#妄想まとめ
「あー……ねみぃな……」
ホスト、と言うと夜の街の中心ともいえる。
ホストで有名な眠らない街新宿歌舞伎町では特にそうだ。
日々、疲れた客や担当を求めに来る金ヅル、初めて来た初心者。
いろんなやつがホストに来る。
ただ、俺も疲れた。
毎日のようにお酒を飲まされて、休日は姫のために時間を使わなくちゃいけないし、かといってライバー活動も怠ってはいけない。
基本誘われたら行ってしまうし、やりたいゲームも沢山ある
それに、視聴者を心配させてはならない。なにかと、俺を見てくれているのだ。
頑張らなきゃ
毎日毎日、同じ言葉の繰り返し。「頑張る」って。何に対してだよ
仕事を?酒を飲むことを?姫に対応することを?それともライバー活動を?
それとも、生きることを?
「……ッは、馬鹿らし……」
全部、ぜーんぶ偽物の俺が生きていい?そんなわけあるか。
こんな自分、今すぐにでも……
なんか、考えてたらどうでもよくなってきた。
自室で、モンスターの缶を開け飲み干す。
最近、効力が薄くなってる気もするがこれ以上飲む本数を増やしたら心配される
あれ…なんで心配されるって思ってんだ。別に、俺の代わりはいるじゃん?いくらでも。
なら、いっか。
ゴクゴクと、一人の部屋で飲んで机に缶が溜まっていく。
ピロンッ!!
静かな部屋にDiscordの音が響き渡る
“アニキ、明日ろふまおの収録ですからね!忘れないでくださいよ!”
「……収録……」
だるいけど、行かないと。もう、時刻は午前3時を過ぎている。
さっき、モンスター飲んだばっかだけど寝れるかな。
「……おやすみ」
ポツリと独り言をこぼして、目を閉じた。
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kid side
「よし、今日も一番!」
剣持「おはようございます」
「うぇ!?もちさん、いたんすか!?!?」
剣持「今日は、授業が午前中だけでしたので。」
「そ、そうだったんすか……」
加賀美「おはようございますーあれ、もうお二人共いらしたんですか」
「あとは、アニキだけっすね!」
剣持「ですねー…。まぁ多分遅刻してくると思うんで10分くらいは待ちますか」
加賀美「そうですね」
「一応、自分が連絡入れときます!」
Discordを開き、不破さんにメッセージを送る。
“アニキ、収録忘れてないですよね?もうみんな来てますよ!”
「よし……と」
あとは、来るのを待つだけだ。
〜10分後〜
剣持「……遅くないですか?」
加賀美「いや、電車が遅れてるとかありますからね…」
〜30分後〜
加賀美「……流石に遅いですね」
剣持「連絡ぐらい来てもいいはずなのに……」
「電話かけます?」
剣持「かけてみますか……」
静かな部屋に、Discordの通話音が鳴る。
すると、いつしかの企画で出てきた画面が表示される。
剣持「…まだ寝てるんですかね?」
加賀美「さぁ……?」
「じゃあ一応僕も電話してみます」
……………
「……もしかして、この画面って……」
加賀美「残念でした」
「泣いた」
剣持「んー…スマホの電源が入ってないか、不破くんになにかあったかじゃないですか?」
加賀美「どっちもあり得そうでなさそうですね」
剣持「スマホの電源が入ってないなら、不破くんが寝てても反応しませんけど……」
「アニキになんかあったら、ヤバくないですか?」
剣持「そうなんですよね」
加賀美「じゃあ、家凸します?」
「しましょう!」
剣持「じゃあ、今日の収録は無しということで……」
「僕、車出しますよ〜!」
(New page)
fw side
「……ん、あれ……」
しまった。仕事着のまま寝ていた。風呂も入ってないし、髪もボサボサだ。
けど、今日は……なんもなかった気がする……。
それに、あったとしても俺がいなくて大丈夫だから……。
昨日の記憶が曖昧だ
何してたっけ
何飲んだっけ
何話したっけ
頭で考えれば考えるほどわからなくなる。
……とりあえず、エナドリ飲んどこ。
缶を開けようとした、その瞬間
ピンポーン
静かな部屋に、チャイムが響く。なんか頼んだっけ
「……はーい……」ガチャッ
甲斐田「アニキ!起きてたんすね!」
「…まぁ、起きたのもついさっきだけど」
甲斐田「今日何の日か忘れてないっすか?」
「……何やっけ」
甲斐田「ろふまお塾の収録ですよ!!アニキ、連絡つかないから心配して家凸しに来たんすよ!」
加賀美「大丈夫ですか、不破さん?」
剣持「…うっわ、隈すご……」
「……そんなにっすか。てか、今日収録か……」
甲斐田「…アニキ?昨日何本エナドリ飲みましたか?」
「…………覚えてない」
加賀美「え、ちょっと家上がってもいいですか?」
「……最近片付けてないから汚いっすよ?」
加賀美「お邪魔しまーす……」
剣持「え、ヤバ」
甲斐田「はっ!?1..2…3…4….……」
加賀美「…不破さん。」
「?はい」
加賀美「まず、寝ましょう」
「さっき起きたばっかっすよ?」
加賀美「いいんですよそれでも」
「収録は…三人とも、いなきゃダメじゃん」
甲斐田「なんで自分含んでないんすか!?収録はまた後日になりましたよ」
剣持「不破くん、これ睡眠薬?寝れてないの?」
「あ…えーっと……」
甲斐田「……アニキ、自分がいうのもあれなんすけど。もっと体に気を使ってください!」
加賀美「甲斐田さんの言う通りですね。待ってくれているリスナーもいますし。」
剣持「……」
「……よ」
甲斐田「?」
「…お前らになにがわかんだよ……」
ぁ、やばい。
「勝手に理想を押しつけてきて……」
口から勝手に言葉が出てくる。
「もうやだ……ッ」
涙で、前が歪む。もう、三人の顔もまともに見れない。
俺は、必要とされてない
ろふまおも、三人でできるしそれに俺がいなくても……
剣持「不破くん、目擦らない方がいいですよ。目、腫れちゃいますから」
「……ぇ」
剣持「僕は、不破くんのこと何一つわかりません。わかる気もありません。」
剣持「…けど、疲れたなら疲れたと不破くんなら言えると思ってます」
剣持「…さっさと着替えて寝てください。部屋は片付けておくので」
「……は、い…」
加賀美「…それにしても、剣持さんがちゃんと先輩してましたね」
剣持「どういうことですかそれw」
甲斐田「確かに!!めっちゃカッコよかったです!」
剣持「まぁ、こっちは歴が長いので…これに似たことも、結構ありましたしね。」
甲斐田「くぅ〜!先輩〜!」
剣持「ふざけないでください」
甲斐田「すみません」
加賀美「それにしても…冷蔵庫もエナドリだらけ……」
甲斐田「僕も流石に引きます」
「…勝手に漁って何しとるん…?ふわぁ…」
剣持「お、来ましたね。じゃあ、寝ててください。」
「でも、モンスター飲んで脳が起きちゃってるんすよね…。ゲームしていいっすか」
甲斐田「エナドリ禁止で」
「じゃあ甲斐田もな」
加賀美「ゲームもエナドリも禁止です!」
「えぇ〜!?無理無理無理」
剣持「さっさと寝なさい」
「……ハィ」
毛布にくるまり、目を閉じる。
昨日は何してたっけ。何本飲んだ?何話した?
…けど、それもどうでも良くなるくらい今が楽しくて
俺のために、動いてくれた三人がとても嬉しくて
今、幸せだな。
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