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ー地下大洞窟ー
ロア「地下大洞窟…結構広いですね」
「初めて来たなぁ、シンオウってやっぱり奥が深い…」
シロナ「でしょ?私時々迷子になりかけるから頼んだわ」
「嘘だろ…」
ロア「シロナさんが迷ったら僕終わりますけど?!」
シロナ「じ、冗談よ〜!もうロアくんは純粋なんだから〜」
「じゃあなんでそんな焦ってるの??」
シロナ「ささ、調査するとこはこの先よ!」
ロア「明らか冗談には見えなすぎるな…」
「というか…ポケモン探しというか調査になってない?別に良いけど」
ロア(…それにしても…なんだろう…あの洞窟…?)
ロア(……掘り出された形跡があるから…普通に探鉱…?」
シロナ「えっ?!ヤダ!ロアくん着いてきてないじゃない!」
シロナ「ちょっとー!ロアくん早く早く!」
ロア「あ、す、すみません!」タッタッタッ
ー鉱石の洞窟ー
シロナ「…これは」
ロア「お、遅れました…」
シロナ「しっ…」
ロア「…?」
シロナ「…ここ、掘り尽くされてて分かりずらいけれど、ガバイトの巣穴ね」
ロア「ガバイト…?!」
「とんでもない事実…!!!え、というかガバイトの巣穴掘り尽くすヤカラいることにドン引きなんだが」
「確かに宝石沢山あるだろうけど本人からしたらとんでもない迷惑行為ね?」
「人間で例えると他人に勝手に家破壊されつつ中に侵入されて金品全部取られてくっていう…取り立てマフィアにしか見えねぇよそれ」
シロナ「えぇ…博士曰く、ここから強い反応を探知したって言っていたけれど…」
シロナ「なんでガバイトの巣穴に…」
「…ん?もしかして…いや、可能性ものすごく低いけど…」
ロア「……ガバイトは、宝石を自分の巣穴に持ち帰って貯めると言われています…その上縄張り意識が強い…」
ロア「…でも、宝石で強い反応が出るはずがない…パワーストーンというのはありますが、そこまででは無いはず…とすると」
ロア「シロナさんは確か、昔の事を調べてるんですよね」
シロナ「えぇ、そうだけれど-…」
シュンッ
ロア「…?今、なにか…」
シロナ「え?」
ブオンッ
ロア「シロナさん危ない!!」
ガバイト「ガァッッ!!!」キンッ
ロア「…っぶない…見つかったか…厄介だな」
「隙を狙ってくるなんて…それほど本気なんだな…そりゃそうか…」
「マフィアに立ち向かうその姿勢は本当に…僕には出来ないから尊敬するわ」
シロナ「…そ、それは…まもる…?!ど、どうして技を…!」
ロア「言うのが遅れましたけど…ボク、実はポケモンなんです…」
シロナ「えぇッッ?!!」
ロア「ヒスイゾロアークっていうポケモンで…と、とりあえず後で話します!!」
シロナ「しかもヒスイのゾロアーク!?」
シロナ「だから可愛さが滲み出てたのね……!!謎が解けたわ…!」
ロア「そこ??よく分からないけど謎解けて良かったですね…」
「まぁやっぱこういうことになるよな…ダッッッルいけどボクが悪いな…早くにシロナさんを止めておけば…」
ガバイト「ガゥゥゥ……ッッ!!」
シロナ「だいぶ気が立ってるわね…、巣穴に勝手に入り込まれたらそうよね…」
「あっちは悪く無いから穏便に済ませたいよなー…やってみるしか…」
ロア「ねぇ!君!」
シロナ「え?ろ、ロアくん?」
ガバイト「ヴヴヴヴ……!!グアァゥッ!!」シュイィ…ッ
「やっぱそーいうことねー…」
ロア「違う!僕らは巣穴を荒らしに来たんじゃないんだ!」
シロナ(会話している…?)
