朝の通学路。四人並んで歩くいつもの道は、少しだけ賑やかで、少しだけ特別。
「今日、数学あるんだっけ」 ひろがぼやくと、〇〇がくすっと笑う。
「あるよ、テスト返却」 「やだ……」
もとはそんな二人を横目に見ながら、〇〇の歩幅に自然と合わせる。
「放課後、ちゃんと一緒に帰ろ」 「疲れる日でしょ」
りょかは少し後ろから、のんびりと。
「帰りにコンビニ寄る?」 「甘いの補給しよ」
校門が見えてきて、クラスごとに分かれる時間。
「じゃ、またあとで」 「ばいばーい」
〇〇が手を振ると、三人もそれぞれ笑って返して、
それぞれの教室へと入っていった。
——
その数時間後。
授業が終わり、チャイムが鳴る。
三人はほぼ同時に立ち上がって、〇〇のクラスへ向かおうとする。
「今行こ」 「うん」
廊下の角を曲がった、そのときだった。
聞こえたのは、低い声と、押し殺したような〇〇の声。
「やめてください……」
視界に入った光景に、三人の足が止まる。
壁際で、〇〇が知らない先輩に距離を詰められている。
腕を掴まれて、逃げようとしているのが一瞬でわかった。
「……何してるんですか」
もとの声が、いつもよりずっと低い。
「手、離してください」 ひろも、迷いなく前に出る。
りょかは〇〇のそばに駆け寄って、すぐに腕を引き寄せる。
「〇〇、大丈夫」 「もういいから」
三人に囲まれて、先輩は一瞬言葉に詰まる。
「嫌がってるの、見えませんか」 「これ以上続けるなら、先生呼びます」
ひろのはっきりした言葉に、先輩は舌打ちして離れていった。
その場に残ったのは、震える〇〇と、三人。
もとはすぐに〇〇の肩に手を置く。
「……怖かったよね」 「ごめん、気づくの遅くなって」
〇〇は小さく首を振って、でも目が少し潤んでる。
「だいじょうぶ……」
「大丈夫じゃないよ」 りょかがやさしく言って、頭を撫でる。
「ちゃんと帰ろ」 「今日は、もう」
——
放課後。
家に着くなり、〇〇はソファに座らされる。
三人は自然と周りを囲む。
「まず、ぎゅーね」 もとがそう言って、そっと抱き寄せる。
ひろも反対側から近づいて。
「怖い思いした分」 「安心で上書きしよ」
りょかは〇〇の手を包み込む。
「離さないから」
〇〇の緊張が、少しずつほどけていく。
「……ありがと……」
その声が小さすぎて、もとは額に軽くキスを落とす。
「これは、お仕置きその一」 「ちゃんと守られなかった分」
ひろは、〇〇の耳元に顔を近づけて、囁く。
「一人で抱え込まないこと」 「次は、すぐ呼ぶ」
りょかは、頬にやさしくちゅっと。
「怖かったって言っていい」 「甘えていい」
〇〇の顔が、少し赤くなる。
「……ずるい……」
三人はくすっと笑って、また距離を詰める。
「全部、〇〇のため」 「安心するまで」 「今日は、いっぱい甘やかす日」
体温と声と、やさしい気配に包まれて、
〇〇の心は、ゆっくり落ち着いていく。
「……ここ、すき」
その一言で、三人の表情が一気に柔らぐ。
「知ってる」 「帰る場所でしょ」 「俺らの、宝物」
その日は、外の音が静かになるまで、
四人で寄り添って過ごした。
——
怖い記憶よりも、
守られた記憶のほうが、ずっと強く残るように。
———
え????また??出すの早くない?と思ったそこのゆな&ゆいな!!これはね実はゆいなからのリクエストが来る前に書いてました!(リクエストの内容と違うけど)
ごめん!リクエストの内容と違うぅまた勉強のやつは明日だす!






