テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
しろニキ前提りちょニキ
NTR癖をもつしろせんせーに翻弄されるニキくんと巻き込まれりぃちょ
ニキくんが可哀想
ニキ視点
「お前りぃちょに抱かれてくれん?」
「………ん?」
風呂から上がって彼にドライヤーをしてもらい終わった後の一言。目の前の相方が何と言ったのか理解し得ない。え、ボビーってNTR癖あったの?
「え、なん、…えぇ?」
未だ少しも理解していない頭は驚きよりも困惑が勝つ。困惑の音を漏らせば、眉を顰めながら心配げに引いた?と聞いてくる。別に、と肯定すれば彼は胸を撫で下ろし、安堵の表情を浮かべていた。
「まぁ、ええやろ?」
「う、うーん…?」
「お前昔身体売っとったやん」
「っ…それ、は…」
確かに昔は身体を売っていたが、それは目の前の彼と付き合えたらを想像したくて彼に似た人を選んでただけなのだ。その状況を盗み見しておいて、それを俺の弱みとするだなんて本当に性格が悪い。それによく幻滅しなかったなと思いつつ、そんな弱みを握られている以上断ったら何をされるか分かったもんじゃない。
「一生のお願いや」
「……だめ、」
こんなところで一生のお願いを使うなよ。
「ほんまにあかんの…?」
「…ぅぅ、っ、やだ、」
目には薄い水の膜を張り、こちらに純粋な期待の眼差しで見つめ、甘ったるい猫撫で声でお願いをしてくる。俺がそれに弱いと知っているから、俺は断れずに居た。
「駄目か?」
「……っ、だめ、」
「な、お願いや」
「…ぅ、…ぃ、いよ」
何度断っても頑なに譲らない彼に押され、結局は何も良くないのにいいよ、と答えてしまった。俺のその言葉を待ってましたと言わんばかりに、先程の純粋な瞳が嘘に見える程、喜びの裏に嫉妬を孕んだ深紅の瞳と目が合う。嫉妬するなら提案しないでくれ、と心の中で呟いた。そうと決まれば彼はスマホを手に取り、りぃちょに電話を掛け始めた。
「ボビーもしかしてだけど今から…? 」
「もちろん」
何をするにしても気が早すぎやしないかと思いながら、本当にりぃちょと一線を越えるのかと落胆した。そもそも俺は付き合ってからは彼以外に抱かれる気は無かった。だけれど、愛おしい恋人が言うなら仕方ないのかもしれない。
そうやってこれから起こることについて整理していれば、りぃちょとの通話が終わった彼がこちらに近寄ってくる。やけにニコニコした笑顔が腹立たしい。そう思っていたらいきなり腕を掴まれ、寝室へ連れて行かれる。
「なに、?」
「下準備くらいしとくべきやろ?」
寝室にくるや否や、俺をベッドに座らせた。何だ、と問えば、下準備を”しておいてくれ”ではなく、”しておくべき”と答えられた。それはまるで今から俺の下準備をします、と言われたような気がした。先程から絶え間なく進んでいく状況に脳が追いつかず、情報整理のために必死に考えていたがそんな事は叶わず、彼に名前を呼ばれたので中断する。
「ほらニキ、おいで」
そう言って俺が腿の上に跨るのを待たれてる。こうしてうだうだしているとりぃちょが来てしまうので、大人しく彼に従う。
「っ、」
本当に嫌だ。だけれども、身体を重ねる期待をさせるような厭らしい手つきで尻を撫でられ、その気にさせられているのも事実。
「ま、って…」
「はよしいひんとりぃちょに見られながらになってまうよ?」
ニヤりと口角を上げる彼を見て、少し苛立ちを覚える。それはそうとしても、こんなタイミングで来られたらたまったもんじゃない。そう思って彼のすることに身体を預ける。
「っめ、た…♡♡ぁッ、…ん、♡…ッぅ、ぼびッ、ぃ♡」
「ふ、かわえ」
スル、と下半身を隠す衣服を下ろされる。いつ取りだしたかも分からないローションを指に垂らしてそのまま流れるように指が入ってくる。そのまま拡げるようにあちらこちらに動く指に蹂躙される。
「ん、ッ…♡…ね、ぇッ♡ほん、と、やぁ…♡」
「…なにがそんなに嫌なん?」
「っ、…だって、ぇ…」
恋人以外と性交するなんて普通に考えても嫌でしょ…。
「ごめんな…?やけどお前のココは俺だけのもんやから許してや…」
