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副題:ハマったおじさんの話
登場人物
ケイン🤖→警察官からギャンボスにジョブチェンジ
店長📡→ホットドッグ屋のおじさん(ギャンボス)
※BL、苦手なひとは退出願います
「ケイーン」
「…どうしました?」
「オレんち、行こっか」
私は手短に《寝ます、おやすみなさい》と無線を消す。
「車、準備しますね」
家に着いた途端、肩を掴まれ唇が重なる。
「ん」
「…っ、は…てん」
抗議の声は消え、口内に彼の舌が滑り込んでくる。
「…ぅ」
「…」
誘われ舌同士絡まれば、店長の眉間がぴくりと震えた。
あの後、部屋に入ってもしばらく行為は続き、 満足した店長は今深い眠りについている。
「…何故」
きっかけは、店長の些細な疑問からだ。
「肌装甲ってさ、どうなってんの?」
「…どうって、見たままですが」
「あーんして」
「…」
「わっ、歯も舌もある…すげー」
「身体はロボットのままなんだ」
「衣服がありますので」
黒側になり様々な犯罪を重ねれば、目をつけられる事が増えるわけで。
「私のようなモノは目立ちすぎます」
それなら人間に化けてしまえば、と頭部がすげ替えられる『肌装甲』が誕生した。
「友人が、手先の器用な方でしたので」
「ふぅん」
『ケインオーのデータと連動できるように、僕の顔をコピーしたよ。気持ちは複雑だけどそれが手っ取り早いから。』
彼の心情が吐露された手紙の内容を思い出す。
「ケイン、笑ってる」
「…感情はないと」
店長の指が、私の頬を撫でる。
「…ふっ」
「?」
店長は小さく笑って、何度も私の頬を撫でた。
その日から、私に触れるようになった店長。
「ケイン」
「はい、何でしょう」
ぽんぽんと髪を撫でる。
また別の日には、
「こんな所で寝たら風邪を引きますよ、店長」
「…」
覗き込んだ際、私の唇を指でなぞる。
そんな日々を送るなか、決定的な出来事が起こる。
『レダー、護送された?』
『いやまだ途中みたい』
他のボスたちと大型ミッションを受けたらしく、遅く起きた私は精製所で作業しながら、錯綜する無線に耳を傾けていた。
「救出…、いや邪魔になるか」
新しく調合を始めようとした時、外でけたたましい衝撃音がした。
「!?」
作業を止め外に出ると、見覚えのあるヘリが墜落していた。
「店長!」
追尾してくる警察がいない事を確認して、機体に走り寄る。
「ぐっ…う」
運転席でうなだれる店長の顔がどんどん蒼白していく。衝撃で吐血し、喉を塞いでいた。
背中を叩いて吐き出させたけれど、顔色がまだ戻らない。
店長を仰向けに寝かせ、口に吸い付く。
何度目かの処置で、
「っが、ゲホッ…!」
「店長!」
勢いよくむせ顔に血色が戻っていく。
「ぐち逸さんに連絡を…」
ふと、店長の手が私の腕を掴んでいる事に気付いた。
「…」
「店長?大丈夫ですか?」
すると、私の唇に触る仕草。こんな時に何故?
「…くち、べに?」
「?」
触ると、処置で着いた店長の血が口の周りにこびりついていた。
「きれい、ケイン」
ふふっと笑って意識を失ってしまった。
「…」
それからだ。
人目につかない場所にくると「ケイン」と呼んでは口を重ねる。
意味は分からないが、応えれば彼の機嫌が良くなるので、あえて聞くことはしない。
【キス(Kiss/接吻)】
唇や舌を相手の頬・唇・手などに接触させる行為で、親愛、友情、愛情、または挨拶や儀礼として絆を深める愛情表現。