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あぁ、休み時間だ…!
さっき図書室で借りてきた本の続きを読もう。
そう思い、ワクワクしながら私は分厚い長編小説のページをめくる。
…今は昼休み。
周りは友達と喋ったり、気になる人の話をしたりと騒がしい。
『もう少し協調性を持ちなさい』とか
『あなたの意見を言ってもいいのよ?』
なんて周りの大人には言われるけど、
私がしたいのは『読者』で物語の世界に浸ることだから気にしない。
おーい、本の虫~
また、本読んでるのかよ?
もう少しで物語に入っていけるという時にどこからともなく私を野次る声が聞こえた。
それと同時に私を野次った声の主を憐れむような同情を述べるようなクラスのマドンナの取り巻きのヒソヒソ声が聞こえる。
読書という『私の至福の時間』をこんな野次に壊されてたまるものか…!
そう思いながら声の主を無視して物語に入っていく。
きっと、私を野次った声の主は休み時間に1人で黙々と本を読んでいる『私』が理解できないんだろう。
…『私』を、理解してくれる人なんてこの世界にはいない。
私が『私』になれるのは、読書をして物語という別世界に飛び込んだときだけなのだから。
私はそんな雑念を抱きながら、今日も1人で本を読みふける。