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コメント
2件
このシリーズ💡の3Dもあったりしちゃいますか…!!?
- ̗̀⚠︎ ̖́-
kyng × inm
不穏注意
kyngの3Dお披露目配信やツイート内容を含みます
閲覧前の方はあまりお勧めしません
同居してますご注意ください
inm視点
ロウがにじヴィのみんなと歌ってるのを俺は家で1人で見てた。
3人で歌ってたS.C.R.E.A.M。
歌みたとは違うアレンジが入っててよかった。
でもちょっとだけ、ちょっとだけ。
ロウの事を幸せにするのは俺なのになんて思わなくもない。
それでも楽しそうに歌ったりおどったりするロウを見てるとこっちまで楽しくなってくる。
その楽しくなった気持ちのままロウの3Dお披露目配信聴きながらいつもはしない散歩をしてみる。
すごく稀に気晴らしに辺りを歩くことはあるけど今日はそんな気分じゃなくて自由気ままに歩く。
そんなことしていたら家から歩いて40分程の海に着いた。
履いていた長ズボンの裾を捲ってから浅瀬を歩いては水を足で飛ばしてみる。
そんなことをしていればもう最後の曲。
でも今日はどうせ暫くは帰ってこないから最後の曲を聴きながら浅瀬で遊ぶ。
ロウの配信が終わったあとも海辺で遊んでいた。
最近は嫌なことが続いてたから海が綺麗に、何もかもを受け入れてくれるように思えて酷く魅力的に映った。
このまま海に向かって歩いてしまえばきっと、きっと嫌な事も、楽しかった事も、今まであった事全てを忘れることが出来る。
それでも、それでもそんなこと俺には出来なかった。
ロウの3Dお披露目っていうおめでたい日に海と一つになることなんて出来なかった。
そうこう考えているうちに足はまだ海に浸かっていたままだったため体が冷えてきた。
時間を確認しようとスマホを見ればもう配信が終わってから1時間ほど経っている。
もう帰らなくては行けない。
でも帰ったところで大切な恋人が居る訳でも何でもない。
1人の家に帰ってしまえばそれこそもっと気持ちが沈んで、それこそ居なくなりたくなってしまう気がする。
自分勝手なのもわかってる。
勝手に家から散歩しに出かけて、誰も居ない家に帰りたくないなんて。
だからこそ早く帰らなきゃ、とは思ってる。
思ってるけど足が動かないんだ。
ロウが帰ってくる前に帰って、笑顔で迎えなきゃ。
それが今日の俺の仕事。
簡単なお仕事。
すぐ終わるはずだったのに。
ロウに迎えに来て欲しいなんて我儘がすぎる。
やっとの思いで足を動かす。
濡れてしまった足を拭くものは何も持ってきていない。
そもそも海に行くつもりなど微塵もなかったのだ。
仕方ない。
そのまま靴を履いて帰った。
いつも仕事の時に履いてる靴とは別の靴を履いてきてよかった。
明日の朝はこの靴を洗って、乾かしてから仕事に行こう。
そう思いながら海に来るまでよりも凄く緩やかなスピードで歩いて帰る。
家に帰ればまだロウは帰ってきてないみたいで安心したと共に少し残念な気持ちになった。
これで俺が早くシャワーを浴びて、髪の毛を乾かしてしまえば何も無かったことにできる。
そう思って案の定居なくなりたくなってしまってベランダに出ようとする足を無理やり引きずる形で風呂場へ向かいシャワーを浴びて髪の毛を乾かす。
乾かしてる途中でロウが帰ってきた。
まずい。
今日ロウは19時頃に家を出た。
その頃には俺は既にお風呂を済ませていて、いつも通りロウに髪の毛を乾かしてもらっている。
だから早く帰らなきゃ行けなかったのに。
もう一度髪の毛を乾かしている俺を見られたら何を聞かれるか分からない。
2人とも無言の時間がしばらく続いた。
何この時間。
あぁ、本当に今年は厄年だ。
kyng視点
お世話になっている先輩や同期達との打ち上げが終わって家に帰れば髪を乾かしているライが居た。
今日俺がライの髪の毛、乾かしたよな?
なんでまた乾かしてるのだろうか。
「…」
どちらも何も喋らないので無言の時間が流れる。
「、ライ?」
「……なに、?」
「俺、今日ライの髪の毛乾かしたよな?」
「、乾かしてもらったよ。」
「じゃあ何で今、また髪の毛乾かしてる?」
「……外、出ちゃったから。」
「外?どこ行ったん?」
「近くのコンビニ……。」
「近くのコンビニだったらもっかい風呂入ってないだろ。
どこ行った」
「、近くの海……。」
「近くの海、?あぁ、あそこか。
何でまた海なんかに……。
今の時期まだ寒いだろ。」
「なんとなく歩いてたら着いただけ。
3Dお披露目、良かったよ。」
「あぁ、ありがと。
いやそれは今は良いんよ。
……嬉しいけどさ。」
「…。」
「なんかあっただろ、今日というかココ最近。」
「……」
「なに、俺には言いずらい?」
「そんなこと……、無いけど。」
「じゃあ聞く、何があった?」
「、はぁ…。いつもみたいに陰口言われてただけ。」
「他は。」
「……、ちょっともの隠されたりとか仕事押し付けられたりとかそれだけだって。」
「仕事内容は。」
「、俺の不得意なタイプの敵の殲滅。」
「どこが”それだけ”だ。
下手したら死ぬだろそんなの。」
「でも、ちゃんと生きて帰ってきたから!」
「怪我して帰ってきたけどな。それも、利き手に大火傷作って帰ってきたよな?
まだあんまり治ってねぇし
まぁ、まぁまぁ良くは無いけど今は良いわ。
それで?海に行った時何を思った。」
「……」
きっと言いたく無いんだろうけど今聞かなければきっとライは言えなくなってしまう。
できる限り優しい声色でもう一度聞き直す。
「、どう感じた」
「……居なくなりたいなって。」
先程から俯いきしゃがみこんでいたライの顔が見えるように跪いて頬に手を置き目尻に親指がある状態で優しく顔を上げさせる。
「ライ、お前はみんなのヒーローだけどこの家に居る時はヒーローじゃなくていい。
それが無理だって言うなら、そうだな。
フードを被ってる時だけ。とかどうだ。」
「それ、良いかも。
フード被ってる時だけ俺は一般人。」
「そうだ。
…早速フード、被ってみるか?」
「、ぅん。」
小さくだけど確かに頷きながら口にされた言葉を聞いてから立ち上がり俺の部屋にあるパーカーを取りに行き戻ってくる。
「ほら、ライ。
このパーカーを着てフードを被ってる時だけお前はヒーローじゃない。
お前は唯の市民になる。
だから、このフードを被ってる時だけは俺に守られて欲しい。」
「……うん、いいょ。」
「今日は一緒に寝るか、
ちょっと待ってろ。部屋着に着替えてくる。」
「うん、まってる。」
なんてはにかんだライはきっとこの世の誰よりも綺麗な心を持っている。
それ故に傷ついてしまうこともあるけど今回は危ないところだった。
きっと今日はライと抱き合って眠ることになるだろうから涼しい部屋着を選び直ぐに着替え直ぐに部屋に戻る。
ライは寝る直前までずっと俺の3Dお披露目配信を、俺の歌を、声を褒めてくれてしかもいつもより沢山甘えてくれた。
いつもはこんなに甘えたりせず、言葉にしないライが言葉にして大切を届けてくれたことがすごく嬉しかった。
来週の3Dお披露目はライの番。
お前の生歌、楽しみにしてるからな。