そう言って俺の唇と彼の唇が重ねられる。こんなキザな台詞を言われて少しでも許してやろうと思ってしまう自分が憎い。今回みたいに許してしまうから、彼が毎度調子に乗って自分が嫌な目に遭うんだ。俺はもう少し自重した方が良いのかもしれない。
「…一回イっとき」
「うぇ、ッ♡♡ッぅ、♡…ぁ、ッ♡あ” ッ♡♡は、ぁ〜〜ッ♡♡♡」
くち、くち、と二本の細長い指が縦横無尽に動き回って俺のナカを掻き乱していく。何度も触れられたこの身体は何処を触っても快感を得る。手短に済ませようとイイところを擦られる。指の腹でなぞり、押され、嬲られるような快楽が俺をその気にさせる。グッ、と一段と深く押されて、ビクビクと身体が震える。
「ぼび、ッ」
「…あかんよ」
このまま彼に犯して欲しくて彼の首に腕を巻き付けたが、ピンポーンとタイミング良く家のチャイムが鳴った。よっこいせ、と言いながら玄関に向かおうとしている彼を見て俺も着いて行こうとしたが、彼によってそれは阻止された。待機命令を出されたので大人しくベッドに腰掛ける。
「ニキニキやっほー」
「…よ」
なんでお前はそんなに軽そうなんだ。そもそも受け入れるなよ、断ってくれよ。そんな淡い願いは既に打ち砕かれており、今からの行為に酷く頭を抱える。
「じゃ、ヤろっか」
その声と共にベッドのスプリングがぎし、と音を鳴らす。本当にコイツと一線を超えてしまうのか…。
「すっご…」
俺の服を脱がすなり、感嘆の声を出された。なんの事だか分からずりぃちょに問えば、えぇ無自覚なの、とドン引かれた。どうやら俺の身体にキスマークやら噛み跡やらがぎっしり付いていることに驚いたらしい、主にボビーの独占欲についてだろうが…。俺も最初は驚いたが、もう慣れてしまった。
「ごめん、バックがいい…」
「いーよ、全然」
このままの体制じゃ正常位になってしまうのでバックを望んだ。正直これくらい受け入れて貰わないと困る。かと言って正常位が嫌いな訳じゃない。ただ、顔見られるのとか、声を抑える手段がなかったりだとか、そもそもボビー以外としたくもないし…。そんな事を思っていればりぃちょは俺のお尻付近に手を添える。
「ッ、…ぁ、う♡♡」
「慣らしてあんだ…」
「さっさ、としろ、よぉ…♡」
一分一秒でも早く終わらせたくて、さっきの短時間で痛くならないくらい慣らしてくれた事を信じて、りぃちょを急かす。
「ニキニキ、いくよ…?」
「り、ちょ…ぁ、…っ?ぅぅ”、…んん、…ぅ♡」
なにこれ、なにこれ、なにこれ、こんな圧迫感知らない。溶かされてしまいそうなくらい熱くて、大きいソレは限られた時間で絆されたナカじゃあ挿入りきらなくて、拡げるように奥へ進んでいく。
「っはー、ニキニキ動いていー…?」
「ぁ、ッ?♡…ぅ、ッ♡ん、…ぃ、いよッ♡」
幸いなことに痛みを伴うことは無かったが、質量の大きいソレを飲み込むには不相応な状態。できるだけ息を吐いて緩めようとしたが、あまり効果無し。ゆっくりと押し進められながらただ微弱な快楽を享受して、声が漏れるだけ。
「は、ぁッ♡♡ぁ、っ…♡ぁ、…ッ♡♡」
パン、と肌がぶつかり合う音を鳴らして、気持ち良さにゆらゆらと腰を揺らしてしまう。
「ッ、ぅ、…♡ぁ、…ん”んッ♡♡」
クソガキに喘ぎ声を聞かれたくなくて、目の前にあった枕に顔を埋め、必死に声を抑える。
「んッ♡♡ん、ぅッ♡♡…ん、ん゛ッ♡♡」
肌と肌がぶつかり合う音、内側を掻き乱される音、そんな卑猥な音と快楽から逃げようとする度に洗ったばかりのシーツを握り、擦れる音が頭に響いて、何も考えられなくなる。
「ん、ぇ…ッ♡ぁ、ぁ゛ッ♡♡ぼびッ♡♡ぼび、♡」
明らかにりぃちょでは無い手が頭に乗り、優しく撫でられる。撫でられ慣れたその感覚に驚いて顔を上げれば、先程まで離れの椅子に座っていたはずの相方がベットに腰掛けて居た。
「顔隠さんで」
「ぁ…ゃだッ」
そう言って俺が使っていた枕を剥ぎ取られる。やだ、そんな抵抗も虚しく手を伸ばしたが更に遠くに離される始末。
「ニキニキこっちに集中して♡」
「ぉ゛ッ♡♡♡ッぁ、…ぁッ”♡♡」
挙句の果てには目の前の彼に意識が向き過ぎていて、こちらに集中しろと言わんばかりに奥を突かれた。
「は、ぁッ♡…ひ、ぅッ…ん♡♡」
