《放課後》
「やあワルデンくん!!下校時間だね!!・・・よし!!職員室行こう!!」
「わかってるわかってる。はぁ・・・」
初日から職員室に呼び出される僕ら。
理由は完璧に理解している。
《1時間前―――国語の授業》
「あ、、えと、よろしく。。。お願いします。」
『よろしくお願いします。』
「え、と・・・改めまして、高等部の国語を、、担当します、ジョーカー・・・です。・・・はい、授業はじめます。」
この学校に来てから初めての国語。
「今日からやるのは―――」
(!)
なんか急にインスピレーション湧いた。
書き留めねば・・・!!
僕はノートの端にイメージをかいた。
(いや・・・ここはもっとこう・・・)
「ん・・・」
「あの・・・」
「・・・」
「あの・・・?ワルデンさん・・?」
「・・・・・」
「・・・・・あの!!!!」
「・・・・・・・」
「おい!!エドガー・ワルデンッッッ!!!」
「( ゚д゚)ハッ!」
先生に怒鳴られて我に返る。
「あちゃー、怒らせちゃったねぇ・・・・。ワルデンくん、どんまい。」
後ろでルカが耳打ちしてくる。
「・・・・お前後で職員室こい・・・絶対だからな?」
このひとキレたらすごい雰囲気変わるタイプだ・・・
・・・・こっっっっっわ・・・もう怒らせないようにしよ・・・
「ついでに放課後補習だからな」
「・・・ハイ・・・」
僕はいかにも青菜に塩って感じで縮こまった。
横ではルカが、ふんふんふふん♪と鼻歌を歌いながら何かを描いていた。
ルカ・バルサー、お前もか
「・・・バルサーさん・・・」
「ふんふん♪」
聞いていない。
終わったなお前
「ルカ・バルサーさん・・・?」
「ふふん♪ふん♪」
また聞いてないよ・・・・
「・・・ルカ・バルサー!!!!!」
「ふんふんふふん♪ふふふふん♪」
・・・・お前耳聞こえてる?
僕鼓膜破れかけたんだけど?
大丈夫そう?耳鼻科着いてくよ?
「・・・・」
「ふんふんふふふんふふふふふん♪」
そこでついにガチギレしたのか、ロケットにも似た(可愛らしいけどなんか破壊力強そうな)定規を持ってきて、ルカを一発殴った。
わー、痛そー(棒)
「ったぁ!!???何!!?」
ルカはキョロキョロとあたりを見回し、やがてジョーカー先生に気がついた。
「ア…、ジョーカーセンセイ…、、、」
「・・・お前も職員室行った後補習だからな
「・・・ハイ、スミマセン、、、」
数秒の沈黙の後
「・・・はい、では、、授業を再開、、します。」
先生は何事もなかったかのように授業を再開した。
《職員室》
「・・・ワルデンくん、バルサーくん・・・国語教師のジョーカー先生から苦情・・・というか報告が届いている・・・」
いつもの無表情。
逆に怖いっす、センセイ。(?)
「バルサーくんに関しては・・・何回目だ?」
「・・・うふふふふふ。」
「・・・何回目だ?」
「はい256回目です」
「よろしい。」
おま・・・256・・・は?
「お前は中学部から編入してきたが・・・此れまででこんなにおなじ事を繰り返している・・・なぜだ・・・」
「設計図を・・・つい描いてしまうんです・・・」
ルカがそう言うと、アルヴァ先生は一回頷いてから言った。
「研究熱心なのは良いことだが、授業に集中して欲しい」
「はい、承りましたー(棒)」
コイツ絶対聞く気ないな。
ほら、先生もジト目じゃん。
「・・・ワルデンくんの言い分も聞こう。」
「・・・インスピレーションが湧いたので描き留めました。」
「・・・・同じ様な生徒が増えた・・・(嘆)」
なっっっ!!?失礼な!(失礼)
僕は3回で気付いたし!
こいつ3回超えてたし!僕のほうが上だし!(低レベルな戦い)
「・・・まあいい。次はないぞ、バルサーくん・・・ワルデンくんは・・・気をつけ給え。・・・・では・・・補習に行ってきたまえ」
「「はい」」
「あれ、ここのんなんだったっけ」
「しらないよ・・・僕も聞いてなかったし・・・」
「ああ、そこは・・・」
なんか普通に補修を受けている僕たち。
さっきまでの恐ろしきジョーカー先生は何処へ・・・・
普通に優しいのだが・・・
優しい人ほどキレたら怖いって知ってたけど・・・さらに思い知ったかも。
「あ・・・そこ漢字違う・・・察はさんずい(氵)じゃなくてうかんむり(宀)・・・」
「どんな間違え方だよ」
「漢字の類はどうも覚えづらくてね・・・」
「あ、、そういうワルデンさんもそこちがう・・・森に木が一本足りない・・・あ、ちょっと待って、というかこれ全部木じゃなくて本になってる・・・林ですら無い・・・」
な・・・・・なんだと・・・
「森くらいは私でもわかるよー?」
「ん・・・たまたま!ま、間違えただけだ!!」
「ふーん?」
「はいはい・・・静かに・・・そんな事言う暇あったら終わらせてください・・・。帰れ無くなるよ?」
な・・・それは困るぞ・・・!!