ロア「信じれないのはわかってる!けど、僕らは…君を傷つけるつもりも、君の宝を奪うつもりもない!」
ガバイト「グゥルルルル………」
シロナ(そ、そうか…!ロアくんはポケモンだから会話ができるのね…!!)
シロナ(で、でも…会話だけでどうにかなるとは…)
ロア「………」
「大丈夫…大丈夫…!敵意がないってことを教えれば…、笑顔だ笑顔」
シロナ(ロアくん…敵意が無いことを知らせる為に笑顔で……)
シロナ「…やっぱり、あの子は……信じてみるしか…ないわね」
「…うーん、いや、持ち物も降ろそう…」
ドサッ
ガバイト「…グルヴ?」
ロア「…ほら!なにもしないよ!大丈夫!」バッ
ロア「そりゃいきなり自分の家に入ってこられたら嫌だし混乱するよな!」
ロア「本当にごめん!」
ガバイト「ガゥァアッ!!ヴヴヴヴ……!!ヴヴヴヴ……ヴルル……」ガクンッ
シロナ&ロア「!!」
「………嘘だろ…?これ…って………?!」
シロナ「ロアくん!そのガバイト…!」
ロア「…怪我…してる……混乱してて気づかなかったけど…血が…っ」
ロア「そっか……だから…余計に怖かったんだな…」
ロア「…こんなに傷つけられればそうだよな……誰がこんな事……ッ」
ガバイト「ヴヴヴヴ……」
「……いや、落ち着け、今はこの子を……ポケモンは相手の感情を読み取る力が強いんだ…」
「まずは、怪我を治してあげたいって伝えれば…」
ロア「…わかるよ、君の感じた気持ちほどわかってあげれないけど……」
ガバイト「ヴヴ……」
ロア「ねぇ、僕ら、すぐに出ていくから、せめて…君の回復だけ…させて貰えないかな」
シロナ「……ええ!すぐに出ていくわ!だから大丈夫よ!」
「シロナさんナイス!!シロナさんからもそう言ってあげればさらに安心……できる…よな?いや、多分できるはず!!」
ガバイト「………ガゥ…」
「…?動きが……も、もしかして」
ガバイト「……ヴゥ…」ドサッ
シロナ「!!!」
ロア「あ!!?待って!しっかり…!!」
「やっぱりそうか…!!コイツ毒も食らって…」
「毒タイプのポケモンで弱らせて宝石を……?」
「そこまでしてやることなのか…!?」
「そこまでして…こんな傷つけてまで俺ら人間は……」
ガバイト「ゥ……ウゥ…」
シロナ「回復してあげましょう!!ロアくん!!」
ロア「しない訳ないだろ…ッこんなの…!!」ガサゴソ…
シロナ「ロアくん……えぇ、そうよね…」
ガバイト「ウヴ…ァ…」
シロナ「……ッ」ググ…ッ
シロナ(…何も罪もないポケモンにこんなことを…ッ一体誰が…)
シロナ(……ロアくんも、私と同じでポケモンが大好きだから伝わってくる…)
ロア「クソが…ッ!!絶対治る…!治るからな…!」シューッ…
ロア「苦しいよな…!ほら、これで毒は治ったからな…!!」
ぽた…ぽた…
ロア「頑張らせてごめんな…ッ!!」
シロナ「………ッ」
シロナ(いつもと口調が変わるほど……涙を流すほど………)
シロナ(本当に……ポケモンが大好きなのよね……)
ロア「クッソ……くすりが……ッ」
シロナ「ロアくん!これ使って!」
ロア「シロナさん……これ……かいふくのくすり…!!」
シロナ「えぇ!お礼はいらないわ!」
シロナ「この子の傷を治してあげましょ!」
「マジで女神ぃ………ッ」
ロア「はい……!!」
「それから、僕はかいふくのくすりで完全に回復させ、また傷つけたヤカラが来ないか見張り、巣穴と野生のガバイトが目を覚ますまで見守っていた…