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あれから、1ヶ月。
いつもの癖で仕事帰りには、春千代くんが好きなアイスとお酒を買って帰ってしまう。家に帰ってから気づいて、毎日のように泣いてしまう。いきなりの事すぎてずっと引きずってる。春千代くんはきっと俺と離れられて清々してるかな…
春千代くん。俺は、相当君が好きらしいよ。春千代くんはかっこいいから今頃新しい恋人でも作ってるのかな…君と過ごしてきた部屋に一人でいるのはすごく寂しくて、悲しいね。いつも春千代くんはこんな気持ちで俺を待ってたのかな?
ケータイを開いて、もしかしたらと思って君の番号にかけてみるけど、やっぱり君は出てくれない。当たり前だよね。前までは、1回かけて出なかったらすぐ掛け直してくれたのにな…
君が決めた事を否定するつもりもないし、何か目標があるならもちろん応援したい。けど、恋人なら話して欲しかったなと考えてはまた泣いている。
今更こんな事考えたって意味ないってこともわかってる。俺が依存しすぎてた。これ以上、引きずってもダメだ。そんな時に昔からの友人が俺の噂を聴いたのか、連絡がきた。
お互い仕事もあるからと、金曜日の夜に一緒に飲もうと言ってくれた。
当日。
誰かと一緒に飲むなんて、春千代くんと最後に飲んだくらいだ。今日誘ってくれたのは、松野千冬。俺の中学からの友達だ。今はペットショップのオーナーをしてるらしい。お店も中々に繁盛してるらしいし、これが大人の余裕ってやつなのかなんて。こんなこと考えてるから春千代くんが出てったんだ。
千冬「そういや、何があったの?最近恋人と別れたとかきいたけど。別に言いたくなかったら無理に聞かないけどさ」
武道「あー、うん。別れたって言うか、出てかれちゃった。」
千冬「出てかれちゃったって急に?」
武道「うん。戻らないって書いてあった紙だけ残ってた。」
千冬「何それ!ちゃんと話しもしてくれなかったってこと?」
武道「そんなところかな…」
千冬「相棒…この1ヶ月よく1人で耐えたな…」
武道「何で千冬が悲しそう顔してんだよ」
千冬「いや、お前が泣いてるから。辛かったんだなって思ってさぁ…」
武道「ち、千冬ぅ…」
千冬「もっと泣け!今日は俺の奢りだ!」
千冬「相棒、ほんとに帰れる?」
武道「うん…帰れるぅ」
千冬「やっぱ、心配だから送る。なんのために金曜日にしたんだよ」
武道「でも、悪いよぉ」
千冬「気にすんな。そういうのは元気になってからにしろ」
武道「ありがと…あれ?春千代くん!」
確かに今路地裏に入ったのは春千代くんだった。
武道「待って!」
千冬の肩にかけてた腕を下ろして、急いで追いかけた。自分が見たものを信じて追いかけた。
路地裏の行き止まりでやっと見つけた。もう1回会いたいって。ずっと思ってた。急に走ったせいで、息切れがすごくて肩で呼吸してるようになった。呼吸を整えてから君を見た。