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現世くるり ◤ ペア画なう ◢
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「」せりふ ()こころ
翠 side .
カチ 、 カチ 、 と 車内 に ウインカー の 乾いた音 が 響いている 。
助手席 の シート には 、 らんらん の 高校の制服 に 合わせた 、 特注 の 柔らかい クッション が 置かれたままだ 。
いつもなら 、 この時間 には 『すち 、 お待たせ !』 と 、 世界 で 一番 愛おしい笑顔が 助手席 の ドア を 開ける 。
その笑顔 を 見るだけで 、 俺 の 一日の疲れ は すべて 極上の快感 へと 変わるはず だった 。
―なのに 。
スマホ の 画面は 、 十五分前 に 送った 『迎えに行くね』 という メッセージ の 横に 、 冷たい 既読 の 文字 を 浮かべたまま 沈黙 している 。
通話 を かけても 、 機械的 な アナウンス が 『電波 の 届かない場所 にあるか 、 電源 が 入っていない』 と 告げるだけだ 。
「 …… なんで ? 」
指先 が 、 ハンドル を 白く なるほど 強く 握りしめる 。
らんらん が 、 俺 を 無視 した 。
スマホ の 電源 を 切った 。
そんなことは 、 付き合い始めて から 一度 だって なかった 。
頭の奥 が 、 どろり とした 不安 と 怒り で 焦げ付きそう になる 。
らんらん に 怒っているわけ じゃない 。
らんらん が 、 俺 を 拒絶 するはず が ない 。
…… 分かっている 。 らんらん の 周りにいる 、 有象無象 の 『ノイズ』 ども の せいだ 。
学校 の クラスメイト 。
部活 の 先輩 。
SNS の 薄汚い アカウント 。
どいつ も こいつも 、 俺のらんらん に 馴れ馴れしく 近づいて 、 らんらん の 貴重な時間 を 奪っていく 。
きっと 、 あの ゴミども の 誰かが 、 らんらん に 余計なこと を 吹き込んだんだ 。
俺たちの仲 を 裂こうとして 、 らんらん を 怖がらせるような 嘘 を ついた に 違いない 。
「 …… あいつら 、 本当 に 目障りだな」
胸の奥 の 暗い部屋 で 、 どす黒い独占欲 が 鎌首 を もたげる 。
俺 に とって 、 らんらんは生きる意味 の すべてだ 。
思い出すのは 、 まだ 俺が学生 だった 、 あの ひどく濁った 灰色 の 日 の こと 。
何をやっても 上手くいかず 、 周囲 の 大人たち に 否定され 、 自分 の 存在価値 が 見出せなかった あの頃 。
死んでしまおうか と さえ思っていた 雨の日 に 、 偶然 出会ったのが 、 まだ 幼かった らんらん だった 。
ただの 迷子 だったのかもしれない 。
でも 、 泣きそうな 俺の顔 を 見て 、 小さな 男の子 だった らんらん は 、 ひまわり が 咲くような 、 眩しい 、 まばゆい笑顔 を 向けてくれたんだ 。
『お兄ちゃん 、 これあげる ! だから 元気 出して ? 』
差し出された 安い キャンディ と 、 あの 透き通った笑顔 。
その瞬間 、 俺の 止まっていた 心臓 が ドクン と 跳ねた 。
世界 に 鮮やかな色 が 戻った 。
(ああ 、 俺 は この子の笑顔 を 守るため に 生まれてきたんだ)
そう 確信 した 。
あの笑顔 に 惚れて 、 俺の人生 は らんらんのもの に なった 。
だから 、 邪魔者 は すべて 俺が 排除する 。
らんらんの綺麗な世界 に 、 俺以外のノイズ は 必要ない 。
ここ数ヶ月 、 らんらんに近づく人間 を 、 俺の 持つ全て を 使って 、 着実 に 社会 から 、 この世 から 消去 してきた 。
昨日の夜 だって 、 らんらん に 週末の約束 を 取り付けよう と していた 目障り な 男子生徒 を 、 物陰 から 引きずり込んで 、 二度 と らんらん の 前 に現れないように “処理” してやったばかりだ 。
それなのに 、 まだ足りないというのか 。
まだ 、 らんらん を 惑わすゴミ が 学校 に 残っているのか 。
「かわいそうに 、 らんらん 。 誰に 脅されて 、 怯えてるの …… ? 」
スマホ の 画面 を そっと撫でる 。
らんらん が 俺を避けるのは 、 それほど までに 精神的 に 追い詰められている 証拠 だ 。
らんらん を そんな目 に 遭わせている奴ら を 、 これ以上 生かしておけるわけ が ない 。
「待っててね 、 らんらん 。 俺が すぐに 、 全部 綺麗 に してあげるからね … ♡」
俺は 静かに アクセル を 踏み込んだ 。
らんらん を 怯えさせる 学校の連中 を 、 一人残らず 、 肉体的 に 消し去って しまおう 。
そうすれば 、 らんらん は また 、 俺の 腕の中 で 安心 して 笑ってくれる 。
俺たち の 邪魔をする世界 なんて 、 全部 壊してしまえば いいんだ 。
【り】
episode 2 . fin_
コメント
4件
申し訳ありません! 修正点がありましたので、修正させて頂きました。 修正日時 → 6/1 20:57
多分初コメ失礼しますっ.ᐟ.ᐟ お話の最初から最後まで内容たっぷりでトッポすぎました…(?) お話の構成や表現が上手すぎて大好きですっ.ᐟ.ᐟ これからも頑張ってください.ᐟ.ᐟ
ああ、これ…結構ゾッとしたわ。翠さんの“愛情”が完全に暴走してて、読んでて背筋が冷えた。「らんらんのため」って言いながら、周りの人間を片っ端から“処理”してるところがもう恐怖でしかない。ひまわりのエピソードが切なく光ってるだけに、歪み方が際立つな…続きが気になるわ。