テラーノベル
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人間と会った事は誰にも言ってない
怖くて言えなかった
ここが見つかってしまうのでは無いかと思ったから‥‥
それと同時に彼の事が頭から離れなかった
優しそうで穏やかな顔と声
彼は地上でどんな暮らしをしているのだろう
もう会う事はない彼の事を考えると胸が苦しくなった
「ロウ!どうだった?」
「え‥‥?な、何が‥‥」
急に声をかけられて吃ってしまう
ライが興味深々に俺の周りを泳ぐ
「何がって‥‥外の事に決まってるだろ?」
「あぁ‥‥いや、別に何も無かったよ」
「そりゃそうだろうけど、なんか見て来なかったのかよ」
間近で見たよ‥‥人間を‥‥
とは言えない
でもライとは小さい頃からの幼馴染だ
何でも言い合える‥‥
だったら少し言ってみようかな
「なぁライ‥‥俺実は人間と会ったんだ」
「えぇっ⁈お前よく戻って来れたな」
「人間は意識無かったから‥‥それで俺‥‥もう一度その人間に会いたくて‥‥」
「‥‥それって好きになったって事?」
「違っ!‥‥そんなんじゃ‥‥ただどうしたか気になって」
「それが恋っていうんじゃないの?」
「‥‥そうなのか?」
「知らないよ」
「なんなんだよ!」
ライが笑いながらもどこかを見つめる
「確かさ、あの祠の中に伝説の人魚姫が使ったとされる物があるんだ。小瓶の中身を飲んだら人間の足が生えて来るって言われてるけど‥‥使ってみれば?」
「え‥‥お腹壊さない?」
「でも足が生えたらその人を探せるだろ?」
「‥‥確かに」
俺たちは中途半端に聞いた昔話だけで、その小瓶を簡単に手に入れた
どんな事になるかも知らずに‥‥‥‥
皆んなが寝静まった夜
1人海面を目指して泳ぐ
もう少しで陸だ
ここであの小瓶を飲んでしまおう
コルクを抜き一気に中身を飲み干す
口中に甘い感覚が広がる
その瞬間ドクンと一度大きく心臓が波打つ
そして直ぐに身体中が痛みで包まれた
「なん‥‥‥‥これっ‥‥‥‥」
水中で踠くがいつまで経っても痛みが治らない
そのうち意識が遠くなり何も考えられなくなった
誰かの声が聞こえる
何を言っているんだ?
まだ体が痛くて俺はそれどころじゃないんだ
あれ?
体がふわふわしてる‥‥
もしかして海に戻っちゃったのかも
まだ彼を見つけても無いのに
まだ帰りたくない
お願いだから‥‥‥‥
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コメント
6件
今回も神作すぎて…✨人魚姫は声出なくなるけどこやはどうなるんだろ?🤔続き楽しみです!!
どうなるんだ?!毎回新しい展開で飽きないです!!続き楽しみ〜
発想が毎回凄いです!自分の妄想だとすごく美しい小柳の姿が思い浮かびます!!