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1
#溺愛
星キラリ

705
#恋愛
n217(エヌ・ニイナ)
1,753
#衝撃のラスト
ゆいな
28
昼休み。
美咲は廊下を歩きながら、隣の蓮をちらっと見た。
蓮はスマホ見てる。
通知欄は女ばっか。
でも蓮は適当にスクロールして終わり。
優しくして、期待させて、 飽きたら終わり。
それでも女は蓮にハマる。
顔が良くて、距離感近くて、
“自分だけ特別”って思わせるのが上手いから。
でも蓮は誰にも本気じゃない。
美咲はそれをずっと見てきた。
だから安心してた。
どうせまた、すぐ飽きる。
「ひまりちゃんそれかわい〜!」
少し先から、楽しそうな声が聞こえた。
蓮がなんとなく顔上げる。
廊下の窓際。
友達に囲まれて笑ってる女の子。
ふわふわした黒髪。
白い肌。
笑うたび柔らかく揺れる雰囲気。
「……誰あれ」
美咲はそっち見て「あー」って笑う。
「うちのクラス。一ノ瀬ひまり」
蓮は黙ったまま見てる。
ひまりは友達と話してるだけなのに、なんか目で追ってしまう。
「かわい」
ぽつって漏れる。
美咲が吹き出した。
「なに、お前気になった?」
「全く」
でも視線は逸らさない。
美咲はなんとなくおもしろくなってくる。
蓮は少し笑った。
「落としてみよっかな」
軽い。
いつものノリ。
美咲もそれ聞いて安心する。
あぁ、いつもの“遊び”。
かわいい子見つけたから、惚れさせたいだけ。
どうせまた一瞬。
「何日もつと思う?」
美咲がニヤつきながら聞く。
蓮は少し考えるふりして、
「んー、二週間?」
って笑った。
「長。じゃあうちは一週間に賭ける」
「失礼」
そんな軽口叩きながら笑いあった。
数日後。
放課後前の廊下。
ひまりは困ってた。
「だからさ、今度遊ぼって!」
男子たちに囲まれてる。
断るの苦手なんだろうな、ってすぐわかる。
困って笑ってるだけで、全然強く言い返せてない。
少し離れたところで、それを見てる蓮。
隣の美咲は呆れた顔した。
「お前ほんと性格悪」
「なにが」
「絶対わざとじゃん」
実際そうだった。
さっき、蓮が男子に適当に言ったのだ。
“あの子フリーらしいよ”
その一言で食いついた。
そして今。
困ってるタイミング見計らって、蓮は歩き出す。
「ひまり」
自然に輪の中入る。
男子たちが振り返った。
蓮は平然とひまりの肩抱き寄せる。
「探した」
ひまりがきょとんとする。
「……え?」
「帰るぞ」
空気で押し切る。
男子たちは顔見合わせて、「あー……」って引いた。
蓮がいると逆らいにくい。
少し離れてから、蓮は手を離した。
ひまりはまだ状況わかってなさそうだった。
「助けてくれてありがとう!」
素直に笑う。
その顔見て、蓮もちょっと笑った。
うん、かわいい。
落ちそう。
そう思った。
後ろで見てた美咲は、そんな蓮を見ながら笑う。
どうせまた同じ。
優しくして、
特別扱いして、
期待させて終わり。
だから平気。
美咲はそんな蓮に背中を向け帰って行った。
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