テラーノベル
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なんだこの感触
体がジンジンとして暖かい
俺はどうしたんだっけ‥‥‥‥
ぼんやりとした頭で目が覚める
目に映ったものは初めて見るものばかり
体を起こし、あたりを伺う
その時扉が開き、人間が入ってきた
それは海で出会った彼‥‥
「あ!気が付いたんだね」
「‥‥‥‥‥‥」
え‥‥‥‥
俺、声が‥‥
喉に手を当て声を出そうと試みるが、何の音も出せない
その時ふと昔聞いた話が蘇った
そうだ
人魚姫は声を失った代わりに足が貰えたんだ
「‥‥どうしました?」
「‥‥‥‥!‥‥‥‥!」
「あ‥‥もしかして声が出ないんですか?」
「‥‥‥‥‥‥」
どうしてこんな肝心な事を忘れていたのか
いや、多分ちゃんと長老の話を聞いていなかったからだ
これって地上にいる間は声が出せないって事だよな‥‥
俺が何度も声を出そうとしていると、彼が俺の肩を撫でた
「落ち着いて。きっと海で溺れたショックで出ないだけかも‥‥とりあえず他に怪我も無いようだしお腹空いてませんか?」
お腹?
そう言えば空いてるかも
俺は小さく頷くと彼は誰かに食事を用意させていた
「起きれますか?こちらのテーブルまで」
「‥‥‥‥」
俺はベッドから足を下ろし、地に足を着ける
その時ナイフで刺されたかのような痛みが足に走った
「‥‥!!」
せっかく足があるのに‥‥
なんでこんなに痛いんだ⁈
「足が痛いんですか?」
彼が俺の様子を見て慌てて駆け寄る
触っても痛くないのに‥‥
歩こうとすると激痛が走る
「怪我でもしたのかな‥‥後でお医者様に‥‥」
それは困る
いや、どうなのか分からないけど医者というのは痛い物だと絵本で読んだ
それに体を診られて俺が人間じゃないってバレるのはもっと困る
俺は彼の目を見て首を横に振った
彼に伝わるか分からないけど
「でも怪我だったら‥‥」
首を振る
お願いだ
それだけはやめてくれ!
「怪我じゃないのかな‥‥元から悪かったとか?」
そう!
そういう事にしておこう
俺は首を縦に振った
「そうなのか‥‥元から歩けないとか?」
また俺は首を縦に振った
歩けないならば歩けなかった事にしてしまえばいい
「それじゃ‥‥後から車椅子でも用意しておこう。とりあえず今は僕が椅子に連れて行ってもいい?それともベッドで食べますか?」
「‥‥‥‥‥‥」
俺がテーブルの方を見ていると、サッと彼の手が俺の体を抱えた
「‥‥!」
驚いて彼に掴まると、彼は俺を椅子まで抱き抱えて連れて行ってくれた
椅子の上に優しく下されるとナプキンを足の上に敷いてくれる
目の前には本でしか見た事がない料理の数々
俺の前に彼も座った
「口に合うと良いですけど」
「‥‥‥‥」
彼がスプーンを手にした
俺は自分の前にある同じ形の物を手にする
これを使って食べるんだよな‥‥
でも‥‥
これは一体‥‥‥‥
俺は料理を眺めてから彼を見た
彼はずっとこっちを見ていた
どうしよう
俺‥‥
海藻しか食べた事無いのに
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コメント
2件
わっ、やっぱり声出なくなっちゃったんだ!物語設定が好きすぎる。メリバエンドとかもめっちゃ見たいです!
最高です頼むからこのままハピエン迎えてくれ、