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─────────赤髪の男の子。
貴族家庭に生まれ、幼少期から全て自分の思い通りにことが進んだ。
きっと自分は、誰よりも偉い。そう思っとった。
小学校に上がる前に「異能」と呼ばれるものも開花した。うちの家系は元々「炎 」にまつわる異能力者ばかりやったから、もちろん俺も炎の異能を手に入れた。
そんな早々と異能を開花してるやつなんておらんくて、【神童】とも呼ばれとった。
当たり前なことや。俺が天才だなんて。
…
それから俺は、中学高校とあがり何事もなく過ごし、卒業を迎えた。
何も苦労のない6年間やった。周りは全員俺より弱くて、全員俺に従っとった。
まあ、当然の事なんやけどな。
俺に従うなんて。
…
それが覆ったんは、俺が個人で営業を初めて間もない頃やった。
とある日。依頼人に頼まれて、1人の男を殺すように依頼された。
名前は…神宮寺綾人…?
そいつの事が書かれたメモには、「無能力者」と書いてあった。
なんや、雑魚やん。さっさと終わらせて、帰ったろ。
…
よくあいつが歩いとるつっちゅう道に来ると、すぐに現れよった。
無防備でボケっとした顔しとる。
俺は神宮寺のあとを着いて行き、裏路地のような場所に入った。
そうすると、いきなり後ろを向かれた。
「やっぱり、着いてきてたか。」
「は?い、いや、俺はただこっちん道通ろう思っただけですよ〜…」
「あんた、嘘つくの苦手だな?顔に出てるぞ。それに、あんたここからちょっと離れた場所からずっと俺に着いてきてただろ。」
「たまたまやないですか~……?」
「たまたまなんかじゃない。お前のその派手髪、たまに視界に入ってたんだ。」
くっそ…なんやねんこいつ。さっきから済ました顔で散々言ってきおって…
もうええわ。さっさとケリつけて…こいつの首持ち帰ったる…
俺は、刀を抜くと神宮寺に向けた。
ジリジリ、と熱くなる刃は次第に炎を纏った。
「もうええわ、あんたのこと殺させて貰うわ。」
「ああ、出来るならいいが。」
「…ッ…この刀であんたの心臓貫いたる!゛」
渾身の一突き。ズチュ、と肉の切れるような音。
これはいったやろ………は?
俺の目の前に映ったのは、刀の刃を片手で掴んで止めている神宮寺やった。
意味わからん!?こいつ、は?…何で掴めとるん!?激熱なんに…ってか、そもそもこれ刀やし!!
そんなこと考えている隙に、少し神宮寺の眉間にシワが寄ったのが見えると、パキン、と音が鳴った。そう俺の刀が折られた。
俺は急な出来事に反応できずに後ろに倒れようとした瞬間。
ドッ、と鈍い音が聞こえたと共に俺の記憶はそこで途絶えた。