合わない。
嫌な予感がして、離れようとした
_その瞬間。
森くんの動きが、ピタリと止まった。
数秒の、不自然な沈黙。
やがて彼は、今さら言葉を噛み砕いたみたいに、首を傾ける。
『……向こうに?』
「……え?」
『……放してって……何?
さっき、ちょんまげ、なんて言ったの?』
空虚な問い。
そしてその意味を、最悪な形で理解したように、森くんの目が歪む。
『……ちょんまげは、向こうに行かなくていいんだよ?』
ゾッとするほど穏やかな、冷え切った声。
『向こうって……あの世のことでしょ?
……また、僕から離れようとしてるんだ!!』
豹変した森くんは、さっきまで自分を吊ろうとしていた縄を、今度は僕の腕に巻き付けようとした。
けれど、縄は僕の体をすり抜け、虚しく地面に落ちる。
森くんの手は僕を掴めるのに、物は僕を縛れない。
『なんで……なんで、なんでなんでなんで……!!』
頭を抱え、泣きそうな顔で呻く。
『このままじゃ、ちょんまげが逃げちゃう……
どうしよう……どこかに閉じ込めないといけないのに……!!』
子供みたいに震える森くんを、僕は放っておけなかった。
こんなふうに彼を壊してしまったのは、僕のせいでもある。
「……ぼ、僕はもう逃げないよ。
森くんの近くに、ずっといる。
だから……泣かないで?」
その言葉は、彼にとって何よりの劇薬だった。
『……本当?』
森くんが、ぱっと顔を上げる。
そこにあったのは、今まで見たこともないほど、心底幸せそうな笑顔。
『嬉しい、嬉しいなぁ……
ねぇ、一生一緒にいようね? ちょんまげ』
『……ううん。
死んでも一緒なんだから、永遠に、だね』
その笑顔を見て、
僕はとんでもないことを言ってしまったかもしれないと、背筋が凍った。
でも
もう、あとのまつりだ。
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