テラーノベル
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それから数日後。
じゃぱぱは、以前より少しだけ早く寝て、少しだけちゃんと食べて、そして少しだけ「しんどい」と言えるようになっていた。
完璧じゃない。
でも、ちゃんと“戻ろうとしている途中”だった。
「おい、リーダー」
キッチンから声。
たっつんがエプロン姿で振り向く。
「なにその呼び方」
「お前が昨日“今日からちゃんとする”って言ったやろ」
「言ったけど!」
じゃぱぱがむくれると、たっつんは笑いながら味見のスプーンを差し出した。
「はい、チェック」
「え、なにそれ」
「毒味」
「ひど」
でも素直に口を開くじゃぱぱ。
一口。
「……うま」
「やろ?」
たっつんがちょっと得意げに笑う。
その顔を見て、じゃぱぱはふと気づく。
(たっつん、ずっとこうやって普通に隣にいるんだよな)
助けるとか、支えるとか、そういう大げさじゃなくて。
当たり前みたいに。
「……たっつん」
「んー?」
「最近さ」
「うん」
じゃぱぱは少しだけ視線を逸らす。
「優しすぎん?」
たっつんが一瞬固まる。
「は?」
「前より絶対優しい」
「いや元からやろ」
「いやそれはない」
即否定。
たっつんがむっとする。
「お前が弱ってたからそう見えただけやろ」
「ほんとかな〜?」
じゃぱぱがニヤッと笑うと、
たっつんは完全にペースを崩される。
「おい」
「なに?」
「調子乗るな」
「調子乗ってませーん」
そう言いながらじゃぱぱが近づくと、
たっつんは軽くため息をついて、ぽんと額を押した。
「近い」
「なんで」
「距離感バグっとる」
「バグらせたの誰?」
「……」
たっつん、無言。
じゃぱぱ、勝ち誇った顔。
その瞬間。
たっつんが小さく笑って、じゃぱぱの頭をぽんぽん叩いた。
「……元気になったな」
その声が、少しだけ優しくて。
じゃぱぱは一瞬だけ動きが止まる。
「……うん」
「それが一番ええ」
たっつんは何気なく言って、
また料理に戻る。
でもその横顔が、どこか安心しているみたいで。
じゃぱぱはその背中を見ながら、
小さく息を吐いた。
(ああ、戻ってきてる)
ちゃんと笑えてる自分も、
ちゃんと弱さを見せられる自分も。
そのどっちも。
しばらくして。
「じゃぱぱ」
「ん?」
「味見もっとする?」
「する」
即答。
「食いしんぼ」
「たっつんの作るやつだから」
さらっと言う。
たっつんの手が一瞬止まる。
「……そういうのやめろ」
「なんで?」
「恥ずい」
「え、今さら?」
じゃぱぱが笑うと、
たっつんは顔を背けながら鍋をかき混ぜる。
耳がちょっと赤い。
それを見て、じゃぱぱは思う。
(ああ、こういうのがいいんだな)
無理してない日常。
ちょっと照れて、ちょっと笑って。
でもちゃんと隣にいる。
じゃぱぱはそっと近づいて、
たっつんの袖を軽く引っ張った。
「なに」
「……ありがと」
たっつんは一瞬だけ止まって、
それから小さく笑った。
「知っとる」
「うわムカつく」
「素直じゃないリーダーにはこれくらいでええ」
そう言って、
軽くじゃぱぱの頭をぐしゃっと撫でる。
じゃぱぱは少しむくれながらも、
その手を振り払わなかった。
むしろ少しだけ、
そのまま目を細める。
(あ、これでいいんだ)
ちゃんと頼っていい。
ちゃんと甘えていい。
ちゃんと笑っていい。
その全部を、
隣にいる人が許してくれる。
たっつんは鍋を見ながらぼそっと言う。
「じゃぱぱ」
「んー」
「今日もちゃんと休めよ」
「……それ昨日も言った」
「毎日言う」
じゃぱぱは少しだけ笑って、
小さく返す。
「はいはい、リーダー休みます」
「よろしい」
そのやり取りが、
なんだか妙にあたたかくて。
キッチンには、
少し甘い匂いと、静かな安心だけが残っていた。
コメント
1件
うわあ……この回、すごくよかったです🥺 じゃぱぱが“ちょっとだけちゃんと”できてるの、ちゃんと戻ろうとしてる感じがじんわり伝わってきました。たっつんの「毎日言う」とか「知っとる」っていう返し、キャラの距離感が完璧で。無理に大げさにしないで“当たり前みたいに隣にいる感じ”がすごく刺さりました。 「これでいいんだ」って思える日常、尊すぎます…続きも楽しみにしてますね🤍
# は る 。
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♡
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#ご本人さまとは関係はありません
桃夢 ㄘぃ
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