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ー注意事項ー

・1話さんしょ

わわんく






























◇◇◇


軍本部の一室。

窓のない簡素な個室は、昼夜の区別がつかない。

そこにciが保護という名目で収容されてから、もう三日が経っていた。

ciは一般兵や、他国から狙われている。

彼を守るために、彼に自傷させないために、この個室にいれていた。

外では、数人の幹部が交代で見張りにつき、書類を持ったtnやut、zmがひっきりなしに出入りしている。

用のない時は、幹部でも中に入れない。

内通者が居てもおかしくないからだ。

そんなことは、考えたくないけれど。

「水は?ちゃんと飲んでる?」

tnがモニター越しに尋ねる。

中のciは何か言っているが、小さな声で、マイクが拾ってくれなかったため聞こえない。

「…なんか弱ってきてる気がするわ」

zmが眉をひそめる。

「…それでも、敵に狙われてるし、自傷の危険もある。甘い顔はできへんな」

utは淡々と答えながら、持っていた薬のボトルを机に置いた。

「こんな量の薬、snがお使いに頼んでないのなら、なんだって言うんや。没収して正解やな」


ciのいない食堂では彼の名前がしきりに出る。

かつて、亡くなった仲間とciが重なって仕方ない。

「あの時も兆候を見逃したんや。ciまで同じことになったら」

誰かがそう呟くと、沈黙が落ちた。

全員が守っているつもりで動いていた。

だが、その守りが既に枷になっていることに、まだ誰も気づかない。


◇◇◇


shpは短期任務から戻ったばかりだった。

ciのことは知っている。

一般兵からの嫌がらせを受け、更に他国からも脅迫を受けていた。

皆からの報告を聞く限り、ciは守られているらしい。

彼らに任せるなら安心だろう。

だが、廊下ですれ違う兵士たちが妙に落ち着きなかった。

「ciさん、隔離されてるだって…大丈夫かな」

低い声で囁くのを聞き、足を止める。

「隔離?」

鋭い目が細められた。

兵士がそれに気が付き、頭を下げる。

「shpさん…すみませんッお疲れ様です!!」

「…その、隔離ってなんや。ciは無事なんか」

「嗚呼それが…ciさん、今幹部の皆様によって個室に収容されているんです。理由は教えてくれませんでしたが…」

「…そう。」

shpは嫌な予感がして、足を進めた。


見張りの前に立つと、tnが顔を上げた。

「おかえり、shp。すまんが、今は立ち入り禁止や」

「ciに何があったんすか?」

「敵に狙われている可能性がある。薬の過剰摂取の兆候も見られた。やから、保護することになったんや」

shpは眉をひそめる。

「それはそうやけど…ここまでする必要あるんすか」

「ciは狙われて」

utが言いかけたが、shpの視線に射抜かれて黙る。


モニター越しに見えるciは、窓のない部屋で小さく縮こまり、口元を押さえ、今にも泣きそうな顔で座っていた。

shpの胸にざらりとした感覚が走る。

「これ完全に逆効果じゃないすか」


「もう出してやってくださいよ」

shpの声は低い。

「ダメや。今はまだ危険」

少なくとも、敵が明確になるまでは。

tnが強く首を振った。

「こんな強引に閉じ込めてる方がciにとって悪影響すよ。」

沈黙。誰も反論できない。

shpは溜息をつき、見張りの許可を待たずにドアの前に立った。

「開けてください」

「shp、勝手なことは」

utが止めようとしたが、tnが静かに手を上げた。

「…五分だけやぞ」


ドアが開く。

空気が重く湿っている。

個室の奥の奥、壁際にciは座っていた。

shpはゆっくりciに歩み寄った。

「ci」

その瞬間、ciは跳ねるように後ずさり、涙を零しながら叫んだ。

「やだッやめて!!もうやだ、出してよッ!!!」

shpは胸の奥が痛くなるのを感じながら、両手を広げてしゃがみ込む。

「大丈夫、大丈夫。俺や、shp」

「…ッ、おまえも、俺をスパイやって思ってんの」

「…スパイ?誰がそんなことを言ったんや」

「…監視してたから。しかも、今はもうおれのこと、閉じ込めてるしッ、!!!」

いつ拷問されるんや。

ciはガチガチと歯を鳴らしながらこちらを睨んだ。

「ci、正直に言うだけでええ。お前が、俺らを裏切るなんて真似、する訳ないやんな」

「…ない、しないッ…しないよぉッ…」

部屋の外では幹部たちが固唾をのんで見守っている。

こんなciを画面越しで見て、直接話そうとしない。

そんな彼らにshpは腹を立てた。

ciは震える手で顔を覆いながら、嗚咽混じりに繰り返す。

