実氵兄者の短編

頭をからっぽにして読んでください。

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cisid

「…あれ？」

何考えてたんだっけ。

何も覚えてない。

何も感じない。

何してたんだっけ

「…まぁ」

いっか。

そんなこと

今日も一日が始まる。

「頑張らなくちゃな」

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「〜〜〜んでさ、チーノはどう思う？」

また始まった。

自分の意見を正当化させる為の問いかけ

そんな問いかけにまともに取り合う程

俺は暇じゃないねん。

「ええ、そうですね！」

だから笑顔で適当に受け流す。

反論？しないに決まってるやん

だって、態々自分から面倒臭いことに首を突っ込む馬鹿は居らんやろ？

「〜〜〜だよな」

「そうですよね！」

ﾊﾟｷｯ

あれ、何か音がする。

何か脆いものにひびが入る、そんな音

あれ、何でだ。

心が痛いな

チクチクして気持ち悪い。

何でこんなに締め付けられるんや？

おかしい

でも、俺はおかしくない。

だって俺はいつでも正しいんやから。

「〜〜〜だと思わない？チーノ」

「ええ、素敵だと思います」

ﾊﾟｷｯ

「〜〜〜だからチーノ、俺が正しいよな？」

「勿論、〜〜さんが正しいに決まってます」

ﾊﾟｷﾊﾟｷｯ

「チーノってさぁ」

「笑ってないよな」

….あーあ

「そんなこと「だって、いつも愛想笑いで、本当の自分見せた事ないよな」…」

「チーノ、お前は肯定しかしないしさ」

「気持ち悪い」

ﾊﾟｷｯ

「もう関わらん、じゃあな」

ｶﾞｼｬﾝｯ

心が砕けるそんな音がした。

バラバラに砕けて、割れて、踏みつけられて

痛い、けど痛くない。

どっちだろ

「….ぁ」

「めんどくさ」

本当の自分とか意味わからんわ。

愛想笑いで何が悪いねん。

笑ってるだけマシなんや

ほら、みてや

俺の笑顔

完璧やろ？？？

…なぁ

誰か、完璧やって言ってや

俺を褒めてや

俺を殺して

俺を助けてや

楽にしてよ

俺を見て

笑いたい

認めてよ

認めないでよ

本当の俺はどれ？

どれが本当の俺の気持ち？

『独りにしないで』

あぁ、これか。

「ごめんな」

今の俺には邪魔でしかないねん

「…じゃあな」

泣き虫で弱い俺。

「…あれ？」

何考えてたんだっけ。

何も覚えてない。

何も感じない。

何してたんだっけ

「…まぁ」

いっか。

そんなこと

今日も一日が始まる。

「頑張らなくちゃな」

『今日も、独りだな』

本当の俺は？

『からっぽ』

操り人形は今日も笑顔で愛想振りまく。