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まきぴよ
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みら

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#⛄️
kaede🍁
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その日。
阿部は一人で番組の収録に来ていた。
グループではなく、個人で呼ばれた仕事。
収録自体は順調に終わった。
スタッフへ挨拶をして、楽屋へ戻る。
着替えを終え、荷物をまとめていると。
廊下で一人のスタッフに声をかけられた。
「あの、阿部さん」
「はい?」
何度か一緒に仕事をしたことがある人だった。
普段通りの笑顔で振り返る。
でも。
相手の表情が、少しだけ固い。
「少しだけ、お時間いいですか?」
阿部は首を傾げた。
「大丈夫ですけど」
人の少ない場所へ移動する。
何か仕事の確認かと思っていた。
けれど。
相手はしばらく言葉を探したあと、まっすぐ阿部を見た。
「ずっと前から、阿部さんのことが好きでした」
一瞬。
阿部は何を言われたのか分からなかった。
「……え?」
「急にすみません」
相手は慌てたように続ける。
「迷惑なのは分かってます。でも、一度だけちゃんと伝えたくて」
阿部は少し黙る。
それから、できるだけ相手を傷つけないように言葉を選んだ。
「ありがとうございます」
「そう思ってもらえたことは、すごくありがたいです」
少し間を置く。
「でも、ごめんなさい」
「俺には大切な人がいるので」
相手の表情が少しだけ曇る。
それでも。
「分かってます」
そう答えた。
阿部は小さく頭を下げる。
「本当にすみません」
「いえ。こちらこそ、困らせてすみませんでした」
それで話は終わった。
相手もそれ以上何か言うことはなく、阿部ももう一度頭を下げてその場を離れた。
廊下を歩きながら。
阿部は少しだけ眉を寄せた。
普通なら。
告白された。
ただそれだけ。
珍しいことでもない。
でも。
何となく引っかかった。
自分と目黒のことは、もうかなり知られている。
生配信の最後。
阿部が婚姻届を出した。
その数日後。
今度は目黒が自分の欄を書き足した婚姻届を出した。
たった数秒。
それでも。
トレンドに入るほど話題になった。
詳しく説明したわけではない。
正式に何かを発表したわけでもない。
それでも。
この騒動で二人が互いに特別な存在だということは、かなり広まっているはずだった。
なのに。
今日。
告白された。
『分かってます』
相手はそう言った。
分かっている。
その上で。
言った。
「……」
阿部は少しだけ足を止める。
嫌な予感。
それ以上の理由はない。
ただ。
何となく。
胸の奥に小さな引っかかりが残った。
駐車場へ向かう。
扉を開けた瞬間。
「あべちゃん」
聞き慣れた声。
阿部が顔を上げる。
「めめ?」
少し離れたところ。
車のそばに目黒が立っていた。
阿部の表情が一気に柔らかくなる。
「何でいるの?」
「迎えに来た」
「聞いてない」
「言ってないから」
目黒が少し笑う。
阿部も笑った。
「びっくりした」
「嫌だった?」
「ううん」
すぐに答える。
「嬉しい」
目黒の表情が分かりやすく明るくなる。
車に乗る。
目黒が阿部の荷物を後ろへ置く。
「収録どうだった?」
「普通に楽しかったよ」
「疲れた?」
「ちょっとだけ」
「ご飯食べた?」
「まだ」
「帰ったら食べよう」
「うん」
いつもの会話。
いつもの目黒。
阿部は横顔を見ながら。
ふと。
さっきのことを思い出した。
告白された。
言った方がいいかな。
一瞬。
そう思う。
目黒なら。
多分。
隠される方が嫌だと言う。
今までも何度も隠して痛い目を見ている。
だから。
本当なら。
話した方がいいのかもしれない。
「あのさ、めめ」
「何?」
目黒がすぐ見る。
阿部は口を開く。
でも。
言葉が止まった。
嫌な予感がした。
ただそれだけ。
相手に何かされたわけでもない。
丁寧に断って。
それで終わった。
こんな話をしたら。
目黒はきっと気にする。
表面上は何も言わなくても。
仕事先。
スタッフ。
次にまた会うのか。
ちゃんと距離はあるのか。
考える。
心配する。
嫌な気持ちになる。
それが分かった。
阿部は少しだけ笑った。
「……今日、迎えに来てくれてありがとう」
目黒が少し不思議そうにする。
「それ?」
「うん」
「急に?」
「言いたくなっただけ」
目黒は数秒阿部を見る。
それから。
少し笑った。
「俺も会いたかったから」
阿部はその言葉に笑う。
「そっか」
車が走り出す。
窓の外。
街の灯り。
阿部はシートへ身体を預ける。
隣には目黒。
いつもの安心する場所。
それでも。
胸の奥。
小さな引っかかりだけが残っていた。
告白されたことは。
言わなかった。
嫌な予感がしただけ。
何か起きたわけじゃない。
だから。
大丈夫。
そう。
自分に言い聞かせる。
目黒が横から聞く。
「あべちゃん」
「何?」
「眠い?」
「ちょっと」
「寝ていいよ」
「ありがとう」
阿部は目を閉じる。
その一言に。
少しだけ。
安心した。
でも。
あの時感じた嫌な予感だけは。
まだ。
消えていなかった。
コメント
1件
🖤に言えないなら💙や💜には相談して、🖤に話すのが一番だけどね( ´Д`)=3 暴走した🖤にまた拘束されて大変だよ