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おまけ
時は、カービィ達が研究者達をやっつけた少しあと…
「ねぇ、その核、どうするの?」
「適切な処置をシタ後、魔力のルーンが刻まれた鎖で元に戻すヨォ。マッタク、ローアにコレを流し込むナンテ!ヒドイやつらだよネェ!」
「うん…それって、多分、あのかんむりのでしょ?」
「研究者の言動的に、ローアを利用し、星の発展を見込んだようだ。」
…マホロアは、怒っていた。もっと早く来れなかったこと、気づけなかったこと、予測できなかった事…研究者達をとっちめたというのに、その怒りは収まる気配を知らなかった。
今は、カービィ達がいるので我慢をしている。
「…この鎖。ローアの手足みたいな物なんダヨォ。ほら、4本。」
「ソレを断ち切っちゃうナンテ、サァ…」
「想像を絶する痛みだろうな…俺は多分、耐えらんねぇ。」
「じゃあ、早く核を戻しましょう!」
「ウン。イクヨ…___」
核を元に戻そうと魔術を唱えるマホロアを横目に、4人はアイコンタクトを取った。
「(少し、1人にさせてあげた方が良い…よね? )」
「(そうだな、思う所もあるだろう、マホロアは、私達と会う前からローアと居たのだから。)」
「(パーツも探しに行きたいしな)」
「(決まりですね!)」
しばし沈黙した後、カービィが口を開いた
「マホロア!僕たち、残りのパーツを探してくるね!」
「エ?アァ、ワカッタ…ッテ早?!」
表情に出ていたかと少し心配をして、すぐにローアの修理に戻った。
ローアのパーツが取れてしまうこと、それはこれまでも何度かあった。
ローアを狙う連中だって、何人も見た。その度にとっちめたり、話し合った筈。
…でも、ローアがこの痛みに耐えかねて悲鳴を上げたことなんて、なかった。
そして、ローアはマスタークラウンのことを毛嫌いしている。恐怖にも近い感情を向けることもある。
そんなローアの核に、ソレは流し込まれた。
どれだけ苦しかっただろう、痛かっただろう、怖かっただろう…
自分が蝕まれていく恐怖は、マホロアが1番わかっている。
怖くて、孤独で、助けすら呼べなくて…どこまでも着いてくる負の感情が自分を襲って…
そんな中「心」が無事だったのは、ローアが強いということを表していた。肉体的な強さではなく、精神的な意味で。
「…自慢の船ダヨォ…ローア…」
いつも機械音が鳴り響くローアの静けさに違和感を覚えながら、呟く。
…核を戻して数分が経つ。おかしい、核はローアの心臓。それが戻ったということは、少なからず鼓動が聞こえてくるはず。いつもの、ピッピッピッと言う鼓動音が。それが聞こえてこない…
心臓が、動いていない?
「ローア?…ローア、息をしてヨ、ローア…ッ!」
急いで核の確認に入る、マスタークラウンの要素は全て取り除いたはず…
思考を張り巡らせて、気づく。魂を啜る王冠、マスタークラウン。
それはまるで木が根を張るように動いていく。魂を求めて。
その速さこそ人によるが、今回の場合ローアという負の感情が貯まりやすい魂に注入されている。
ローアは人の心によって姿を変える…それはつまり、影響されやすいということ。悲しくなるような話を聞くと悲しくなる様に、黒い感情によって変わったローアは、元に戻ろうとも感情を蓄積していった…その幾千もの黒い感情を貯めた魂を今マスタークラウンが喰らい始めている。
マスタークラウンからすれば、仇のような存在でもあるローアだ。その速さは……!
核のある場所にたどり着く。ローアの核は目に見えるほど黒く染っていた。
「クソ…ッ」
急いで魔術を唱え、正式な方法でルーンと鎖を解除する。
そうしてローアの核に触れようとした瞬間、核がさらにどっと染まった。
核のメンテナンスに使っている魔術を唱え核の中身を確認する。
歯車は木の根に絡み取られ、正常に作動しなくなっている。
取り除こうともすぐ生えてくるソレは、ヤツの執念を表していた。
焼き払うことは出来る。ただ、ローアは精密機械。核ともなればさらに繊細なものとなる。
かと言って取り除くことも出来ないこの状況…
「(…カクゴ、決めるシカ…!)」
かつてマスタークラウンが己の魔力を求め襲ってきたことを思い出す。
これしか、なかった。
「ボクの魔力をヤル、マスタークラウン。」
その言葉に、核に喰らいつくのをやめてマホロアに飛びつこうとする…が。
※※緊急防御発動、対象者 マホロア※※
エラー音と共に鳴り響くその声が、マスタークラウンを遮った。
次の瞬間、ローアに根を張ろうとして、マスタークラウンは燃えていった。
防御完了、スリープモードに移行します。
…マホロアは立ち尽くしていた。
自分の手にマスタークラウンが飛び移ろうとした瞬間、ローアが作動したことに、驚いていたのだ。
普通、核を通して動く機械は作動するのに数秒の時間を要する。
だからこそ、ローアが瞬時に動いたことに驚いていた。
「…ハッ」
核が動いたことを急いで確認すると、マホロアは急いで核を元の場所に戻した。
危険がないことを確認して。
「(ボクの検討チガイ?いや、間違いはないハズ…)」
昔、スージーに確認したことがある。その正確さは、群を抜いていた
少々考えて、こういう結論に至った。
「ローアのココロが、システムを稼働させた。」
つまり、考える前に身体が動いた、と言うやつだ。
非科学的で根拠もないが、そんな気がした。
それだけで、十分だった。
「サァテ、修復に戻ろうカ」
マホロアは、後回しにしていた修復予定場所に戻った。
ローアが目を覚ますのを、楽しみにしながら。