「なんで…なんで閉じ込めるんや、ぼく、ぼくは…なんもしてへんのに」

その言葉がドアの隙間から漏れ出し、廊下にいた全員の胸を突き刺す。

shpがぎゅううと強く抱き寄せる。

ciの言葉がこれ以上弱々しくなるのを、聞いていられなかった。

「ci、お前電話してたやろ?その相手、誰だか言ってくれるか?」

「…たこくの、総統様やッ…でも、悪い人ちゃうねん、ぼく…支援したく、て」

「うん。そうなんやな。そっか」

「ッ、くすり、薬支援したかってん…なのに、薬もどっかいってまって…」

「うん。」

「…どうしよ、おもて…ッ、」

「じゃあci。部屋の鍵閉めて泣いとったんは?」

「…えいが、見ててん、鍵は…ご、ごめんなさい、」

「うん。ええよ、分かった。ありがとう、話してくれて」

「s、shpぃ…ッ」


扉の向こうでtnは深く息を吐いた。

「…俺、一人でずっと何やってたんやろな」

utが押し黙る。zmも視線を落とす。

今まで自分たちが守るためだと思い込んでいた行動が、ciを追い詰めていた現実が、やっと形を持って迫ってくる。


静かに、扉を開けた。

ciの青ざめた顔を見て、さらに胸が苦しくなる。

shpはciの隣に座り、そっと肩に触れた。

「ci、もう大丈夫。誤解やったんや全部。俺たちの勘違いやってん」

ciは泣きじゃくりながら顔を上げる。

外にいた幹部たちも中に入り、一人ずつ頭を下げた。


一つ一つ、勘違いが解けていく。

誰も言葉が出ない。

shpが代わりに呟く。

「だから言ったじゃないすか」

tnがゆっくり近づき、ciの頭に手を置いた。

「…ごめんな」

utもすまん、とだけ言い目を伏せる。

zm、ht、他のメンバーも次々に謝罪の言葉を口にした。

ciは涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、かすれた声を絞り出す。

「…ッ、もう、閉じ込めないで」

「閉じ込めない。絶対に」

tnが即座に答える。


その後、全員でciを食堂に連れて行き、温かいスープを出し、shpが横で背中をさすりながら大丈夫、大丈夫と繰り返した。

ciはまだ小さく震えていたが、少しずつ呼吸が整い、頬にうっすら血色が戻っていった。

「…おれね、ひとりでもできるって、みんなにみせたかってん」

安心したのか、眠たそうにゆっくり瞬きしながら言う。

「総統さまが、grにおれい言ってな…そんで、ほめられたかってん」

「うん」

utが優しそうな笑顔で頷く。

「…みんなにも、ほめてもらえるとおもって」

tnが皆を見回し、全員が静かに頷いた。

その瞬間、ザッと皆がciの周りに押し寄せる。

頭を撫でる手、撫でようと伸ばされた手、とにかく全方向から手が現れた。

ciの髪の毛は瞬く間にぼさぼさになる。

「えらい子どーーこだっ!!!ここだあ〜!!」

「ここにいためう〜!!!!!!」

「外交頑張っててえらいなあci!!俺なんて絶対無理や!!話せへん!長時間も!!」

「knは語彙力に欠けるからな!!ciはすごいなあ!!!!!」

「ciくんcッ、ちょっと!!押さんでよ!!!」

「em邪魔だァ!!!俺に撫でさせろやァ!!!!!!」

「ut!!お前暑苦しいねん!!!ci!!お前の頑張り、全部見とうよ!!」

「ちょっとアンタら、俺のciすよ!!離れっ…ろ!!!!!!!」

髪の毛に届かない手は、ciの頬に伸ばされ、もちもちと触られた。

ここを触れるのは背の低いrbの特権であろう。

rbは皆の足の隙間に隠れて、静かに頬を撫でていた。

「…ふふ」

ciの混乱している顔を見てクスクス笑う。

shpは周りに威嚇をしていた。

emとutだけ、周りから押し出されて床に倒れている。滑稽である。


こうして、長く続いた勘違いの連鎖は終わり、部屋にはようやく、温かい空気が満ちていった。


少し経って、grがやってきた。

嬉しそうに通信機を持っている。

「ci。お前が担当した国の総統が、お前を絶賛していたぞ。お礼に、特産物を送ると」

「…!!!ほ、ほんまっ!?!?」

「ああ。」



「よくやったな」



他国から勧誘されるciを守るのに必死になる日々を、grはまだ知らない。





セリフ打ち込む瞬間が1番好き

この作品はいかがでしたか?

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コメント

12

ユーザー

ここあちゃんの小説はいつもだいすき😽💕

ユーザー
ユーザー

sypさんが威嚇してる部分想像したら口角のニヤケがとまんね〜!後ほっぺぷにぷにいいな!「いい子どこだ〜?」がチョー好き♡

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