「良かった……無事だったんだね……」僕は彼女を優しく抱きしめるとそのまま泣き出してしまった。そんな僕を彼女は優しく抱きしめ返す。瞬間、背中に鋭い痛みを感じた「ぐあっ!!」僕は悲鳴を上げる。慌てて振り向くと神崎さんが僕の背中をナイフで刺していた「あははっ!新海君は私だけのものになるんだよ!」そう言って何度も刺してくる。「ひ……柊さん!ぜっ……絶対……う……動かないで!……そう!それでい……いいんだ……」僕が叫ぶと彼女は目に涙を浮かべながら何度も頷いていた。
「あははっ!ねぇ?私を選んでくれるよね?」神崎さんは笑いながら言う「……か……神崎、お……お前の……こ……とは……き……嫌いじゃない……だ……だけど……!柊さんは……特別なんだ!!」僕が叫ぶと神崎さんの目から大量の涙が流れた「新海君……?嘘だよね……?」彼女は震える声で言う。
「ち、違うよ……」僕は痛みに耐えながら必死に声を出す「ぼ、僕が好きなのは……ひ、柊さんなんだ……!」僕がそう言うと彼女の動きが止まったそしてゆっくりとナイフを下ろす「……そっか」そう言って彼女は笑った「あははっ♪やっぱりそうだったんだね♪」彼女は立ち上がって壁に掛かっている鉈を取った。「じゃあ!2人で仲良く死ねぇ!あははっ♪」僕は最後を覚悟して柊さんを強く抱きしめる「柊さん!絶対に離さないから!」僕が叫ぶと、彼女はニッコリと笑って言った「ありがとう!私も大好きだよ!」そう言って彼女も強く抱きしめ返す。まさに鉈が振り下ろされる瞬間、部屋に一発の銃声が響く。そして砕けた鉈の破片が降ってくる「ひえっ!?」神崎さんが悲鳴をあげる。「警察だ!大人しく投降しろ!」部屋の入口の方から声が聞こえる神崎さんがそちらを見る。そこには拳銃を構えた女性警官が立っていた「うわああっ!!」神崎さんは慌てて逃げようと出口の方を向くしかし既に包囲されていたようで、逃げ場はなかったそのまま手錠をかけられ連行された僕は意識を失った柊さんの頭を撫でる。「君たち、すぐに救急車が来るからもう少し待っててね……あ、これ止血帯に使って」女性警官はそう言うと僕にタオルを手渡してきた。
しばらくして救急車が到着し、僕と柊さんは病院に搬送された……幸いにも命に別状はないとのことだったが僕は出血と刺された跡が両腕を貫通してて切断することに、さらに脊髄を突き抜かれたせいで下半身不随になった。
一方、柊さんは大量失血で一時的に植物状態になってしまったが幸いにも一命を取り留めたとのことだった……その後聞いた話だが柊さんの視覚障害が何故か治ったと聞いた。あの事件から2ヶ月後、僕は入院中で下半身不随のリハビリに専念していたそんなある日のことだった。「に……新海君だよね?私、分かるかな?」突然病室の扉が開かれて誰かが入ってきた「えっと……柊さん?大丈夫だった?」僕が聞くと柊さんは涙を流した。「み……見える、やっと新海君が見える……!良かった……本当に良かった……!」彼女は泣きながら僕に抱きついてきた。僕はそっと抱き返したそしてしばらくの間2人で泣いていた しばらくして落ち着いた頃、柊さんがこちらに顔を向けて言う。「ねぇ、新海君?私達、これからずっと一緒だよね?」その質問に僕は笑って答えた。「うん……一緒にいよう」そう言うと彼女も笑ったそしてどちらからともなく顔を近づけてキスをした。「……ん……?」僕は目を覚ます。起きて時計を見ると時間は6時半を指していたいつもより少し早く起きてしまったようだもう少し寝ようかなと思ったが最近目が覚めてしまうのでとりあえず起き上がる事にした。あぁ……そうだった、もう前のようには歩けないんだったな……ふとそんな事を思いながら立ち上がった。すると突然足に力が入らなくなってその場に倒れ込む「え……?」そしてそのままうつ伏せの状態で倒れてしまった。いくらリハビリしても下半身不随は治らなかった……それどころか日に日に足は悪化していて今はもう完全に歩けない状態だった「くそぉ……!」僕は悔しさから涙が出た 。こんな体じゃ何も出来ないじゃないか……「……新海君……!無理しちゃダメだよ……!」病室の扉が開く音と共に柊さんの声が聞こえた「あ……おはよう。柊さん」「……うん、おはよう」彼女はニッコリ笑って言った。そして僕をベットに運んでくれた。 あれから2ヶ月が経ち俺は退院することが出来たこれでやっと家に帰られるらしいのだが足が動かないので当分車椅子生活のようだ病院の先生からは1人で歩けるようになるかは五分五分だと言われた別に一生車椅子でも良いんだけどな……ただそれでいつまでも柊さんに迷惑をかける訳にもいかないし早く歩けるようになりたいところだ あの日以来、柊さんは毎日お見舞いに来てくれている
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