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yuom ./ 引退
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Ⅱ.病院の白い天井
最初は、ただの疲れだと思っていた。
練習中に息が切れる。
階段を上るだけで、心臓が嫌な音を立てる。
朝起きると、身体が鉛みたいに重い。
それでも侑は、誰にも言わなかった。
バレーができなくなるのが怖かったから。
治に心配されるのが嫌だったから。
何より、自分の身体に何が起きているのか、知るのが怖かった。
けれどある日、練習中に倒れた。
目を開けたとき、そこは病院だった。
医師の説明を、侑は黙って聞いていた。
聞いたことのない病名。
深刻な顔をする医師。
治療をしても、回復が難しいこと。
そして——残された時間が、長くないかもしれないこと。
「……そっすか」
それだけしか、言えなかった。
泣かなかった。
取り乱さなかった。
ただ、天井を見つめた。
真っ白な天井を。
「……まだ、バレーしたかったなあ」
ぽつりと呟いた声は、自分でも驚くほど小さかった。
日本一になりたかった。
もっと強くなりたかった。
治と、もっと一緒にいたかった。
くだらないことで喧嘩して。
飯を取り合って。
同じ部屋で、どうでもいい話をして。
何年経っても、変わらず隣におるんやと思っていた。
それなのに。
「……サム、ごめんな」
誰もいない病室で、侑は初めて泣いた。
治には言えない。
病気のことも。
怖いことも。
本当は、まだ生きていたいことも。
そして何より。
お前が好きやということも。
全部、言えなかった。
コメント
1件
⋆⁺₊☾ 読み終わったあと、しばらく言葉が出なかったよ……☁️💧 侑が「そっすか」って短く返したところ、めちゃくちゃ胸にきた。泣かないように天井見上げる姿とか、現実を受け入れてるのに涙は止まらなくて“サムごめん”って呟くラスト、もう完全にやられた……😭💔 本当は好きって言いたかったのに、言えなかったところだけでこの物語の重さが全部伝わってくるよ。まだ2話なのに、こんなに心掴まれるってヤバい。続きが気になるけど、覚悟して読まなきゃね……!🩹✨