_兎狩 side
血を吹き出し、横たわった知らない人の頬をつついてみる。それだけつついても、大きな声で呼びかけても起きる気配はない。…、死んじゃってるのかな。当たり前だよね、星月衆の幹部と戦ったから。
なんで人って死んじゃうのかな。
地面に座る。その周りには血溜まりが出来ているのに気付かずに。とむるがどれだけ本気で身体を動かしても、
痛い、辛いって思うことはないし。とむるがどれだけ本気で戦っても、とむるは死なない。当たり前か、死なないなんて。死んじゃったらこうやって考えることも出来ないもんね。でもなんでだろう、わかんないな。
『なんで死んじゃうんだろ』
だいぶ前にこつきちゃんが言ってたけど、なんて言ってたかもわかんないし、なんて言ってるのかわかんなかった。…今聞いたらわかるかな。
立ち上がり、軽快なステップを踏んで本部へ戻る。その途中で内線がぴぴっと鳴った。
「「は〜い〜?」」
「「”兎狩”クン、診察室まで急いで来てくれるかな」」
「「はぁ〜い」」
珍しく切羽詰まったようなこつきちゃんの声。どうしたのかな?こつきちゃんはそんなに焦るような人じゃないし、…急用かな。でもそれだったらなんでとむる?ん〜〜…、、、。
そういえば、こつきちゃん。
ヘンな喋り方してたな。
『…へぇ、』
ちょっとだけ面白そうだし、ノッてあげようかな。そう思って”診察室”への足を早くした。星月衆に診察室なんてないけどね。
星月衆の敷地内に入ると首元に冷たい金属が触れた感覚。銃かな。
「動くなよ」
『はぁい』
「喋るな」
仕方なく落ち着いた素振りを見せる。
「除払とむるだな?」
喋るなって言ったのはそっちなのに答えないと多分
怒るんだろうなぁ。
『そーだよ』
「案内しろ、頭の所まで」
『それは出来ないかなぁ』
発砲されそうな感覚を首に受け、頭を下げる。後ろにいる誰かのみぞおち辺りに当たるように足を回す。あ、掠った。
多分感触的に触れたのは肋骨?そんなに足は上げてないけど肋骨ってことはそんなに身長は高くないのかな。でも、とむるよりかは高い。
素早く振り返って、両手首を掴む。右の足を上げてみぞおちを蹴る。蹴った反動でしっかり倒れるように手首を離す。
『捕まえたよ』
動けないように足を押さえる。
『こつきちゃんの真似してたのっておにいちゃんだよね?』
問いかけると何も返ってこない。
『…死んじゃった?』
よくよく見れば口から血を吐いている。そっか、残念だな。
「「ごめんなさぁい、散らかしちゃった」」
内線を通して連絡する。
さて、本物のこつきちゃんに会いに行こう。
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名 筆走 コツキ__Hubashi Kotsuki
二 芸究者__Geikyuusya
能 見判__Kenban
__化科__Bakeka
コメント
8件
とむるちゃんやっぱ好きすぎる😢😢😢😢😢😢😢🙄🙄🙄🙄🙄🙄🙄🙄🙄🙄