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右脚に鋭い痛みと衝撃を受けたように感じて飛び起きる。


「 ッ! ⋯は、⋯はぁ⋯は、ぁ⋯⋯」


既に塞がった右脚の傷跡を抱きしめるように震えている両腕で抱え、いつの間にか荒れていた息を整えるように深呼吸をする。

段々と頭が冴えてくると冷静に物事を考えることができるようになる、”こんな日”なのに夢見が最悪で寝起きも最悪だとも思うと不安になってくる。


汗でびっしょりと濡れた寝間着を脱ぎながら時間を確認する。


確かに外は快晴で、けれど少しいつもより暗いな⋯なんて思っていたがどうやら想定よりも早く起きてしまったらしい。

ササッと軽く汗を流すようにシャワーを浴びて悪夢に染ったままの記憶を流すように冷水を浴びる。


少しぼうっとしていたらいつの間にか身体が冷え切っていて、冷水のシャワーを止める。


使い古されたゴワゴワとしているバスタオルで雑に身体を拭き、今日の為にわざわざシャツのシワを伸ばした着古された制服に腕を通して、ほぼ空っぽとも言える冷蔵庫を漁る。


冷えた飲むタイプのゼリーを取り出しチビチビと口に咥えたまま飲む。


ドライヤーで乱暴に髪を乾かしてハーフアップで括り、事前に準備していたそこまで多くもない荷物を持つ。


「 ⋯行って、きます。 」


今はもう自分しかいない、誰もいない家に向かって静かに声を出して挨拶をする。


まだ早朝の時期に合わない肌を刺すような肌寒い空気に軽く息を吐きながら、少し歩みを早めて自身の居た村の中から一番近い駅へと早歩きで向かう。

数十分ほど歩くと、少し寂れた駅へと着く。

片道用の切符を買って丁度に来た ”“試験会場”“ の近くまで向かう人の少ない電車へと乗り込む。


現在時刻は、6時47分。


「 ⋯8時頃には、着くかな。 」


なんて独り言を呟きながら、ほぼ人が乗っていない電車内を見渡しふかふかとした素材でできている席に腰をかける。

静かな車内にガタゴトと鳴り響く車輪の音と車両に揺られる感覚に身を預ける。


鞄の中に入っている、正直少し不安な教科の内容をざっくりと見返しながらちゃんと理解出来ていることに安堵する。

緊張している気持ちを抑えるように瞼を伏せ、ぼうっとしているといつの間にか降りる駅の名称が聞こえてくる。


重い瞼を持ち上げ、ゆっくりと立ち上がりいつの間にか乗り込んでいる人が増えていることに驚きながら当たらないように気をつけて降りていく。

駅は自身と同じように同じ道を辿り、試験を受けに来た学生で満ちていて、ようやく自身がしようとしていることを実感する。


「 僕、⋯ホントに雄英高校の試験を受けるんだ⋯ 」


期待と不安で胸がドクン、と高鳴った。

Q.僕は誰かを救えるヒーローになれるのか?

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