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AK@アキ
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#ミステリーかもしれない
ねぎとろ
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#何かがおかしい
夢喰【文月村】
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また、同じ朝が巻き戻る。左頬の痛みは消え、お父様はベージュ色の髪の毛を覗かせたまま、いつもと同じ穏やかな笑顔で私を見送ってくれた。
私はお母様に怪しまれないよう、完璧な人形のフリをして、再び「外出」の許可をやり直した。今度は、お母様の目の前で。
「お母様。市立図書館へ、本を返しに行ってまいります」
母はしばらく私を値踏みするように見つめていたが、「……三十分で戻りなさい」とだけ言って、重い玄関の鍵を開けた。
七回目で、初めて許された、お母様公認の外出。
私は胸のポケットにある、あの青いインクの手紙の感触を確かめながら、並木道を急いだ。
市立図書館の重厚な扉を開けると、そこは静寂と、古い紙の匂いに満ちていた。
我が家の冷え切った邸とは違い、大きな窓からは柔らかな午後の陽光が差し込んでいる。
私は手紙の謎を調べるため、奥の書架へと向かおうとした。
その時、窓際の特等席が、ふと目に留まる。
いつもは誰もいないはずのその席に、一人の少年が座っていた。
私と同じ、十三歳くらいだろうか。
白いシャツの袖を少しだけ捲り、熱心に古い革装丁の本をめくっている。
淡い金糸のような髪が、窓からの光を透かして、まるでそれ自体が発光しているかのように美しかった。
すっと通った鼻筋に、白磁のような肌。そして、伏せられた長い睫毛が、ページの上に静かな影を落としている。その物静かで綺麗な横顔は、触れれば消えてしまいそうなほど脆く、呼吸をするのさえ躊躇われるほどだった。
少年がめくる本の、紙が擦れ合う音だけが、静かに響く。
私が足音を盗んで立ち尽くしていると、少年は静かに顔を上げ、私を見た。
その瞳は、吸い込まれそうなほど澄んだ、冷たい冬の湖のような色をしていた。
「……こんにちは」
少年は、驚く私を怯えさせないように、鈴の鳴るような静かな声で微笑んだ。
「その本、僕もさっきまで読んでいたんだ。綺麗な話だよね」
彼が細い指先でそっと指し示したのは、私が今、返却しようと胸に抱きしめていた市立図書館の本だった。
「あ、ええ……。とても、静かなお話で」
私はドクドクと高鳴る鼓動を隠しながら、かろうじてそれだけを返した。
少年の言葉には、何のトゲもない。ただ、同じ本が好きなだけの、ごく自然な、図書館での何気ない一言。
だけど、私の背筋には、言いようのない冷たい違和感が這い上がっていた。
少年が読んでいるその古い革装丁の本。
その開かれたページの一角に、ほんの少しだけ、鮮やかな「青いインク」の滲みが、まるで私にしか見えない秘密の合図のように、静かに浮かび上がっていたから。
「僕は、ヴェル。君は、よくここへ来るの?」
ヴェル。
霧のように淡く、触れれば消え去ってしまいそうな、あまりにも綺麗で儚い名前。
彼はただ、優しく私を見つめている。彼が1話の冒頭の「貴方」だなんて、この時点では誰も、読者さえも気づかない。
ただ、お母様のインクに支配されたこの世界で、彼と、彼の持つ本だけが、あまりにも綺麗な「青」を纏ってそこに存在していた。
コメント
4件
同じ一日を繰り返すタイプのループなのか、リセットのタイミングはその日就寝したらとかなのかな?それとも何か条件が? それはそれとして少年のビジュの書き方が好き、金髪って明るい色なのにどちらかというと月に似た淡い光が似合いそう。これは儚い ヴェルって名前的にも濁音があるからか硬そうなのに雰囲気がめちゃくちゃ繊細そうなのギャップを感じて非常に良い、とても好き
新キャラきた〜!ワーo(^▽^)oイ
美月ゆめかです🌸 第4話、読み終わったよ〜!! もうね、ヴェルくんの登場シーンが美しすぎて鼻血出るかと思った😇💕 窓辺の光浴びる金髪美少年、しかも同じ本読んでたとか運命感じすぎでしょ…!「青いインクの滲み」が彼の本にもあるってことは、やっぱり彼もなにか知ってるんだろうな…気になる!主人公が7回目のループでようやくお母様公認で外出できた展開も、じわじわくる達成感があって良かったです!次回も絶対読みます🔥