テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
83
29
🫧想美🎐🍏
260
#イケメン
蒼乃 月
31
昼休み。
美咲は廊下を歩きながら、隣の蓮をちらっと見た。
蓮はスマホ見てる。
通知欄は女ばっか。
でも蓮は適当にスクロールして終わり。
優しくして、期待させて、 飽きたら終わり。
それでも女は蓮にハマる。
顔が良くて、距離感近くて、
“自分だけ特別”って思わせるのが上手いから。
でも蓮は誰にも本気じゃない。
美咲はそれをずっと見てきた。
だから安心してた。
どうせまた、すぐ飽きる。
「ひまりちゃんそれかわい〜!」
少し先から、楽しそうな声が聞こえた。
蓮がなんとなく顔上げる。
廊下の窓際。
友達に囲まれて笑ってる女の子。
ふわふわした黒髪。
白い肌。
笑うたび柔らかく揺れる雰囲気。
「……誰あれ」
美咲はそっち見て「あー」って笑う。
「うちのクラス。一ノ瀬ひまり」
蓮は黙ったまま見てる。
ひまりは友達と話してるだけなのに、なんか目で追ってしまう。
「かわい」
ぽつって漏れる。
美咲が吹き出した。
「なに、お前気になった?」
「全く」
でも視線は逸らさない。
美咲はなんとなくおもしろくなってくる。
蓮は少し笑った。
「落としてみよっかな」
軽い。
いつものノリ。
美咲もそれ聞いて安心する。
あぁ、いつもの“遊び”。
かわいい子見つけたから、惚れさせたいだけ。
どうせまた一瞬。
「何日もつと思う?」
美咲がニヤつきながら聞く。
蓮は少し考えるふりして、
「んー、二週間?」
って笑った。
「長。じゃあうちは一週間に賭ける」
「失礼」
そんな軽口叩きながら笑いあった。
数日後。
放課後前の廊下。
ひまりは困ってた。
「だからさ、今度遊ぼって!」
男子たちに囲まれてる。
断るの苦手なんだろうな、ってすぐわかる。
困って笑ってるだけで、全然強く言い返せてない。
少し離れたところで、それを見てる蓮。
隣の美咲は呆れた顔した。
「お前ほんと性格悪」
「なにが」
「絶対わざとじゃん」
実際そうだった。
さっき、蓮が男子に適当に言ったのだ。
“あの子フリーらしいよ”
その一言で食いついた。
そして今。
困ってるタイミング見計らって、蓮は歩き出す。
「ひまり」
自然に輪の中入る。
男子たちが振り返った。
蓮は平然とひまりの肩抱き寄せる。
「探した」
ひまりがきょとんとする。
「……え?」
「帰るぞ」
空気で押し切る。
男子たちは顔見合わせて、「あー……」って引いた。
蓮がいると逆らいにくい。
少し離れてから、蓮は手を離した。
ひまりはまだ状況わかってなさそうだった。
「助けてくれてありがとう!」
素直に笑う。
その顔見て、蓮もちょっと笑った。
うん、かわいい。
落ちそう。
そう思った。
後ろで見てた美咲は、そんな蓮を見ながら笑う。
どうせまた同じ。
優しくして、
特別扱いして、
期待させて終わり。
だから平気。
美咲はそんな蓮に背中を向け帰って行った。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!