「やっば、もってかれそーッ…」
ボビーとは違う温もりが嫌だ。そもそもボビー以外に抱かれるのが嫌。愛が発生することの無い、互いに独りよがりの稚拙な行為が嫌。どれだけ嫌だと思っても抗えない現実が苦しい。ずっと快楽が頭を支配する。
「ニキ、ちゃんとしぃ?」
「ッ、ゃ…みな、いでッ…♡」
何度も奥を突かれて、火花がバチバチと飛んで、朦朧とする意識の中、目の前に居る最愛の恋人に見られている事実が恥ずかしくて堪らない。なのに、気持ち良くなって身体も脳も快楽に蝕まれる。
「ひ、ッ…♡♡ぃや、ッ♡…む、りッ♡むり、ぃ゛ッ♡♡♡」
もうクソガキは遠慮から程遠い、俺の全てを擦り取る勢いで攻め込んでくる。何度恋人と身体を重ねても慣れない、挿入っちゃだめなところに達するまでの前置き。あれが酷く恐ろしくて、達した後に自分が自分じゃなくなってしまうあの感覚も、想像するだけで怖くなる。無理だって泣き叫んでもクソガキは止まる勢いを見せない。怖いのに、開発されたこの身体じゃあ快楽を享受して、抵抗できずに終わる。
「ッ゛〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡」
ズンッと挿入り込んできて、質量が増すその感覚に背中が仰け反って、気が気じゃなくなる。はっ、はっと興奮した犬のように浅い呼吸になって、目の前はチカチカと点滅し、延々と快楽の波が最高潮まで来ているような気がする。
「…は、〜〜っ…♡」
ワンテンポ遅れて、薄い膜越しにどろりとした熱を感じた。収まらない快楽を落ち着かせようと目を閉じ、深呼吸していると特有の疲労感からか不思議と意識が落ちていった。
*
再び目を開けたときにはもうりぃちょは居なかった。
ベッドの上で口許を手で隠しながら、眉を顰めて窓の外を見るボビーが居た。どうしても彼に触れたくて、手を伸ばす。
「ぼび、ぃ」
名前を呼べば俺の方に顔を向けて、優しく微笑んだ。不意にグイッと腕を引かれ、彼にもたれかかる。少し顔を上げて彼の顔を見れば、何か悪巧みをしているかのような不敵な笑みを浮かべていた。
「そこに座りや」
彼の足と足の間の床。両足を外側に広げて、両手を自身の腿の間につき、お尻も床につける。所謂内股座りというやつ。大人しく従えば彼は、口角を上げて悪い笑みを浮かべる。彼の手が顎に添えられ、真紅の瞳と目が合う。それは酷く欲情した、俺の体を貫いてしまいそうなほどの強い眼圧だった。
「やっぱお前は悪い子やんなぁ」
「っ…ぁ」
彼に従ったまでなのに悪く言われる筋合いなんて無い。そうやって否定の言葉を紡ごうと口を開けた瞬間彼の親指が入ってきた。一瞬噛みちぎってやろうかとも思ったが更に酷く抱かれそうなので辞めておいた。
「俺以外に犯されて気持ちよさそぉやったな」
「ちがっ、ぅッん…は、ッ…」
「違くないやろ」
どうやら俺には肯定する選択肢しか与えられていないらしい。顎を持っていない方の手の人差し指と中指が否定の言葉を紡ごうとしたタイミングで入って来る。
「ぅぐッ…、」
自己の意思と関係なく動く指に翻弄される。舌に指の腹が乗せられ、じわじわと動く。それと同時に目の前の彼は俺から目を離さない。逐一反応する俺をじっと見つめて、どんな動きも見逃さまいという視線を浴びせてくる。
「…ッぐ、ぁ”、…っ、ぃ”…ッ」
二本の指で俺の舌を挟み、少し引っ張られる。その独特な感覚に多少の気持ち悪さを覚えつつ、特有の不快感に自然と目元には涙が溜まり、視界がぼやけている。自分の思考と相反する指が喉奥を刺す。ギラ、と煌めく真紅の瞳に身体が強ばって、これから嫌ってほどの愛を注がれる。やがて、指は舌から離れ俺の唾液が彼の指との糸を繋ぐ。こんなお仕置きじみた状況に興奮を抱いて、更に求めてしまうのはどれだけ愚かか。不意に顎をくい、と上げられ視界が彼で埋まる。
「お前が誰のもんか隅まで教え込んだる」
瞳孔は開きながらも目を細め、ちょっと気味が悪いくらいに口角を上げて、俺を欲する顔をしたボビーが居た。 そんな彼に応えるべく頬に添えられている彼の手に自身の手を重ねてきゅ、と軽く握る。
「おれが、ボビーのもんだって言えるくらいにあいして?」
これが俺の一生のお願いかも。