なんでも平気だよ〜って人だけ!
行ってらっしゃい!
黒「あの…いふの友達なんですが」
看護師「あぁ、いふさんの。 ご案内しますね。」
看護師「ここですよ。ご家族もいらっしゃってます。」
黒「ありがとうございます。」
そう言って扉を開けた途端、怒鳴り声が耳に入った。
青「もうやめろ!!」
父「っ…!!!(殴りかかろうとする)」
黒「っ!」
少し前…
白「ガラガラ」
白「ぁ…母さん、父さん」
母「あ、初兎!」
父「初兎。悪いな、こんなやつのために」
白「…うん」
白「父さんこそ、大変じゃなかった?」
父「いや。まだバレてないし平気だな。」
父「全くこいつは…!」
青「…ん…」
目が覚めた。
最初に目に入ったのは、
父と、母と、弟の姿。
起きた俺に最初に気付いたのは、弟である初兎だった。
白「にぃッ…!」
母「何?初兎…って、あぁ」
父「どうしたんだ…、起きたのか。」
黙って父親を見上げる。
父「お前は迷惑しかかけられないのか!!」
父「一体どれだけ俺に迷惑をかければ気が済むんだ!?」
別に掛けたくて掛けてる訳じゃない。
迷惑なんてかけたくない。
ただみんなが幸せならそれで良かった。
父「人と関わるなとあれほど言っただろう!!」
父「たとえそれが初兎だとしても幼馴染だとしても同じ事だ!!」
父「頭を使え!!考えれば分かることだろうが!!」
あぁ、あにきと喋ってること、
知ってたんだ。
俺、あにきにまで、迷惑、かけるんだ。
あーあ。苦しいなぁ。
父「なんとか行ったらどうなんだ!!」
そう言って殴りかかろうとしてきた。
途端、初兎の様子が変わる。
白「あっ…カハッヒュッ、はぁっ、ヒュッ」
母「あなた!!やめて!!」
母さんが初兎のことを抱きしめる。
父「お前まで…!!…あぁ、そうか。」
父「お前が悪いんだ!!俺に殴らせようとしやがって!!」
青「…ごめんなさい」
父「謝って済むとでも思ってるのか!!」
じゃあなんて言えばいいわけ?
父「いっつもいっつも謝ってばかりで!
人に迷惑しかかけないような奴は!!」
「___とっとと死んじまえ!!」
その瞬間、俺の中で何かが切れた。
青「ッ…うるせぇ!!!」
父「…は、?」
青「じゃあなんて言えばいいんだよ!!!」
青「謝んなかったら怒って!謝っても怒って!」
青「どうしろっつうんだ!?」
青「俺だって好きで性障害持ってるわけじゃねぇよ!!」
青「好きで男のこと好きなったりしてるわけじゃねぇ!!!」
青「ふざけんな!!なにが迷惑だよ!!」
青「1番迷惑かけてんのはお前だろうが!!」
青「もう…もう母さんと初兎を傷付けんな!!」
青「もう…!!もうやめろ!!」
父「ッ…!!!」
そして、父さんが殴りかかってきた。
もういいや。言いたいことはいった。
初兎は、母さんといるから多分平気だろう。
パシッ
かわいた音が部屋に響いた。
いつの間にか、
誰かが立っていた。
黒「何しとんの?」
あにきだ。
あにき、来なくて良かったんだよ
俺なんて、気にしなくて、良かったんだよ?
