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「お姉ちゃん。元気にしてる?もう会える事は当分ないけど、いつか僕もそっちに行ったら、たくさん僕の話を聞いてよ。良いことも悪いことも、全部聞いて」
「またね。また来るよ」
天音side
今日も教室に1番乗りなのです。職員室から借りてきた鍵でドアを開け、自分の机に荷物を置く。窓を開けて、カーテンを閉めて、今日の授業で使う教材をロッカーから出す。これは全て終えたら完璧です。
天音)あっ、エアコンつけ忘れました
夏特有の蒸し暑さを吹き飛ばしてくれるエアコン様を忘れてしまうとは何たる失態。音々の天然っぷりが移ってしまったのでしょうか。いや、いくらなんでも可愛い双子の弟のせいにするのはいけないことですね。反省反省……。
などと、色々「ひとりごと」を心の中で展開しながらもエアコンのボタンを操作する。後はエアコン様にお任せして、私は勉強でもしましょうかね。
自分の席に戻ろうとある出そうとしたら、教室のドアが開いた。
天音)……え?
挨拶をしようとして振り向く。驚きで目を見開き、唖然とする。綺麗な金髪と目を惹かれる赤い瞳。
間違いなく、あのポスターの人だ。まさか同じ学校…ましてや同い年だとは思わなかった為、しばらくフリーズしてしまう。
?)…おはよ
その一言で、私は現実に意識を戻す。
天音)おはようござ───
ぴたっと言葉を止める。名前、「星宮 優」で合ってるかな?
優)宮野さん…だよね。俺は星宮優。よろしく
天音)っ!
相手から話しかけてくれた。特に失礼だとか何も思ってなさそうで安心する。
天音)星宮くん、よろしくお願いしますね!
私は笑顔で応えて、今度こそ勉強をしようと席に戻ろうとしたが、何故か星宮くんに腕を優しく掴まれた。どうしたのかと疑問に思い、振り向くと目が合った。だけど、それだけ。星宮くんは何も言わないし、私も何も言わない。こういう時は敢えて何も言わずに相手が話し始めるのを待つのが正解なのです。
優)宮野さん、敬語いらない。外して
天音)───え?
星宮くんって、意外と不思議くん?
天音)…別に良いですけど、1つ条件があります!
ビシッと星宮くんに指をさす。
この人は絶対に面白い。今までの私を変えてくれるかもしれない。新しい世界がらみれる…とまでは行かなくても、もしかしたら……
───星宮くんなら、もしかしたら
天音)星宮くん、放課後空いてますよね?
続く