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yuom ./ 引退
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ハイキュー!!/宮治 × 宮侑
※悲恋・シリアス・病気・両片思い・死ネタを含みます。
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Ⅰ.好きになんか、ならんかったらよかった。
宮侑は、宮治が好きだった。
いつからかなんて、もう覚えていない。
小さい頃から隣におった。 同じ家で育って、同じ飯を食って、同じ夢を追いかけて。
何をするにも一緒だった。
治が笑えば、侑も笑った。 治が怒れば、侑も腹が立った。 治が誰かと仲良くしていれば、なんとなく面白くなかった。
昔は、それが全部、双子だからやと思っていた。
けれど高校生になって、治が他の誰かに告白されているのを見たとき。
胸の奥が、ぐちゃぐちゃになった。
——ああ、俺、こいつのこと好きなんや。
そう気づいてしまった。
気づかなければよかった。
だって、治は弟だ。
血の繋がった、たった一人の双子の弟。
どれだけ好きでも、どれだけ一緒にいたくても、この気持ちを伝えたらあかん。
伝えた瞬間、今まで当たり前にあったものが、全部なくなってしまう気がした。
それに侑には、もうひとつ、言えない理由があった。
昔、好きだった人に言われた言葉が、今でも頭から離れない。
『侑って、自分のことしか考えてないよね』
『好きって言われても、困るだけ』
『もう、近づかないで』
本気だった。
初めての恋だった。
自分なりに大切にしていたつもりだった。
けれど、相手にとっては迷惑だった。
それ以来、侑は誰かを好きになるのが怖くなった。
好きになって、気持ちを伝えて、拒絶される。
その先に何が残るのか、知ってしまったから。
だから治には、絶対に言えなかった。
治だけは。
治だけは、失いたくなかった。
「ツム、何ぼーっとしとんねん」
目の前で、治が手を振る。
「……別に」
「嘘つけ。さっきからずっと上の空やん」
「うっさいなぁ。サムには関係ないやろ」
いつも通りの言葉。
いつも通りの喧嘩。
治が呆れたように笑って、侑の額を指で弾いた。
「なんやねん、ほんま」
その笑顔を見た瞬間、侑は思った。
——ああ、好きやなあ。
どうしようもないくらい。
好きで、好きで、どうしようもなかった。
「……なあ、サム」
「ん?」
「俺がずっとおらんくなったら、どうする?」
治の笑顔が止まった。
「は?」
「いや、例えばの話」
「アホか。どこ行くねん」
「知らん。遠いとこ」
「……勝手にせえや」
そう言いながら、治は侑の肩を小突いた。
「でも、帰ってこんかったら許さんからな」
侑は笑った。
いつもみたいに、馬鹿みたいに明るく。
「……そっか」
その言葉が、なぜだかひどく嬉しかった。
そして、ひどく悲しかった。
コメント
1件
読んでじわじわと来たわ……。双子の“当たり前”の距離感が、好きって気づいた瞬間にもう戻れなくなるんだなって。治療の「帰ってこんかったら許さんからな」の軽さが逆に重いし、侑の一人で抱える感じが切なすぎる。まだ1話だけど、この先どうなるか気になって仕方ないわ。