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―――「キャー!すてきー!」
「イケメーン!」
「今日もかっこいい!」
今日も人がいっぱい居るなぁ。
緊張するけど、
きっとみんなは僕のことをみていない。
僕はすごくかっこいいって訳じゃないからね。
―僕の名前は、神笑 桃輝。
中学3年生 サッカー部所属の男だよ。
こげ茶の髪はセンター分けにしているよ。
目はセレストブルーが一番近い色かな?
今やっと部活が終わり、昇降口に向かっている。
「桃輝!お疲れ様!」
この人は、僕の友達で同じサッカー部の、東 スペド。
ツヤツヤでサラサラの黒髪はマッシュヘアで目はロイヤルブルー。
男の僕でも思う、かっこいい人!
「かみえぇー!お前今日も大活躍だったな!オレも頑張らないとなー!」
この人は、スペドと同じく僕の友達で同じサッカー部の、戸下山 ダイヤ。
短髪で若干グレーがかった明るい髪と目がエメラルドみたいな綺麗な色(名前はダイヤだけどね!)が特徴なんだ。
「なぁ、あずま!かみえ!一緒に帰ろーぜ!!」
「おう、ダイヤ!ほら、桃輝もおいで!」
「うん!」
そうして僕たちは一緒に帰ることになった。
「そういえば、もう夏休みだなー!」
そうだった!もう夏休み直前なんだ!
「ダイヤと桃輝は夏休みどっか行くの?」
「僕はちょっと海外に」
「流石かみえー!やっぱお前んとこ金持ちだなー!」
「そんなことないよっ」
ほんとは自分で言うのもアレだけど、お金持ちだと思う。
だけど、神笑家の財産を狙って
交際を求めてくる人とかが居るから、
正直お金持ちに生まれたくなかったんだ。
「じゃあなー!」
「また明日!」
「うんっ!またね!」
僕は二人と別れる道を、だいぶん進んだところに、僕の家があるんだ。
今日も疲れた。
夏休み―海外に着いたので、少し散歩をしている。すると、ミルクティーベージュの髪色の人がいた。
ふわふわな髪がとても素敵で、
思わず見惚れてしまった。
ミュゲの香りがふんわり香る。
「あ」
その子から、何かが落ちた。
落とし物かな?見に行くと、
ハンカチが落ちていた。
「あの!」
あの子が振り向いた。
わ、透き通るくらい綺麗なアイスグリーンの目だなぁ。
しかも、とっても綺麗なお顔。
いや、違う違う!そんなことより、
ここは海外だった。英語で話さないと!
「ぇ、Excuse me.」
「…ぁ、あの、わたし、日本語、話せますっ」
「そうなんですね!これ落としましたよ」
もしかしてこの子も旅行とかかな?
それとも留学生?
「あ、ありがとうございますっ!えと、 あ…お、お名前は…?」
「神笑 桃輝です!あなたは?」
「わたしは、はな……」
プルルルルルルルル
僕のスマホから着信音が聞こえる。
「ちょっとすみません」
「は、はい、!」
相手は父だった。
「もしもし?お父様?」
『桃輝、今から出かけるから戻ってきなさい。』
「分かりました。お父様。」
ピッ
「あ、すみません。急用ができたので、失礼します」
「わ、わかりました!ほんとに、ほんとにありがとうございましたっ!」
僕は会釈して、足早にお父様の所へ戻った。
そういえば、名前聞けてなかったな。
たしか、はる…?はね…?
うーん、どっちもしっくりこないや…。
名前だけでも聞いておけばよかったなぁ。
―夏休みが明け、僕達は楽しい中学校生活を過ごし、
あっという間に受験の時期がやってきた。
教室がなんだか、
真剣な空気になっているような気がする。
いつも明るいダイヤも、なんだか静かだ。
スペドも、黙々と問題集を解いている。
部活も引退したし、 最近は一緒にサッカーできてないから寂しいな。
でも、僕は絶対入学したい高校が
あるから我慢するんだ。
僕が目指す高校は、
私立花園学園高等学校 だ。
花園学園に入学するために、
僕は今日も机に向かう。