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取り敢えず管理局から帰ってきた琳寧たち。イザナギさんからゆっくり休めと言われたのに、イザナギさんから大事な話があると言われた。
…ゆっくり休むとは??
「急にお邪魔してすまないね。でも、琳寧ちゃん、それに凛音くんに話しておきたい事があるんだ」
こんな真面目な顔をするイザナギさんは割と初めて見る。それほど重要な話をするという事だ。
「まずは今日の事。今回のトラブルは、私でさえ驚くほどの事態なんだ。 管理局は『天界と魔界を結ぶ門』を管理する場所、っていうのは青嵐から聞いたよね?」
私は頷いて反応する。
「それで、その門は意外に世界にはいくつかあるし、通ろうと思えば結構簡単に通れてしまうものなんだよ。さて問題。この天界に、悪魔が蔓延るようになったらどうなるでしょーか 」
急にクイズ形式になった。さっきまでの真面目な雰囲気はどこ行ったんだろう…。
「えっと…今日の様子を見る限り、神様と悪魔は敵?のようでした。だから…争いが起きる?」
おぉ!と言いながらイザナギさんは私に拍手をする。
「素晴らしい観察力だね!その通り。神と悪魔は昔から仲が悪い。でも、全員が神を、または悪魔を悪く思っている訳じゃないってことは必ず覚えておいて」
イザナギさんはまた真剣な表情に戻ってそう言った。
だから、争いが起こることは確実なんだろうけど、争いたくないと思っているヒトも両陣営にいるってことか。
「だからこそ、管理局は絶対にトラブルを起こしてはいけない場所なんだ。そのためにセキュリティも頑丈だし、管理局がある場所は強い力を持つ神が治めるようになっている」
それ遠回しに自分が強いってことを言いたいだけじゃないですか?…なんて思ったけど、これは心に留めておこう。
「だから…今日のことは大問題なんだけど、もう過ぎたことだし、次また同じ事がないようにすることしか出来ない。ということで、これからしばらくの間は調査のため、私が不在のことが増えると思う」
責任の問題もあるし、魔界の偉いヒトとも話をしなきゃだし…と、イザナギさんはこれからの生活を想像して落ち込んでいる。
「ま、こんな個人の話は置いといて。だから、いろんなヒトが調査のために話を聞きに来るかもだけど、私が信頼してるいいヒトばかりだから、覚えてること、感じたことを出来るだけ詳しく話してほしいっていうお願い、聞いてくれるかい?」
私が質問に答えれば、イザナギさんのお手伝いができるっていうことかな。だったら返事は一つしかない。
「わかりました!答えられることは出来るだけ詳しく話しますね!」
「いい返事が聞けて嬉しいよ」
ふと横を見ると、凛音が不満そうな顔をしていた。
「どうしたの?」
「…お前が派遣した神かどうかは、どうやって判断したらいい?」
…あぁ。イザナギさんの信頼してる神様に紛れて、違うことが目的の神様も来るかもしれないってことを心配してくれてるのか。
「それについては、凛音くん。君の出番だよ」
「…?」
「琳寧ちゃんを守れるのは、凛音くんしかいない。そうじゃないのかい?」
お?
「そっか〜、凛音くんじゃ守れないか。なら仕方がないね。琳寧ちゃん、悪いけど私と一緒に調査にー」
す、すごい…!イザナギさんはもう凛音の扱いを熟知してる!完全に凛音の手綱を握っている !!
「そんな技、いつ習得したんですか?」
凛音がぶつぶつ独り言を言ってる間に、こっそりイザナギさんに聞いた。
「まぁ、凛音くんの琳寧ちゃんへの愛の大きさを見てたら思いついちゃって〜。ちなみにこれ2回目ね」
イザナギさんはプロだった。
「とりあえず言いたい事一個目は終わり!次なんだけど、こっちの方がよく聞いててほしい話ね」
また真剣な表情に戻って話し始めた。
「今から話すのは、これから先のこと。琳寧ちゃん、最初にした約束は覚えているかい?」
もちろん忘れるわけがない。私がここに来た理由であり、私の未来が変わったきっかけなのだから。
「イザナミさんを連れ戻したい、ですね?」
「その通り。 そして、イザナミがいる場所はどんなところだい?」
「黄泉の国、でしたよね?」
「そうそう!黄泉の国については超複雑だし、手短に話したいから、大事なことだけ言うね。黄泉の国は特別で、体に悪影響を及ぼす瘴気が常に充満しているんだ。だから、何も対策しないまま入ると、5秒くらいで死んでしまう」
「それでね、私が琳寧ちゃんにしてほしいことは、黄泉の国に行って、イザナミに帰ってくるように説得することなんだ」
いやいや。入れないところにどうやって入ればいいの?
「もしその説得が失敗した場合、琳寧ちゃんにはイザナミと戦って、勝ってもらう必要がある」
思わず声に出てしまった。
「ごめんね、そりゃびっくりするよね」
「ちょっと整理させてください。さっき瘴気の話をしてましたが、それはどうやって防ぐんですか?」
イザナギさんは笑顔で答える。
「いい質問だね!さっきの話と丁度繋がるんだけど、とにかく君には“特訓”をしてもらいます!!」
いや、そんな楽しそうに答えないでください。
「まず瘴気の防ぎ方なんだけど、簡単に言ったら自分のオーラで自分自身を包んで瘴気を通さないようにする。繊細な技術と、それを長時間続けられるような精神力、神力(しんりき)…パワーが求められるから、結構難易度だよ」
「んで、イザナミと戦う事についてなんだけど、神の世界は『力こそ正義!!!』みたいな考えがかなり強いんだよね。だから、負けた人は勝った人に従わないといけないんだ。今日疲れてるだろうから、詳しいのはまた今度〜」
なるほど。もしイザナミさんが私の説得に応じてくれなかった場合、力でねじ伏せるしかないてことか。脳筋すぎでしょ。
「それでね、本当に急で申し訳ない。琳寧ちゃんが強くなるための特訓、明日から始める事になっちゃって…」
…ん?明日から?!!
「うっわぁ…」
凛音も若干引いているし、私に同情の目線を向けてくる。
「今まで大変だったし、ゆっくり休みたい気持ちもわかる!それにこれから毎日質問攻めと特訓だから、先延ばししてもいいよ…?」
なんて言われたけど、イザナミさん、つまり神様に私が勝つだなんて事可能なのだろうか。いや。可能だからイザナギさんは私に伝えたんだ。なら、早めに始めればそれだけ強くなれるってことだ!
「いえ、大丈夫です!明日からお願いします!!」
「大丈夫って言ったって…お前、耐えれるのか?」
凛音が心配してくれた。でも大丈夫なものは大丈夫だ!
「私、体は丈夫だから!!」
いやそうゆう問題じゃ…と言うけど
「もし何かあれば、凛音が助けてくれるんじゃなかったの?」
私は少し上目遣いをして微笑みながら、 イザナギさんの技を借りた。そうすると、凛音はただ無言で後ろから抱きついた。効果はバツグンみたい。
「気を取り直して、明日からよろしくお願いします!」
私は力強く言った。すると、イザナギさんは少し涙目になって
「君は本当に優しい子だね…そう言ってくれてよかったよ〜!!」
イザナギさん、大変だったんだろうな…。
「それじゃ、特訓の話とか、さっきの説明のもっと詳しい話とかはまた明日に話すね。長いことごめんね。とりあえず今日はゆっくり休んでね〜!」
と言いながら部屋から出ていった。
さて、これから忙しくなるぞ〜!