テラーノベル
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イザナギさんからの長くて重要な話を聞いた後、疲れも相まって私はすぐに眠りに落ちた。
朝になり、外からの明かりで目が覚めた。
「お、やっとで起きたか。おはよ」
凛音は私より先に起きていたようで、完全に目が覚めている。私も目を覚ますためにぐーっと伸びをした。
「おはよう凛音。やっぱり凛音の朝は早いね」
凛音は「まぁな」とニカっと笑う。その時、勢いよく扉が開いた。…この光景、見覚えがあるんだけど。
「おっはよ〜琳寧ちゃんたち!!!起きてる〜?」
イザナギさんが飛び出してきた。
「おうおう、朝から元気がいいな」
「元気が私の取り柄だからね!」
「へぇ〜?初めて会った時、半泣きで話してた奴は誰だったかな?」
「ちょ、それとこれは違うだろ!」
相変わらずこの2人は仲が良さそうだ。2人のやりとりを見ていると、思わず笑ってしまう。
「…。」
私が笑うとみんな静かになる。どうして??
すると、凛音が悶絶を始めた。
「あー無理。天使降臨した。琳寧が世界一だ」
なんかずっとぶつぶつ喋ってる。イザナギさんはそんな凛音に蔑むような視線を送る。
「あ、こんな事するために来たんじゃないんだよ。2人とも、朝食の用意ができたから、着いておいで」
イザナギさんに案内された部屋に行くと、豪華な朝食が置いてあった。イザナギさんは 「さ、食べよ食べよ!」 と言って私たちを席に座らせた。
座ったはいいものの、こんなちゃんとした料理は初めてだ。…本当に食べていいのかな。
その様子を見たイザナギさんは声をかけてくれた。
「琳寧ちゃん、こっち向いて口を開けて〜」
ん?よく分からないけど、言われた通りにした。
「ストーーーーップ!!!!!!」
凛音が割り込んできた。
「あともうちょっとだったのにぃ!!」
何が何だかわからない。2人は一体何をしているんだろう。
結局、自分の前に置いてある料理は自由に食べていいと教えてもらえたので、無事?に食べ終えた。
「琳寧ちゃん。午前中は聞き取り、午後からは特訓って日課でもいいかい?」
「はい!」
「それじゃ、私は今から調査に行ってくるね。基本的には周りの誰かがすることを言ってくれると思うけど、もし分からないことがあったら遠慮なく聞いてね!…あ、あとこれも渡しておくね」
イザナギさんは私に小さな折りたたみ式の鏡を渡した。
「この鏡に話しかけるだけで私と会話ができるから、何か問題が起きたら言ってね」
そして「いってきます」と言って出ていった。
近くにいた天使が声をかけてくれた。
「琳寧様、本日の聞き取りは私が行います。用意ができましたら、別室へご案内いたします」
額に赤い模様…あの人がイザナギさんの天使長か。
「私のことは『天清(てんせい)』とお呼びください」
「はい!天清さん、これからよろしくお願いします!」
私がそう言うと、天清さんは軽くお辞儀をした。
私は天清さんに案内され、談話室と呼ばれる部屋に行った。
「さて、凛音様。これからの話はいくら凛音様であっても聞くことはできません。その代わり、青嵐様たちが話があると言っておられます。どうぞ、ご離席ください」
そう言われた凛音は不服そうに、1人で別の通路を進んでいった。
「どうぞ、気楽に過ごしてください。何か欲しいものはありますか?」
天清さんは私に尋ね、リラックスできる空間を作ろうとしてくれている。私は飲み物を頼んで、少ししてから質問攻め…じゃなくて、聞き取りが始まった。
「すでにイザナギ様の身に起きたことの聞き取りは完了しております。 ですので、イザナギ様と合流する前までの“貴女自身の”話をお聞かせください」
「まず、管理局へ行ったのは何時頃で、どのような理由からでしょうか?」
「これにて本日の聞き取りは終了になります。お疲れ様でした」
ふぅ、やっとで終わった。今日聞かれたのは管理局内部でのこと。とにかく細かく聞かれたので、とても時間がかかった。質問に答えるだけでこんなに疲れるとは…。
聞き取りの後は軽く食事をとった。これから体を動かすんだから、しっかり食べると良くないからね。
「ねぇ天清さん、私はどこの部屋に向かえばいいの?」
イザナギさんの家はとにかく大きい。来たばっかりだから、どこがなんの部屋なのかなんてさっぱり分からない。
「はい。ご案内いたします」
そう言うと歩き出したため、私もその後を追って移動した。
天清さんは礼儀がすごくいいし、なんと言うか、お上品だ。だからこそなんだけど…ちょっとロボットみたい。
「こちらです。ここからは私ではなく、別の方がご案内するでしょう。それでは、私は失礼いたします」
修練場まで案内してくれると、自分の仕事を終えたのですぐに場を離れようとする天清さん。
「あの…天清さん!」
私は天清さんを呼び止めた。天清さんは立ち止まって振り向く。
「午前中までだったけど、いろいろと案内してくれてありがとう!」
お礼を伝えると、天清さんはニコッと微笑んで「はい!」とだけ返事をした。
天清さんの表情が初めて変わった…!!と思って、天清さんがロボットじゃないことを実感した。
さて、今からは修行!私は気を引き締めて、修練場の扉をノックした。
「どうぞ」
部屋の中から、聞いた覚えがある声がする。
私は修練場の扉を開けた。
「やっほー琳寧様!昨日ぶり!」
白髪の元気な少女が手を振る。白蓮だ。その横には糸目の緑髪の少年、玄翠。
「待ってましたよ琳寧様!」
という声が聞こえたと思ったら、急に目線が高くなった。抱き上げられているようだけど…赤髪のロングヘア、朱暖の仕業だ。
「こら白蓮、朱暖。テンション上がりすぎだよ」
2人を制止する、前髪で右目を覆っている青髪の青嵐。
「みんな…!」
昨日会ったばかりではあるけど、また会えてすごく嬉しい。
「あれ、みんながここにいるって事は、もしかして…」
「はい。我ら四聖獣、琳寧様の『師匠』という立場をイザナギ様より命じられました」
青嵐がそう言うと、朱暖も私を降ろして、四聖獣たちは横一列に並ぶ。そして片膝をつき、
「我ら一同、琳寧様にお尽し致します!!」
と、一斉に言った。頼もしいヒトたちが、私の師匠になってくれたようだ。
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