今日は家の料理当番の日・・・!!!困る・・・!!
「あ、先生ここなんですけど…」
「ああ、そこはね、、、」
僕は豪速球で問題を片付け始めた。
4.動植物の漢字を書きなさい
1うさぎ
[兎]
2イルカ
[海家]
3バラ
[ ]
・・・・ばら?
「バラ!!!????」
「うわっ、びっくりした・・!!」
「急にどうしたんだい、ワルデンくん。」
「先生・・・バラなんて漢字習いましたか、、」
「はい。今日。あなた方がとぉ〜〜〜っっっっても集中していたときにな・・・・(怒)」
「なんかすみません」
「もうカンで書いてください」
「見放されたんだけど」
「がんば」
バラか・・・薇花?荊棘?原?
えええい!!これだああああ!!!
[紅薇]
「先生!終わりました!」
「わ、早い・・・。まあ、裏なかったし、、、そりゃ早いか、、、。・・・・ちょっとまっててくださいね。今採点します。」
「はい。返します」
点数は・・・50点中・・・12点?
イルカは海豚、バラは薔薇らしい。
しらんがな。
「残り5枚頑張ってくださいね?」
「あ、、、はい・・・。あ、、、ちょっとまっててください!家に連絡を・・・」
「わかりました」
今家にいるのは、時間的におそらく妹だけなので、とりあえず妹に電話をかけた。
☎♪
「あ、はいはい。もしもし、お兄ちゃん?どうしたの。」
「今学校で補習受けてるから帰り遅くなる。」
「補習の理由はわかってるよ・・・。ご飯、私が作っとくからちゃんと補習受けてきて!」
「分かった。ありがと」
「こちらこそありが・・・んんっっ、、どういたしまして。」
「それじゃ。」
「ん。補習頑張れ」
☎✕
「バルサーさん??????またですか??????また定規で殴らないとわからないですか???」
「はい、ごめんなさいごめんなさい。ちゃんとやりますちゃんとやります」
「・・・・え、今北産業(※説明しよう!今北産業とは、いま来たから状況がよくわからない!今の状況を3行で教えて!的なニュアンスのネットスラングである!)」
「バルサーさんがまたしても設計図を描き始めたもので」
「・・・お前そろそろ懲りろよ・・・」
「すみません反省してます」
「早くやって帰ってくれよ・・・僕も早く帰りたいんだよ・・・」
なんか先生かわいそうになってきた。
終わらせよ。
「はーっっっ!!!終わった〜‼‼‼」
「ワルデンさん、お疲れ様です。」
伸びをしてから、なんとなーくルカの方を見た。
「・・・ルカは・・・」
「あなたが集中してやってる間に19枚終わらせて残り1枚です」
「は?はっや。え?こわ。集中力の数値バケモンなの?・・・というか・・・19枚ってことは・・・20枚?」
「はい。今までの分も一気に出させていただいたンで・・・前まで補習はのらりくらりとかわされていたからな・・・(怒気)」
ルカー、目ぇつけられてますよー。
ちゃんとやりましょーねー、授業。
「っし!終わったァ!!!」
「あ、バルサーさんもお疲れ様です」
「今の時間は〜♪」
そういうルカにつられて僕も時計を見る。
「「6時34分・・・・?」」
「待って待って死ぬんだけどまじで は?まってさっき昼の続きって公園集合でってノートンに言われたんだけどごめんノートン今謝るわ」
「よしさっさと帰って支度をしようそして謝ろう」
「そうしよ」
僕はカバンに教科書やらなんやらを詰め込んだ。
「それではね!!」
「また明日!」
僕たちは全速力で下駄箱まで駆けていったのであった。
「あ!コラ君たち!!廊下走っちゃ駄目だよ!!!!?」
「・・・・風のように吹いては風のように去っていくなぁ・・・なんか思い出す・・・去年中等部担当してたときのこと・・・。あのときも問題児が2人・・・って、さっさと僕も帰らなきゃ。」
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