テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
緊急事態発生。直ちに全兵を持って首都、ベイガルに行け。
サイレンが鳴り響く。首都ベイガルが落とされれば国が機能せずに、他の国へとウイルスは感染するだろう。一刻を争う時に、私は優雅に紅茶を啜っていた。
(うるさいなぁ…紅茶の味が落ちる。)
目の前には、人とは思えない化け物が手錠をかけられ拘束されている。
「で?痛みは感じる?喋れるの君らって?」
尋問尋問尋問。それも化け物に。そればかりで吐きそうだ。今やっと休憩できたと思ったらこれだ。畜生め。
(けど、流石に行かないと。クリスに給料抜かれちゃう。)
私はすぐ目の前の化け物を銃で撃ち殺すと、その部屋を後にした。
クリーチャーウイルス。それは、人間に感染すると、化け物になるウイルス。感染しない方法は一つ。ウイルスを殲滅させること。要は感染者を殺す事と、ウイルスの発生原因を調べる事。そのためだけに作られたウイルス殲滅部隊。これは国の上層部しか知らない。
「クリナ幹部殿!総統から『直ちに街へ』とのご報告が!」
「わかった。私は先に行っておくから、副幹部のタガマが指揮を取ってもらうとそう伝えといて。」
「は!」
装備を整えて、バイクで街へと向かう。所々に血溜まりができている。もうここまで来ているのか。
目の前から大勢の人波が押し寄せてくる。バイクはもう通れない。念の為、バイクを隠してから走ってバケモノのところへ急ぐ。
バンッ!ドドドド!
銃声音。あっちに戦ってる人がいる。ひとまず合流だ。化け物を倒してから音が鳴っているオフィスへと向かう。
「ようクリナ。弾丸は持ってきてくれたか?」
「ごめん、ドルノ。そんな心遣いない。」
「だろうな。」
「敵の配置は?」
「右に二体。左に三体。真ん中に五体。しかも人質付きだ。どうする?」
「了解。私は真ん中を突っ切る。残ったドルノの班で右を。私は終わり次第左をやる。」
「いけるか?」
「死の後の言えないでしょ。なら体力がある私がする。」
銃を構える。右手にスナイパーライフル、左手にはショットガン。そして腰には大量の爆弾。右に爆弾を一つ投げると、真ん中を突っ切っていく。右に気を取られている今がチャンス。頭を串刺しにして、腕を切っていく。その作業をあと6回。
終わった後、オフィスの中へと入る。群がっていたということは中にはまだ生きている人がいるかもしれない。探していると、小さな子どもの血でできた足跡が奥へと続いていた。
奥へと進むと、子どもが3人。一人はウイルスに感染している。感染している子どもは目が充血し、目のほとんど黒色になっている。これはまずい。早く殺さねば他の二人が死んでしまう。急いでナイフを投げようとすると、2人の子どもに止められた。
「まって!まだ、ナースをころさないで…」
「ナースをたすけて!」
必死に引き留めようとする子ども達を見ると、吐き気がする。無駄なことに付き合っている場合ではない。
「わかった。じゃあ、一旦離れてくれないかな?」
作り笑顔で接する。
「…あなたがたすけてくれるのをみとどけるから、いい。」
クソが。子どもは勘がいい。もう気付かれてしまった。いや、この子だけ勘がいいと言うべきか。
「はぁ、わかった。じゃあ治したら私についてくるんだよ。それで良い?」
コクリと頷く子どもを確認したのちに、感染した子どもの口を塞ぎ小さなカプセルの中へと入れた。さすが水城製、使いやすい。子ども二人を抱えた後、ドルノの所へと戻った。
「なんだ?子どもか?」
「そう。感染したね」
「こっちの二人は大丈夫なんだろうな?」
「この子だけだよ。そっちの二人は…多分抗体持ちじゃないかな?」
「で?その子たちをどうする?」
「治すよ。一年使えばなんとかなる」
ドルノの車の後部座席に子ども3人を座らせる。
「いたか」
「子どもが3人だけ」
「他はいなかったのか?」
「わかんない。一応ダガマに託しといた。」
「なら、良いんだが…」
車に乗り込む、あと5台ぐらいあるからもう行っても大丈夫だろう。エンジンをかけ、血みどろの街に戻って行った。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!