※保鳴(保科宗四郎×鳴海弦)
キャラの口調迷子、エセ関西弁注意
有明りんかい基地。
日本防衛隊の中でも強者揃いの第一部隊が拠点としている基地である。
いつもならば怪獣出現に伴い、出動ベルが数回鳴るこの基地も今日は鳴る事なく穏やかだ。
と、そんな穏やかな基地の一角で、
『とっとと出てけ!このくそオカッパがあ!!』
第一部隊隊長・鳴海弦の罵倒が響いた。
時は数分前にさかのぼる。
ー数分前
第一部隊隊長室(鳴海の部屋)
カタカタ、グリリリリ
「・・・・・」
この部屋の主である鳴海が、仕事そっちのけでゲームに夢中になっていた。
その表情は真剣そのもので、彼のこの姿を見た者は皆そろってこう思うだろう。
ー何故この集中力を仕事に生かせないのか、と。
(よし!よし!いい調子だ。 このまま行けばプラチナランクだ!)
コンコン
「・・・!」
もう少しでプラチナランクというところで、
隊長室のドアを誰かがノックした。
(チッ!誰だよ、良い所なのに! 無視だ、無視!)
コンコン
(無視無視)
コンコン!
コンコン!
「だーっ!しつっこい!とっとと入って来い💢」
苛立ちを隠そうともせずに鳴海がドアに向かって叫ぶ。
ガチャ
「失礼します」
「!」
(この声は…)
「おるんやったら早く返事して下さいよ、鳴海隊長」
そう言って中に入って来たのは鳴海とは犬猿の仲で有名な 第三部隊副隊長・保科宗四郎だった。
「げっ!」
「人の顔見るなり『げっ!』って御挨拶やな」
「うっ、うるさい!お前こそ何勝手に基地に入って来てるんだ!ここはオカッパと細目は立ち入り禁止だっていつも言ってるだろ!!!」
「勝手やないですよ。きちんと許可もろて来てます。長谷川さんもええって言うてましたよ」
「この基地の隊長(責任者)はボクだ!!!」
「まあまあ、そうかっかせんで下さいよ。血管切れてまうで?」
「誰のせいだと思ってるんだ!」
「僕ですね」
「分かってるなら言うな!」
「鳴海隊長の反応がおもろくてつい」
「〜〜〜💢」
(落ち着け、落ち着けボク。こいつのペースに呑まれるな)
くるり。
「・・・!」
「すー、はー、すー、はー」
保科にくるりと背を向け、鳴海が自身を落ち着かせる為に深呼吸を数回繰り返す。
「鳴海隊長?」
「で?何の用だ?」
「あ、ああ。この書類にサイン下さい」
「ん、渡せ」
「はい」
保科の手から書類を受け取った鳴海が椅子に座り、目を通し始める。
「・・・・・」
「・・・・・」
(今日の鳴海隊長どないしたんやろ?いつもやったらもっと噛みついてくるんに。・・・せや!せっかくやから、あの事聞いてみるか)
「なあ、鳴海隊長」
「何だよ?」
書類に目を通したままの鳴海が返事をする。
「鳴海隊長は僕によく『細目とオカッパは立ち入り禁止』言いますよね?」
「あ?それがどうした」
「これはここに来る前に小耳に挟んだんやけど」
「?」
「僕には言うて僕の兄貴には何も言わんてほんまですか?」
「!?」
バッ!
鳴海が勢いよく書類から顔を上げて保科を見つめた。
その表情は驚きに満ちていた。
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