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続きが読みたいです🥺🥺🥺
全略。
 告白されました。
 
 ꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳
 
 今夏の暑さがピークになりつつあるこのタイミングにある登校日。全身から汗が吹き出て、首を伝って下に流れ落ちていく。
 
 亮「今日暑いね〜…」
 大「はぁー、クーラーガンガンの部屋行きてー。」
 亮「それ最高だね〜…、早く教室入ろっ」
 大「おー。」
 亮「あ、そういえば佐久…((」
 █「佐久間!今ちょっといい?」
 大「あー…いや、今亮平と居るから無理かもっ!」
 亮「うん?行ってきなよ、待ってるから♪」
 █「ごめんね阿部くん!」
 
 亮平と2人で廊下を歩いているとあんまり話したことの無い同学年の男子に呼び出されて、連れてこられた先は校舎裏。
これから始まるのは集団リンチか何かだろうか。
校舎の影から照みたいないかつめのお兄さん達が出てきたりするのだろうか。生憎護身術は習っていないから一発食らうだけでも瀕死になるだろう。
 
 と思っていたのもさっきまでの話。
 
 █「佐久間、俺と付き合ってほしい。」
 大「んっ……?っえ?」
 █「俺、佐久間のことが好きなんだ。」
 大「ご…めん、考えさせてっ?」
 █「ありがと、考えといて!またな!」
 大「う…ん。またねっ!」
 
 正直驚いた。告白されるなんて初めての経験だったし、ましてや男なんて経験するとも思っていなかった。愛の在り方が変わりつつあるっていうのは、何かの記事で見て知っていたけど、まさか自分がその対象になるとは。
 
 照「お、佐久間来た、おはよ」
 亮「ほんとだ!おかえり〜」
 大「おっち〜!」
 蓮「おはよう、どこ行ってたの?」
 大「ちょっとお呼ばれされちっただけ!」
 照「え、なになにもしかして女子?笑」
 亮「いや、男の子だったよ?」
 照「告白の路線は消えたか…」
 蓮「いやまだ可能性あるよ」
 蓮「佐久間くん男の子にも告白されそうだし」チラッ
 大「え〜?そうかな?♡」キュルン
 照「きゅるきゅるすんな笑」
 亮「実際なんだったの?」
 大「告白だったよ〜?」
 蓮「あ、ほら、やっぱり」
 亮「付き合ったの?」
 大「ううん〜?まだ返事してないよ」
 亮「そっ…か!」
 蓮「あんまり待たせるのも良くないからね?」
 照「あ、先生来たわ、また話そ」
 大「ん!!!」
 
 ꙳ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ꙳
 
 HRだとか、レクリエーションだとか、行く意味があったのかと思わせられる登校日も家に帰れば終わり。
太陽が沈んだかと思えばアスファルトが昼間の熱を持って俺たちを暑さで包み続ける。
亮平と2人でなんてことないことを話しながら帰るのが俺の日課。ただ今日は、あんまり話したことの無い男子に告られた日の放課後。いつも通りなようで、異端な日。
 
 亮「ねえ佐久間?」
 大「ん〜?」
 亮「告白、どうするの?」
 大「あー、あれなー…」
 亮「あんまり待たせちゃうのも悪いじゃん?」
 大「いっぺん付き合ってみるのもありかもな。」
 亮「えっ……?」
 大「え?」
 
 夏の暑さと夕方の薄暗さ。
道端で突然立ち止まった亮平と俺の間を隔てるものはなにひとつない。
だからこそよく見えた亮平の表情は、あの勉強会の日と全く同じだった。俺が引っかかったあの表情。何か言いたげなのに言い出せない、そんな辛そうで苦しそうな表情。
目が合って俯いた亮平は再び前を向いて静かに口を開いて言った。
 
 亮「俺は…、」
 大「……?」
 亮「俺は…嫌だよ。」
 
 今まで、自分の気持ちを表に出してくれなかった亮平が俺の目をしっかり見て初めて言ってくれたこと。
嬉しいはずなのに喜べない。なぜだか分からないけど、今自分が亮平の言葉に喜んだら見えない何かが全てが崩れていきそうな気がしてそっと自分の中に仕舞いこんだ。
 
 きっとこれが、いや、
 たぶん俺はずっと前から逃げてきた。
 違う、違う、そんなはずないって、
 ずっと違うって思ってきた。
 
 たぶんこの時にはもう、俺は亮平に恋してた。
 
 to be continued…