「そんな風に言う君が、とても愛おしくて……」
「愛おしいだなんて……」
さらに熱く火照った私の頬に、チーフの手の平がひたりと触れた。
「……それに、僕も本音を言えば、君が可愛すぎて、衝動が抑えられなくなりそうだったからな」
「衝動って……」問い返そうとして、その理由にはたと気づいた──刹那、
「……わかったのなら、黙っておいで」
頬が両手で挟まれて、ふっと唇が寄せられた……。
「……ぅん」
温かな舌の触感が口の中をねぶる。
ベッドに起こしていた半身が倒され、シーツにドサッと二人分の重みがのしかかると、端正な顔が真近に迫った。
彼のメガネが外され傍らのキャビネットの上に置かれると、さらに先に進むのかもしれないと、にわかに身体が緊張で強張った。
頭の下に片手が差し入れられ、顔がぐっと引き寄せられて、キスがより深く追い上げる。
もう一方の手がもどかしげに、私のブラウスのボタンを外していく。
下着の胸元が露わになり、首筋にしっとりと濡れた唇が吸い付く。
「……あっ」と、思わず声が漏れると、
「もっと声を、聞かせてほしい」
耳にじかに唇が付けられ、甘ったるく囁きかけられた……。