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#エルフ
桜井正宗@オートスキル1巻発売
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上野文
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あのち
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577
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読了したわ。第22話、ロルフが陰口に耐えながら必死に役目を果たそうとする姿が胸にくるね……「強くなりたい」って気持ちと、アニカに心配かけまいとする不器用さが、めちゃくちゃ伝わってきた。腕の痣を見せたときのアニカの「違うよ」が、優しくてじんとした。護る側も護られる側も、お互いを思うからこそ悩むんだなあ。続きが気になる🔥
第22話
「夜分遅くにすまない。頼んだぞ」
そう言って騎士団長は僕たちを見送った。
僕はいつも通りの服装だ。急にあの、重い甲冑を着れと言われてもできない。
大きめの魔物の群が出たらしい。それも、城下町の近くで。僕たちはそれに派遣された。
僕がアニカの元を離れていいのか疑問だったけど、僕は上の指示を聞くだけ。それ以上でも以下でもない。
「眠くないか?」「まぁな。夜中だぞ」「こりゃあ、日もまたぐな」
そんな声が飛び交う中、僕は後ろをついて行った。
変な愚痴を聞き流しながら馬を走らせていたら魔物の群のような気配がした。
僕が思わず止めると周りも少ししてから止まった。多分僕を見てから止まったのだろう。今、剣を構え始めた。
僕は魔物の気配のする方へ駆け出して剣を振るった。
少し、剣を振るっていると後ろから陰口が聞こえた。
「いつもあんなんなのか?」「ガキなのに、調子乗ってるな」「ま、何も言わないから正直楽だけど」
うるさい。真面目に剣を振るえ。
駄目だ。気にしない。あんな、人間の言葉なんて、聞いてもしょうが無い。
それから、魔物の群を二、三個倒してから町に着いた。でも、町は現地にいる人が倒したらしい。
それから、魔法の使える騎士の出番だ。僕とは無関係。
でも一睡もできないまま、夜を明けて王城に戻った。
午前中は剣の素振り。だけど、振り方が中々納得できない。
「何回やるんだ?」「大役をもらってから、ずっとあれか?」「まぁ、子供の分際で務まらないな」「ずっと同じ練習だな」
そう言って鼻で笑われる。日常茶飯事だ。
午後からアニカの護衛が入っているので、僕はそこそこにしておいた。
午後、少し遠くの町の視察に行くことになったけど、道中でゴブリンに背後を取られた。
それに、右腕をこん棒で腕を攻撃された。
ゴブリンだけなのに……
「大丈夫?」
「うん」
僕は頷いた。でも、腕は腫れているだろう。
少し、余裕のある服装で良かった……というか、城にある服が全部大きい。服を借りているけど、本当に合わない。少しズボンもまくっている。
それから、町へ着いて町長に挨拶をしてから宿屋へ向かった。
ご飯を食べて、お風呂に浸かったから少し休もうと部屋に向かっていた。
僕は、それだから舐められるんだ……
もっと、強くなって、護れる、皆に正しいと思ってもらえる人に……
「ロルフ。本当に大丈夫?」
「大丈夫だけど……どうしたの?」
僕はアニカに向かって後ろを向きながら返した。
「腕、さっきから動きがおかしいよ」
……隠し事はできないよね……でも、これは恥ずかしくて言えない。
護衛騎士が守るために怪我をするなんて……情けない……
「大丈夫だから、気にしなくていいよ」
そう言って立ち去ろうとした僕の右手を掴まれた。
痛い……
変な風に曲げているから、さっきよりもずっと痛みを増している。
痛いは錯覚なんだよ……
だから、大丈夫……病は気から。そういう言葉もある……
「そうやって逃げて……本当は、大丈夫じゃないよね」
僕は言い返せなかった。
……嘘をつくのは模範的では無い。ここでも、宿の人もアニカもいる。
間違いは許されない。
「あ、ゴブリンに……」
そう言って腕を離した。
僕は無意識に右腕をさすった。
あ、駄目っ……
アニカを心配させるのは決して、模範的ではない。
腕から手を離したけど、もう遅かった。
「見せて。怪我してるんじゃないの?」
僕は無言で腕をまくった。
真っ青の痣ができていて、皮膚にも小さな傷が無数にある。
服に擦れて痛かったんだよな……
「これは、大丈夫なの?」
僕は一瞬、痛みが感じなくなった。でも、それは一瞬だけで、直ぐ痛みが襲ってきた。
僕は服を戻して考えた。
でも、これで、大丈夫と言ったら嘘をつくことになる。
「治すよ。ロルフは無理してるから、いつもそうなんじゃないの?」
無理……無理は正しいの?
でも、正しいと思われるには無理と言われる行動を……無理ってなんだ?
最近、不調だけど、それは何?
……分からない。
僕がグルグル考えていると痛みが引いてきた。
アニカが無言で僕に魔法をかけていた。小さなため息もつかれた。
「ありがとう。大丈夫って言ったら嘘だったかな……でも、こんなに甘えていいの? 僕はアニカを護らないといけないのに……」
「私こそ、甘えてばかりで……ロルフは、私の事を護ってくれて、私は何かできた?」
「僕は仕事だよ。護る義務がある。でも、アニカは誰にも指示されずに僕を助けた。これは甘えじゃないかな?」
「違うよ。ロルフだって道端で困ってる人は見放せないでしょ? 今まで何度か見てきた。私だって同じ。そんな無理して倒れたって……嫌だよ……」
無理って体が耐えられない……だけど、どこから耐えられないにはいるの?
「ごめん。言い過ぎた……」
アニカはそう言って俯きながら部屋に戻った。