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MAKO
「なんだ・・・これは・・・」
ハウレスはベッドから起き上がると可愛らしいクマがプリントされたカーテンとバナナの壁紙が目に入り、頭を抱えた。
確かボスキの嫌がらせでこんな部屋にされたのだったか。
「はぁ・・・どうしようか・・・」
そう考えていると、窓の外から小さな物音がした。
「?なんだ?」
窓を開けて見てみると、薪小屋の隅に置かれた箱が僅かに動いているのが見えた。
ハウレスは靴を履くと寝間着のまま窓から外に出て箱に駆け寄った。
箱の中には生まれたての子犬たちが5匹ほど入っていた。きっと捨て犬だろう。
ハウレスは無類の犬好きであるし、こんなに小さな子犬を見捨てることなど出来なかった。
こっそりと窓から部屋に戻って、箱を部屋の中に下ろす。
この屋敷で犬を飼ってはいけないだろうか。
とりあえず主のもとに走った。
『犬?いいじゃん、飼おうよ』
あっさり了承された。
主はハウレスと2人で子犬を抱え、ナックにお願いした。
『お願い!飼っていい?』
「ちゃんと世話はするし、餌代は俺が出す!だから飼っていいか?」
ナックははぁ…と深くため息をついてから渋々といった様子で頷いてくれた。
「ただし、条件があります!
1匹だけです!それも番犬としてしっかり訓練させていただきますから!」
『やった!ハウレス!良かったな!』
「はい!……ですが、4匹の里親を探さなくてはいけませんね…」
『それならちょうどいい、今日はお祭りがあるから人が集まる。そこで譲渡会をさせてもらおう』
ということで、ハウレスと主はテントを借りて5匹の子犬たちを柵に入れて触れ合えるようにセッティングした。
子犬たちはよちよちと歩いてはコロンと転んで、それはそれは可愛らしかった。
ロノが温めてくれたミルクをルカスにもらった針無しの注射器で飲ませていると、子どもたちが駆け寄ってきた。
[あ〜!魔法使い様だ!]
[ワンちゃんだ〜可愛い〜!!]
『こんにちは。君たちも私のこと知ってるんだ』
[そりゃそうだよ!この街の英雄だもん!]
[魔法使い様?本物なの〜?]
『本物だよ。英雄ってほどではないと思うけど・・・』
[すご〜い!ねぇねぇ、ワンちゃん触っていい?]
「優しくな」
[わ〜〜〜!!!かわいい〜〜〜!!!]
[かわいい〜〜!!]
子どもたちは生まれたての子犬たちにメロメロだった。
しかし、親から飼っていいとお許しが出なかったため渋々諦めて帰っていった。
色んな人が子犬と触れ合って、主が良いと見極め他人にだけ譲渡していき、最後の1匹が残った。
「コイツが俺の犬ですね」
『ハウレスに一番懐いていた子だ。よかったな』
「はい!」
ハウレスは嬉しそうに子犬を抱っこして主とお祭りを回ることにした。
[おにいちゃんすごーい!!]
[あれも取って〜!!]
「あそこに居るの、テディですね?」
『ホントだ、囲まれてるね』
テディは一つの屋台の前で子どもたちに囲まれていた。
『テディ!』
主が声を掛けると、嬉しそうに振り返り手を降った。
「主様!今射的で子どもたちにおもちゃを取ってあげてたんです!これ得意なんですよ!」
「すごいなテディ。射的か・・・俺も得意だぞ」
「ホントですか!?ハウレスさんの射的見たいです!!ワンちゃんはお預かりします!!」
「あ、あぁ、分かった」
ハウレスは店主に金を払い、射的の銃を構えてぱん、と一発で的を倒した。
「すごいです!一発なんて!」
「わん!」
[おお、お前さんも上手だねぇ!はい、景品]
店主は大きなテディベアをハウレスに渡した。
「え・・・ふむ・・・じゃあ、これはテディにやろう」
「良いんですか!?ラッキー!
あ、でもさっき俺も貰ったんですよね・・・」
「そ、そうか・・・」
『それじゃあ、テディのクマはこの子にあげたら?』
主は子犬にクマをあげることを提案した。
「あ、それなら良いんじゃないですか!?
ね、ハウレスさん!」
「そうだな。
あと、まだ玉が残っているからコイツのおもちゃをいくつか貰って帰ろうか」
「はい!俺も頑張ります!」
2人は小さなぬいぐるみの的を狙って、子犬のおもちゃをいくつも手に入れた。
ハウレスは自室にぬいぐるみを置き、お祭りで展示即売会していた犬小屋の設置に向かった。
ハウレスの部屋の窓の下に設置し、餌と水用の皿も置いてやる。
子犬には首輪を巻いて、小屋に繋いだ。
「よし、トイレを覚えるまでは繋いでおくからな。
後で散歩も教えないと・・・楽しみだな」
子犬はハウレスの手をふんふんと嗅いでから、ぺろぺろと舐め始めた。
ハウレスは優しく微笑んで子犬を撫でてやるのだった。
そしてハウレスの部屋は子犬用のおもちゃなどで溢れかえり、マジの子供部屋の容貌になっていったという・・・。
おまけ 1年後
「こらっっ!!泥棒!!待て!!」
「ばうばう!!!!」
がぶっ
[ぎゃぁぁぁあああああ!!!!!]
「よし!よくやった!」
「へっへっへ・・・」
「ふふ、流石私の訓練に付いてきただけのことはありますね」
「ああ、俺達で訓練した自慢の番犬だ!」
お屋敷でとてもとても有能な番犬として活躍するのだった・・・
ちなみにかなり大型のワンちゃん
お散歩のときはハウレスと全力疾走して楽しそうに遊んでいる
コメント
1件
もうめっちゃほっこりした〜〜!!😭💕 ハウレスが子犬拾って、主もナックもあっさりOK出してくれるの、このチームの優しさがにじみ出てるよね🏻 射的のテディとのやり取りも可愛いし、1年後めっちゃ有能な番犬になってて笑ったwww 子供部屋がまじで子供部屋になってるの、想像したら可愛すぎて悶えたよ…! これは続きも気になる!!!🐶✨