黒「よお頑張ったな。まろも、初兎も」
…あったかいな
あったかい。
父「君はなんなんだ…?部外者は立ち入るな!」
黒「は?友人が入ってなにか悪いことでもあるん?」
黒「俺、まろの幼馴染やねん」
黒「見舞いきちゃダメな理由なんてどこにあるん?」
父「こいつは悪いことをしてるんだ!!罰を与えるのは当然のことだ!」
黒「…あー。そうか。」
黒「悪いことしてるん?まろが?いつ?どこで?」
父「人に迷惑しか掛けていないだろう!!」
黒「例えば?」
父「俺もそうだが…!妻や初兎もだ!!」
父「そして周りの人間だ!!」
黒「へー。俺多分周りの人間に入ると思うんやけどさ、全然迷惑じゃないで」
父「それはお前がおかしいんだろ!」
黒「多分まろの周りでまろのこと迷惑だって思うやついないと思うけどなぁ。」
黒「関わってる人は誰かさんのせいで少ないし、いつも身近にいるんやし」
父「ッ…」
黒「いい加減拳下ろせや。どんだけ殴りたいん?」
父「はッ…!?誰がお前なんかに従うか!!」
ガラガラッ
勢いよくドアが開いた。
桃「…」
…会長か。
倒れたからなのかしらんが、めっちゃ怒ってるような
やっぱ仕事しないで倒れるなんて〜…だめよなぁ〜
桃「手下ろしてくれます?イライラするんで」
えぇ〜…?えぇ、嘘やん
会長まさかとは思うけど父さんに怒っとる?
目が怖いんやけど。あにきは圧が凄いんやけど。
父「お前はなんなんだ!!」
父は怒りが噴火しまくってる。
収まることが無さそうやな。
桃「生徒会長です。」
桃「なぜかいふがバイセクシャルだからと言って差別しておられるようなので言っておきますと、俺はゲイです」
父「はっ!お前もどうせみんなから嫌われているのだろう!?こいつと同じように!!」
俺が嫌われてんのはお前のせいだけどな。
桃「残念ですが。ちっとも嫌われてませんよ。」
黒「むしろないこは好かれとるよなー。」
桃「なんかゲイって言っても誰もなんも言わなかったんだもん。」
黒「お前が普段真面目だからやろ」
父「ッ…!!!!こいつが真面目じゃないからだろ!?お前がどうだろうが関係ない!」
桃「…はぁ、お言葉ですが。」
桃「いふは誰よりも真面目に生徒会の仕事をしてましたし、授業も真面目に受けてましたし、みんなから好かれてましたよ?」
桃「その生活を変えたのは誰ですか?活動を制限したのは誰ですか?」
桃「いい加減いふを差別するのは辞めてください。」
桃「弟さんだってずっと苦しそうにしてます」
会長…そんなに見ててくれてたんだ
あぁ…また、あったかいな
白「ッそうだよ、父さん」
父「初兎。こいつの味方になる必要はない。」
白「違う、俺はッ…、」
父「もういい。3人で暮らす。勝手に暮らせ。」
白「ッえ、」
俺は構わないけど、
初兎、…は…
白「ッやだ!!やだやだ!!いふ兄と一緒じゃないと俺は暮らさんッ!!」
父「…はぁ。おい。俺は先に出てるからな」
母「ッええ、」
ガラガラ
母「初兎、行くわよ」
白「やだ、絶対いやや」
母「早くしなさい」
白「やだ」
白「…母さんおかしいよ、なんで?あんなにいふ兄のこと好きだったじゃんッ…」
母「誰が?ほら、早くしなさい!!!」
白「ッたぁっ、」
初兎の腕を力強く引っ張る母。
あんなに強く引っ張ったら痛いだろ、絶対
白「離してよッ!!!」
母「うるさいわねッ…!!」
母「こんなやつに構ってるひまがあるんだった勉強でもしてなさい!!」
母さん
その言葉は、
初兎が1番
──────────
白視点
言って欲しくなかった言葉だよ
僕はたしかに勉強ができない
だからいふ兄に少しでも追いつこうって、
努力してたんだけど
それに、
母さんまで
いふ兄のこと、「こんなやつ」呼ばわりするんだぁ。
…へぇ。
白「そ。じゃ俺先言っとるわ」
白「ちょっと、待っとってな?」
最恐の笑顔で母にそう伝えた。
コメント
12件
おわぁぁっ…更新ありがとうっ… 黒さん桃さんかっこいいなぁ、最恐の笑顔…白さん何をするんだ…((
めっちゃやばいです(((語彙力死んでます えっと…すごいすごいやばいです…神です…( 。ω 。)